『シンデレラ』を100倍楽しもう
おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!
『シンデレラ』鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ
目次
シンデレラ
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あらすじ
2021年:アマゾン・プライム・ビデオ独占配信 監督:ケイ・キャノン 脚本:ケイ・キャノン 原作:シャルル・ベロー『シンデレラ』 製作:ジェームス・コーデン、レオ・パールマン ジョナサン・カディン、シャノン・マッキントッシュ 出演:カミラ・カペロ、イディナ・メンゼル、ニコラス・ガリツィン ミニー・ドライバー、ピアーズ・ブロスナン 他 撮影:アンドリュー・ダン 編集:ステイシー・シュレイダー 製作会社:コロンビア・ピクチャーズ フルウェル73 配給:アマゾン・スタジオ
2012年にアメリカで制作されたミュージカル映画『シンデレラ』監督はミュージカル・コメディ映画『ピッチパーフェクト』の脚本を手掛けたケイ・キャノンが抜擢され彼女の初監督作品となりました。
2021年6月にアメリカで劇場公開される予定でだったが新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けてソニー・ピクチャーズは劇場公開の中止を発表。
その後アマゾン・スタジオが版権を購入し2021年9月にAmazonプライム・ビデオにて独占配信される。人気が高かったことで後に他のサブスクでも視聴可能(有料)となっている。
子供の頃に何度もディズニーアニメで見た記憶のある『シンデレラ』敢えてココでストーリーを説明する必要はないくらい誰もが知っている世界一有名な童話だと思われます。
『シンデレラ』を世界的に有名にしたのはディズニーの功績が最も大きいのは間違いないが…ところで皆さんは『シンデレラ』の原作者は誰であるか知っているでしょうか…
フランスの詩人であり国立学術団体のアカデミー・フランセーズの会員でもあるシャルル・ペローが『シンデレラ』の原作者と言われています。ただルーツに関しては色々と諸説もあって紀元前1世紀に古代エジプトにあった物語をギリシャの歴史家が発見したという説もあるほどです。
正直『シンデレラ』の起源は不明な点はあるが今の私たちがよく知っている内容の形に持ってきたのがシャルル・ペロー版の『シンデレラ』なのである。シャルル版での原題は『サンドリヨン』と聞きなれない言葉であるが仏語で”Cendrillon” 『シンデレラ』にも見えない事はないですよね。
『パクリ…??』と思いの方もおられるでしょうが…シャルル・ペローという人物は『シンデレラ』以外にも誰もが知っている童話を次々と作り出している…童話ヒットメーカーなのである。
『赤ずきん』『眠れる森の美女』『長靴をはいた猫』『青ひげ』などなど…この作品の原作者だという事を知ればシャルル・ペローの凄さが理解できるのではないでしょうか
ただ偉そうに語っていますが私も近年までは存在すら知らなかったのです。この映画ブログで『赤ずきん』を題材にした事があったので知っていただけなのです
ディズニーピクチャーズが『シンデレラ』を製作すればいいのにと思っている方もいるでしょうが…実はディズニーは既に2015年にケネス・ブラナー監督の『シンデレラ』が劇場公開されていたのである。
105分と非常に見やすい上映時間ではあるが…さすがに原作のみの内容だと尺が持たないのでストーリーの膨ら増しはあるが2015年版『シンデレラ』は原作に忠実な内容となっている。ディズニー映画なのでミュージカルに仕上げてもよかったのだが監督がケネス・ブラナーなだけに難しい注文だったのかもしれません。
興行的にも5億4千万ドル(約750億円) で大成功を収めている作品。やはり『シンデレラ』を描く上で実績のあるディズニーの右に出る者はいないのかもしれません。
つまり今回 紹介する2021年版ケイ・キャノン版『シンデレラ』はこのバケモノ的な成功を収めているディズニー版『シンデレラ』が一つの指標となってくるのである。
本来ならディズニーの得意分野であるミュージカルの演出がされなかった事で今回のケイ・キャノン版『シンデレラ』はミュージカル映画として製作されている。もちろんミュージカル映画という事で監督には脚本ではあるが経験のあるケイ・キャノンが抜擢されたという事なのだ。
主演にはキューバ出身のアメリカでシンガーソングライターとして活躍しているカミラ・カベロを起用。
2012年にガールズ・グループ”フィフス・ハーモニー”のメンバーとして活躍。2016年グループ脱退後はソロに転向。2017年に発売された『ハバナ feat. ヤング・サグ』が世界的に大ヒット。グラミー賞にノミネートされる実力派のシンガーソングライターなのである。
悪口ではないが私がイメージしているシンデレラ像とカミラは真逆なのである。色白でおしとやかで透明感があるのがイメージなのだが…カミラは健康的で活発なラテン系の女性という印象なのである。
どっちが好みなのかは人によって違うでしょうが…やはり今までのシンデレラのイメージとは真逆なので…今回は新しい『シンデレラ像』を伺えることができると思います。
もちろんディズニーと同じ土俵に立って真向勝負すると資金面が全然違うので太刀打ちできないが…『なるほど、こういった角度から攻めてきましたか…』と2021年という時代背景がそうさせた…みたいな演出になっています。これに関しても賛否両論がありましたが…気にしすぎなのかもしれません。でもギャーギャー騒ぐ連中も出てくるんだろうなぁ…と思っていたら案の定沸いたように出てきていました……少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『シンデレラ』を100倍楽しもう!
アマプラ独占だったので今まで未鑑賞でしたが…最近入っちゃいました(^^♪
プリンセス
皆さんは『プリンセス』と聞いて誰をイメージしますか?『シンデレラ』『白雪姫』『ジャスミン』世界の童話には数多くのプリンセスが登場します。やはりディズニーの影響が強いのか私の頭の中で思い浮かび上がるのはどうしてもディズニープリンセスばかりなのである。
今回の『シンデレラ』はディズニー映画ではないので引き合いに出すのは筋違いかもしれませんが数多くのプリンセスを登場させてきたディズニーアニメなだけに時代と共に変化してきたプリンセス像をディズニープリンセスを用いて考察してみたいと思います。
受動的なプリンセス
1937年公開『白雪姫』1950年公開『シンデレラ』その差は13年もあるがディズニーアニメ黎明期の代表とも呼べる2人のプリンセス。第二次世界大戦が1939年に開戦して1945年に終戦なので戦前・戦後という時代背景をみれば『女性』がどのような立場であったか理解しやすいかと思われます。
人権がなかった…とまでは言わないが男尊女卑という考えがまだ根強かった時代に製作されたプリンセス。共に心優しき少女で白馬の王子様が現れるのを待っている受け身のプリンセスという印象があります。
行動派のプリンセス
1989年公開『リトルマーメイド』1992年公開『アラジン』日本では昭和が終わりを告げ平成が始まった時代となる。思い返せば女性が本格的に社会へ進出してきたような時代だったと思われます。それでも完全に平等となったわけではないが『女性初』といった言葉をよく耳にしていた記憶があります。
世界的に女性が進出してきた時代に作られた2作品だけにジャスミンもアリエルも自分の意志を相手に伝える強い心を持ち合わせているプリンセスなのです。
アリエルは持ち前の行動力で禁止されていた陸の世界の王子との恋を成就させています。ジャスミンは王様に『法律が間違っているわ』と言い返すだけの精神力をもっています。初期の受動的なプリンセスとは違い自分の幸せは自分で掴み取るという行動力のあるプリンセスでした
自立するプリンセス
2013年公開『アナと雪の女王』セクハラやパワハラといったハラスメント問題が世間を賑わせ今まで我慢をしていた女性からの逆襲が目立っていた時代。『アナ雪』公開の3年後にはアメリカの大手TV局FOXニュース創始者でもありCEOのロジャー・エイルズの女性職員によるセクハラ問題の告発が話題となりました。
この時代になると『一人で生きていけるわ』といった様に誰にも頼ることない自立したプリンセスが登場してくるのも時代と云えば時代なのかもしれません。ちなみにアニメではないが2019年公開の実写版『アラジン』のジャスミンもっ女性ながら国王になることを望んでいました。
時代の流れと共に変化してきたプリンセス像。男女平等が謳われる今の世の中で幸せを待っているだけの女性は女性からも支持を受けない傾向にあるみたいだ。肉食系なんて言葉が生まれている時代なだけに強い女性に憧れるのが今の流れなのかもしれません。
この…ふてぶてしい態度。今までこんなシンデレラがいたであろうか(笑)このジャケットを見ただけでも今までのプリンセスとは一味も二味も違う王女様に出会えることが分かりますよね。過去のイメージは拭い捨てて新しいシンデレラが楽しめる作品となっています。過去のシンデレラが好きな方は2015年版『シンデレラ』をオススメします。
この『シンデレラ』は2021年という時代にマッチしたプロットとなっているので10年後には意味が変わってくる可能性が非常に高いのかもしれません。
ポリ・コレ
ポリ・コレとは…
ポリティカル・コレクトネス – Wikipedia
ポリティカル・コレクトネスの略。社会の特定のグループのメンバーに不快感や不利益を与えないように意図された政策または対策などを表す言葉の総称
差別や偏見に対し誤解が生まれないように中立的な対策をとることをポリ・コレと呼んでいます。
スチュワーデス→客室乗務員
看護婦→看護師
ブラック(黒人)→アフリカ系アメリカン
インディアン→ネイティブ・アメリカン
実は1980年代頃からポリ・コレの傾向が広まっていたのだが2010年を過ぎた頃から過度なポリ・コレの傾向が伺えるようになってくるのである。
身近な所で言えば2017年から始まったファミリーマートの企画『お母さん食堂』。香取慎吾さんをメインキャラクターに置いて全国のファミリーマートで一斉にレトルト総菜の人気企画なのだが…
2020年頃に一部の女性から『母親が食事を作るのは当たり前』という偏見を助長しかねない…という理由で企画のネーミング変更の署名活動が行われたことで話題になっていました。
他にも航空会社のJALではアナウンスで『レディース&ジェントルマン』という言葉を『オール・パッセンジャーズ』などの性別を表さない言葉に変更する取り組みをしていたみたいである。
もちろん差別・偏見のない世の中という取り組みに対しては非常に素晴らしい活動であると思われるが何事も行き過ぎると根底としてあったモノを見失ってしまう可能性が高くなる場合があるのです。
『お母さん食堂』の名前変更の話を聞いて貴方はどう感じられましたか…どこの誰が訴えているのか知らないが非常に窮屈な世の中になっていませんか?実はこのポリ・コレ問題だが映画業界の中でもかなり浸食されていて作品の内容や設定に大きく影響されていることを知っていますか…
映画業界のポリ・コレ問題
なぜ映画業界の中でポリ・コレが問題となっているのかは…単純な話でポリ・コレが配慮された作品が賞を取りやすい傾向になっているからである。
キャスティングの中にネイティブ・アメリカン(黒人)を入れなければいけない、アジア人は最低でも一人、ゲイやレズなどのジェンダー的な人を登場させなければいけない…そして差別的ではあってはいけない 等々。遂には製作スタッフにまでポリ・コレ問題が浮上していて『この映画のスタッフは白人が多い』など…このような縛りがあって本当に面白い作品ができるのであろうか…
そして本作でもポリ・コレ問題として話題に挙がったのがシンデレラで登場する魔女ゴッドマザーは白人の太ったおばさんというのが定番であったが…本作の『シンデレラ』では同性愛者で知られるネイティブ・アメリカンの俳優兼シンガーであるビリー・ポーターが役を務めています。肩書が多すぎる人物であるが更にもう一つ書かせてもらうと自分がHIV感染者であることを公表している人物なのである。
予告でバンバン登場してくるのでビリー・ポーターに対しての驚きはなかったが、やはりポリ・コレを意識しているな…と感じてしまったのは致し方がないのかもしれません。
ただポリ・コレに関係なくポーターの起用は『コレはコレでありかな』と面白いキャスティングだと感心しました。やはりシンガーとしての実力は最高なのは知っているのでカミラとの共演は音楽好きな人からすれば堪らないものがあったのではないでしょうか
今後 映画業界やハリウッドが『ポリ・コレ』に対しどう向き合っていくのかによって大きく流れが変わってきそうである。個人的な意見としては過度な意識を持ってしまうと作品が窮屈になってしまうのであまり気にしないで製作をして欲しいのが希望である。
そして鑑賞している側も『ポリ・コレを意識しているから面白くない』と決めつけるのではなく本作のように素晴らしい作品もたくさんあるので意識しないという事が映画を楽しめるコツなのかもしれません。
ポリ・コレ映画と騒がれていた作品だったので問題として取り上げてみました。しかし作品が面白いという事には変わりないので…あまり意識しないように
カミラ・カベロ
やはりミュージカル映画なので気になるのは主演を務めるカミラ・カベロの歌唱力。彼女がキュートな女性であることは予告を見て頂ければ誰もが納得がいくところであるが果たして歌って踊ることができるのか・・という疑念が出てしまうのは洋楽に馴染み薄い日本人なら仕方がないことなのかもしれません。
しかしご安心ください。2018年のグラミー賞では自身の初アルバムである『Cmila』が最優秀賞にノミネート。その中の『ハバナ feat. ヤング・サグ』が世界中で大ヒットしているほどの歌姫なのである
私は洋楽というより音楽に疎い人間なだけに『この曲が世界的にヒットしているんだぁ』と思ってしまったのは置いておくとして…歌唱力はもちろん彼女の演技力は相当に高いレベルである事はこの動画から伺えます。
今回の『シンデレラ』ではカミラ・カベロ自身が書き下ろした『Million to One』が使用されています。とても今までの受動的なシンデレラのイメージとは違い力強い楽曲になっているのも本作の魅力の一つ。
他にも本編中にはジャネット・ジャクソン「リズム・ネイション」やデズリー「ユー・ガッタ・ビー」のメドレー、クイーン「Somebody To Love|愛にすべてを」、エド・シーラン「パーフェクト」、マドンナ「マテリアル・ガール」などのカバー曲が使われています。
世界的に愛されている『シンデレラ』のストーリーを現代風に改変してカミラ・カベロの歌唱力と踊りを堪能できる2021年ケイ・キャノン版『シンデレラ』が面白くないわけがありません。是非とも音楽にも注目してほしい作品となっているのでお楽しみください。
ラストのシーンはとても『シンデレラ』とは思えないほどのラテンなノリになっています(笑)
『シンデレラ』を楽しむポイント
今回の『シンデレラ』は前述した通り製作しているのはディズニーではなくソニー・ピクチャーズ。もちろん内容もアレンジが加えられており現代版の『シンデレラ』としてアップデートされています。
『白馬に乗った王子様を待ち続け…救われる』といったシンデレラ・ストーリーは今の価値観だと『古臭い女性像』として扱われているのかもしれません。
人から与えられた幸せではなく自ら掴み取った幸せにこそ本当の意味があるのでは…という考えが今の女性の憧れであり現代風なのでしょう。
しかしアップデートされたシンデレラとなっているがガツガツした肉食系シンデレラなんかは私は見たくはない!ご安心ください丁度良い塩梅で調整されていますので(笑)…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『シンデレラ』を100倍楽しもう!
それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ