『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『シェフ 三ツ星フードトラック
始めました』徹底解析
完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

2014年:アメリカ、日本公開
監督・製作・脚本:ジョン・ファブロー
出演:ジョン・ファブロー 他

2021年現在で世界興行収入No.1がMCUシリーズのアベンジャーズ/エンドゲーム 約28億ドル(約2900億円)となっている。この大ヒットのMCUシリーズの礎を築いた人物こそが本作で監督、製作、脚本、主演という4役を担っているジョン・ファブロー。2013年にアイアンマン3が公開されているがジョン・ファブローがMCUを断ってまで撮りたかったのが『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(※以下シェフ)
それだけにジョン・ファブローの強い思いが本編ではダイレクトに表現されていました(笑)

『膨満感だと?客に媚びてるだと?俺は誰にも媚びていない!…何様だ ただ食って悪口を掃き散らす…こっちは必死でやってんだ。スタッフ全員だ!俺らが必死に作った料理にお前は平気でクソをする…傷つくよ!あんな記事 誰でも傷つく…店が潰れたらどうするんだ!腐れ野郎め…認めんぞ!何が評論家だ!』

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』本編から

映画評論家をグルメ評論家に置き換えたジョン・ファブローの訴え。アイアンマンで絶大な評価を得たジョン・ファブローだったが次作の2010年アイアンマン2や2011年カウボーイ&エイリアンでは多額の製作費の代わりに、やりたいことを制限され最悪の評価を受ける事になってしまった。まさにジョン・ファブロー自身の心の訴えがセリフになったいう訳だ。『俺の自由に作らせてくれよ!』『あんな評論家なんか黙らせてやる!』劇中のなかでも全くおなじセリフをカールはオーナーに訴えていました…

ダスティン・ホフマンが演じたレストランのオーナーのリーバ。彼は新しい挑戦をしようとしていたカールを制して定番料理に戻すよう諭していくのだが最後は相容れずにカールを解雇する事になる。この流れがジョン・ファブローがアイアンマン3を降板した流れと非常に似ていると思いませんか?ジョン・ファブローが本作に力を入れている理由がコレでお分かりになったかと思われます。監督、製作、脚本、主演という4役を担いスポンサーが口を出さないギリギリの低予算で製作された本作なら自分の好きな様に自由に作ることができた作品だからこそ…『シェフ』はジョン・ファブローの全ての想いを積め込める事が出来た最高の料理として仕上げる事ができたのかもしれません。

軍師かんべえ

クリエイターあるある…やはりスポンサーの意向は絶対であるため自由に作れる事はまずない…そんな想いがビンビンに伝わってきました。

ダウニーJrとスカヨハ

こういった経緯を知らないで本作を鑑賞した場合にロバート・ダウニーJrとスカーレット・ヨハンソンというハリウッド2大スターを無駄撃ちしている映画の様に思えるがファブロー自身が本作を通じて訴えかけたかったメッセージャーだったと考えれば2人は最大の効果を発揮している。特にダウニーJrの役はアイアンマン同様に空気の読めない会社の社長という設定でカールとのやりとりは まさにアイアンマンの中でのトニー・スタークとハッピーのやりとりそのもの…

あの意味が全くなかった靴カバーの下り…はMCUというビックシリーズに対する皮肉とも呼べる起用法で『お前らが大金を使って起用したロバート・ダウニーJrを俺はノーギャラで贅沢にも意味のないシーンで使ってやった…』もちろん このジョークをダウニーJrは分かっていて友情出演している…というのも非常に面白い。

軍師かんべえ

ただただ爆笑してました(笑)意味ねぇーと思いながら

MAKE LOVE・ヨハンソン

また…シェフではスカーレット・ヨハンソンをMCUシリーズでは絶対にできないSEXシーンで起用している。カールがペペロンチーノを料理している場面はどう見てもMAKE LOVEとしか思えない…脱いでもいなければ、肌を触れ合う事すらないのだが…こんなにもエロいシーンは見た事がない。ジョン・ファブローの心の声が聞こえてきそうである『お前らに出来なかった事を…俺はやったぞ!』的な…

こんなにも長々とジョン・ファブローの訴えを書き綴ったが、あくまでもコレはジョン・ファブローの軽い遊び心として捉えて欲しい。こんな事を訴えるためだけに映画を1本撮る訳がない。ジョン・ファブローが一人のクリエイターとして本作を通じて私たちに送ったメッセージは…

悦びとは…

『お客さんが笑顔になると…パパも元気になる』

クリエイターにとって最もの悦びとは何なのか…それは『喜んで貰える事』以外あるのでしょうか?本作に出てくるカールは料理人としてお客さんが笑顔で食べてくれる事に最も悦びを感じている様にジョン・ファブローも私たちが喜んで映画を観てくれる事が最もの悦びなのです。もちろんクリエイターだけではなく…愛する子供が喜んでくれる、大切な恋人が喜んでくれる、大事な友人が喜んでくれる…そこに見返りなんてものはなく 大切な人の『笑顔』が見れるだけで人は頑張れる。人が動くには十分すぎる理由といえます。

軍師かんべえ

実は昔テレビ業界でDをやっていた経験があります。その時に一番嬉しかったのが視聴者から喜んで貰えたというお手紙でした。大切な人の笑顔はとんでもない力を生み出すものです

親子の成長物語

パーシーがパパに望んでいたものは遊園地に連れて行ってもらう事でも、映画館に連れて行って貰う事でも、おもちゃを買って貰う事でもなく…ただ一緒に過ごす事。パパが一生懸命に打ち込んでいる料理を教えてもらう事という…全国のパパが泣いて喜ぶような事を言っている。こいつ…なかなか世渡り上手だな(-ω-)料理を通じてパーシーは大人になるために大切な事を学んでいました。そしてカールもパーシーを一人前の料理人として扱っていた事に…私は涙腺崩壊( ;∀;)

この物語はパーシーが夏休みの間に少しだけ大人への階段を上る成長物語でもあると同時にカールが失いかけていた父親としての姿を取り戻す親子の成長物語でもあります。料理人として超一流なカールだが父親としては失格レベル。そんなカールが仕事上でもクビとなったため どん底まで落ちていく事に…全てを失ったカールを救い出してくれたのは元妻のイネズのフードトラックを勧めるアドバイスであったり、息子のパーシーが宣伝として行ったTweetだったり…元同僚マーティンの手助けだったり…とココでも『笑顔』を見たいためだけに人は動いている。この作品は全ての愛が詰まったハートフル・コメディー映画なんでしょう。

軍師かんべえ

この作品の影の功労者はBGM。この心地よいラテン音楽が調度良く刺激してくれる。結構な頻度でBGMが流れていた事にお気づきでしたか?

1秒動画

1秒動画を繋ぎ合わせた動画を見るシーンは…もろ『ニューシネマパラダイス』のキスシーンを繋ぎ合わせたフイルムそのもので、完全に制作サイドが私たちを泣かせるための演出が見え見え…しかし私は単純なので まんまと涙腺崩壊どころか決壊してしまう騒ぎとなってしまった。いや駄目でしょう!こんな合わせ技は…ニューシネマパラダイスの想いまで合わさってしまうので…最高のカタルシスをココで見せて貰いました。

軍師かんべえ

ニューシネマパラダイスを初めて観た時に…人って悲しい時以外でも泣けるんだと知りました。最高のカタルシス映画だと今でも思っています。

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総括

正直な話…殆どノーマークだった作品がココまで楽しめて…涙も流せて…カタルシスに浸しめれたのは非常に嬉しい誤算でありました。この場を借りてご紹介して頂いた方には感謝したいと思います。ロードムービー映画でいえば王道とも呼べる展開で進むため間延びする時間ができるのかと思われたが流石にジョン・ファブロー…上手に料理の画を挿し込む事で逆に食欲を掻き立てさせる構成となっている。ジョン・ファブロー自体も実際に料理人の元で修行をしていた事もあり料理人としてのリアリティもすごく表現できていました。

昔イタリア料理店の厨房でバイトをしていた事があって、その時に料理長が作った新作を味見させて貰った時に『本気で言ってる?お世辞はダメだよ…本当の事言って…』としつこいくらい言っていた事を思い出しちゃいました(笑)料理の世界でも忖度があるんですねぇ…。とにかく料理映画とあって終始お腹が減ってしまい鑑賞後にキューバ・サンドを作ったのは実は私だけではないはず!

作ったのはいいが…正解が分からないので成功しているのかどうか分からない。とりあえず旨かったからヨシとしますが…映画を楽しめて…お腹がすいて…料理をして…お腹いっぱいになりながら…考察をする…といった何倍も楽しみ方ができる作品も珍しいですよね。色々とテンコ盛りだった本作ですが…本当にご馳走様でした。

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今回も長文失礼いたしました
それでは…

またのお越しをお待ちしております

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