『交渉人』を100倍楽しもう
おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
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本サイトは鑑賞前に読むことで映画を100倍楽しめる予備知識記事となっております
既に本編をご鑑賞されている方は鑑賞後の考察記事『モーっと楽しもう』にどうぞ
目次
交渉人
引用元：映画｜交渉人の動画をフルで無料視聴できる配信サイトまとめ
水を差すようだが
シェーンは死ぬんだ
あらすじ
シカゴ警察東分署の刑事ダニー・ローマンは凄腕の人質交渉人。ある晩、相棒のネイサンから警察年金基金を横領している警察署員がいる事を知らされる。その中には内務調査局長のニーバウムの名前もあったのだ。後日ネイサンは何者かに殺害されダニーの自宅から横領に関わる証拠が発見されたのだ。殺人と横領の容疑をかけられたダニーは唯一の手掛かりであるニーバウムに会うために内務調査局に訪れるのだが…
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1998年：アメリカ公開 1999年：日本公開 監督：F・ゲイリー・グレイ 脚本：ジェームズ・デモナコ ケヴィン・フォックス 製作：デヴィっド・ホッパーマン アーノン・ミルチャン 出演者：サミュエル・L・ジャクソン ケビン・スペイシー 他 音楽：グレーム・レヴェル 撮影：ケヴィン・フォックス ラッセル・カーペンター 編集：クリスチャン・ワグナー 製作会社：リージェンシー・エンタープライズ 配給：ワーナー・ブラザース
1998年アメリカ公開、翌年に日本公開された『交渉人』 監督を務めたのは数々のミュージックビデオを務め高い評価を受けていたフェリックス・ゲイリー・グレイ。
1995年には初監督作品となる『friday』1996年には『SET IT OFF』と立て続けに映画を撮り確実に実績を積んでいった上で1998年には大作映画となった『交渉人』の監督を務めることになりました
主演の東地区の交渉人役はパルプ・フィクションなどで独特の演技が注目されたサミュエル・Ⅼ・ジャクソン。西地区の交渉人役には『ユージュアル・サスペクツ』や『セブン』などのドンデン返し系映画でキーパーソンとなる役を演じたケビン・スペイシー。二大スターが本作では共演しているのだ
当初ダニー・ローマン役にはシルベスター・スタローンが考えられていが頭脳派というより肉体派であるスタローンは出演を辞退。次候補にはケビン・スペイシーの名が挙がったのである。
しかしケビンは脚本を目に通した際に『自分はダニー・ローマンではなくクリス・セイビアンの方が合っている』といった事でセイビアン役がケビン・スペイシーに決まったという経緯がある。
主人公であるダニー・ローマン役は二転三転しながらもサミュエル・L・ジャクソンに決まった事で1996年『評決のとき』で検事VS犯人として対峙した二人が再び『交渉人』で激突する形となったのです。
とにかく癖の強すぎる主演2人のキャスティング。サミュエル・Ⅼ・ジャクソンは強盗役から犯人役、資産家、刑事など何でも役になりきる万能タイプでアベンジャーズではヒーローを指揮するニック・フューリー長官まで演じている。
サミュエル・Ⅼ・ジャクソンと言えば『マザー〇ァッカー』というセリフに注目しておきたい所ではあるが残念ながら今回は期待に応えてはくれません（笑）
そしてサミュエルと対峙する西の交渉人役には『この男が登場したら何かが起こる…』と勝手に私が言っているだけですが良い意味で期待を裏切ってくるケビン・スペイシーが演じている。
そして脇を固めるのはデヴィッド・モースであったりジョン・スペンサーやロン・リフキンといった派手さはないが確実に仕事をこなしてくる名脇役俳優陣。
キャスティングだけでも十分に期待値が高いことになっているが『IQ180の駆け引き』といったキャッチコピーが更に期待値を上げてくれます…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる！『交渉人』を100倍楽しもう！
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ネゴシエーター
引用元：「えー犯人に告ぐ。無駄な抵抗はやめて おとなしく出てきなさい。
世代なのか…人質交渉と聞いてしまうと
『無駄な抵抗はやめて今すぐ出てきなさい！』
というコントみたいなシーンが頭をよぎってしまいます。もちろんコレも人質交渉である事には間違いありません。
こういった説得方法をディスっている訳ではありませんが本作で登場する人質交渉人は科学的に洗練された交渉術によって訓練を受けた者だけが犯人との交渉を請け負うことができるのであり、決してベテラン刑事の経験や勘だけでの交渉では決してないのである
人質交渉人とは…
引用元：交渉人 – Wikipedia
人質救出作戦においての犯人との交渉に関する訓練教育を受け、専門的知識・技能を有している警察官を指す。資質や訓練が必要である。アメリカでは交渉人及び交渉人チームが組織されている治安機関が多く、人質籠城事件の平和的解決（一切発砲せず、非致死性武器さえも使わずに犯人を投降させ確保し、人質も保護する）に貢献している。
交渉術
引用元：交渉人 Standoffのようなドラマや映画 | 最高おすすめ (ninitaeiga.com)
元々はFBIの『人質救出プログラム』がさきがけとなった『交渉術』。目的は『犯人逮捕』ではなく、その名が示す通り『人質救出』こそが最優先となる
話し上手な人が人質交渉人に適任だと思ってしまうが実は違うのである。最近は『論破』といった言葉が流行っているが人質を取っている犯人に『論破』などすると逆上してしまい何をしてしまうか分かったものではありません
向いているのは話し上手の人ではなく『聞き上手』こそが人質交渉人として必要なスキルなのです。
FBI交渉術で重要とされているSTEPは
①傾聴
②共感
③相互信頼
まずは相手の話に耳を傾ける事が重要で、しっかりと共感をする事で交渉相手との信頼関係が生まれてくるのである。
引用元：もっと話したい！ 男心をぎゅっとつかむ「聞き上手女子」の特徴5つ | 女子力アップCafe Googirl
これは一般的な営業や恋愛にも通ずるものがあり、ダメ営業マンやダメ男は必死に自分の話だけを相手に伝えようとするが残念ながら相手は殆ど話を聞いていないのである。
まずは相手の話をしっかりと聞くことが交渉の第一歩なのである。その際は『うんうん』『だよね』などの相づちを打ってやるのも重要。コレは相手に話を聞いているというアピールになるのです。
そして絶対に言ってはいけないのが『否定的な言葉』なのである。
『いやいや』『それ違う』『ダメダメ』など相手の発言を否定すると対立した関係が生まれてしまうのです。大切なのは『共感』してやることであり、ゴールは信頼関係を築くことなのである。
相手が恋人なら振られるだけですし、お客様なら買って貰えなかったで済みますが人質を取った犯人ならどうなるでしょうか…人質を殺してしまったとかは冗談では済みません。
恋愛や営業と違い人質交渉は絶対に失敗は許されないのです。
犯人と信頼関係がある程度生まれた時に次のSTEPへと進めるのである
④影響
犯人が出す要求を聞くという事である。ココで大事な事は要求に応えるのではなく『聞く』だけに徹すること。逆上している犯人だと無茶な要求をしてくる場合があるが信頼関係が築かれているなら無理難題な要求はしてこないものである
もちろん要求は一つだけではなく複数してくる場合があります。例えるなら『腹が減った！食べ物を用意しろ！』などはすぐに要求を叶えてやることは可能ですが…ココでは要求は聞くことだけに徹するのです
⑤行動変容
例え犯人が要求してきた事がすぐに対応が可能であっても、交渉人の立場はあくまでも交渉をする人なのです。決定権は全て指揮官にあり犯人との仲介にあたるフラットな立場だという事を超えてはいけないのである
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犯人『腹が減った！食べ物を用意しろ！』
交渉人『分かった…指揮官に頼んでみる
少し待ってくれ…』
『食事が準備できた
その代り女と子供は解放してくれ！』
犯人『よし、子供だけは解放してやる』
もちろん子供だけを解放したからといって全て事件が解決した訳ではないが少しづつではあるが犯人説得へ近づいているのです。このように一切の犠牲者を出さずに犯人を説得して投降させる事こそが人質交渉人の最重要ミッションなのである
強行突破
引用元：映画『交渉人』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。
『人質救出』を最重要とする人質交渉人ではあるが犯人の要求が『獄中にいる同志の釈放』『違法薬物や武器の差し入れ』などの無理難題である場合は指揮官の判断の元で交渉が打ち切られてしまいます。
交渉が打ち切られた場合はSWATや特殊部隊に事件解決を任せざるを得なくなるのです。もちろん強行突破となってしまいます。
強行突破となってしまうと人質の救出こそが第一ではあるがもちろん危険度が増すことは言うまでもありません。交渉人は命令が下るまでは、なるべく強行突破せずに解決に導くように努めなければいけないのである
指揮官と犯人の仲介にあたる交渉人はつまりは犯人に最も近づいた所で仕事をする危険な職業なのである。
アンソニー・D・ダニエル
引用元：交渉人||洋画専門チャンネル ザ・シネマ (thecinema.jp)
横領と相棒殺しの罪を着せられた人質交渉人のダニーが人質を取って立て籠る…という映画ならではの展開となる『交渉人』ですがモデルとなった事件が実際にあるのです
1988年セントルイスで警察年金基金の横領で有罪となった人質救出メンバーのアンソニー・D・ダニエル。アンソニーは暴露した人物を人質に取ってビル15階に立て籠るといった事件を発生させている
この事件をヒントに作られたのが『交渉人』なのである。人質交渉を生業としている者が交渉される側に回るという状況が映画の着想となったのだ。確かにプロットだけ聞いても十分に面白くなっていくのは予想できる。
しかも実際に起こったセントルイスの事件は立て籠った元警察官の男が本当に横領をしていたのである。日本では知られていない事件ですが公開の10年前の事件だけにアメリカでは知れ渡っている事件なのかもしれません。
この時点で主役であるダニー・ローマンが裏の裏を突いて…黒幕という結末も十分に考えられるのである。
とにかくサミュエル・Ⅼ・ジャクソンとケビン・スペイシーのW主演だけに予想しない角度からドンデン返しをしてくる恐れがあるので最後まで目が離せないことは間違いありません。
犯人はこの中にいる！
引用元：金田一少年の事件簿の殺人犯の動機ってほとんどが復讐
思わず金田一少年ばりのセリフを言ってしまいましたが登場する人物の中に黒幕となる存在は確実にいるのです（当たり前ですが…）
アクションシーンも満載ではあるが本筋はクライムサスペンスであり東の交渉人と西の交渉人のIQバトルが本作の見どころ。当然ながら横領に関わっている人物は一人とは限らないし…一人なのかもしれません。推理サスペンスにありがちではあるが主人公2人も含め全員が容疑者なのである。
ダニー・ローマン
引用元：映画『交渉人』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。
本作の主人公であるダニー・ローマン。シカゴ警察東分署の凄腕の人質交渉人で危険を顧みず人質の交渉を行い多くの人命を救っているヒーロー的存在の警察官。
新婚という設定であり妻のカレンには危険な行動を慎むことを約束した矢先の立て籠もり事件となっている
ある晩、相棒であるネイサンから警察年金基金の横領に関わっている人物が上層部にいるという相談を受けるが後日ネイサンは何者かに殺害されてしまうのです。
横領と相棒殺しの罪を着せられたダニーは横領事件の唯一の手掛かりとなる内部調査官のニーバウムを人質にビルに立て籠ってしまったのである。
ダニーが最初に出した要求はシカゴ警察西分署の凄腕人質交渉人であるクリス・セイビアンを呼び出すことだったのです。
このようにダニーの説明をすると一見は黒幕から外れそうではあるが状況的に一番黒幕に近いのはダニーであることは間違いありません。実際に起こったセントルイス立て籠り事件があるだけに『主人公が黒幕』という線も捨てれないのである
クリス・セイビアン
引用元：映画 ★ 交渉人（1999） | シネドラおやつ
シカゴ警察西分署では犠牲者を出したことがない人質交渉人として名を知られている存在幼い娘と再婚相手っぽい女性と暮らしていて家庭ではタジタジしている旦那さんという感じではある
ダニーに指名された事で現場に向かう事になるが面識はあるが親交は殆どない程度の関係性。なぜ自分が指名されたのかは謎ではあるが…真相を解明してもらために頭の良いクリスを指名したという事である
事件とは一切に関係がないクリスではあるが、ダニーが黒幕であるならクリスが共犯者という線も考えられる。頭脳バトルを繰り広げている裏では実は誰かに罪を被せようと二人だけが分かる暗号的なやりとりがあるのかもしれません。
ネイサン・ローニック
引用元：映画 ★ 交渉人（1999） | シネドラおやつた
ダニー・ローマンの相棒であり汚職警官のスキャンダルに近づいたため殺されてしまった事で黒幕からは外れたのだが彼がどこまで真実を語っていたのかは不明ではある。ネイサン自身が横領に関わっている可能性も0ではない。ダニーに横領の協力を求めるため相談をしたという見方もできる。
いずれにしろダニーに相談した事で黒幕となる存在の人物に消されたのである。
アダム・ベック
引用元：～竜虎相搏つ・・・。； 曲者揃いのキャスティング
シカゴ警察東分署の強行班特殊チームの主任でありダニーとは同僚という立場になる。人質立て籠り事件が発生するといつでも強行突入ができるように交渉中であっても突入準備を進めている。
犠牲者を出さずに事件解決を望む交渉人とはある意味で逆の立場にある強行班。ベックは何かと指揮官に交渉打ち切りを進言しては突入の許可を求めている。そのためダニーとは現場で衝突することも珍しくはない。
もしベックが横領に関わっていたなら強行突入という名目でダニーの口を封じたいと思っているはずである。
アル・トラヴィス
引用元：映画 ★ 交渉人（1999） | シネドラおやつ
シカゴ警察東分署の署長であるアル・トラヴィス。ネイサンの情報では警察内の上層部が横領に関わっているため内部調査官が捜査に戸惑っているという事なのだ。それを考えると署長クラスが黒幕である可能性が非常に高くなってくる。
もちろん現場では最高責任者となる署長が指揮官となる。強行班チームを突入させるのも…交渉人に説得をさせるのも…指揮官となる者に決定権があるのです
現在の地位を考えれば失いたくないと思う事は当然で、もしアル・トラヴィス署長が黒幕なら全力で強行突入の命令を出しダニーの口封じをしてくるでしょう
グラント・フロスト
引用元：～竜虎相搏つ・・・。； 曲者揃いのキャスティング
シカゴ警察署東分署の警察官でダニーの上司にあたる存在。物腰は柔らかく無茶をするダニーの尻拭いをいつもさせられている。ダニーから慕われていることはフロスト自身も分かっていたため、人質事件が発生した時に危険を承知で現場に一人で向かっているのである。
こういった誰にでも優しい人物が黒幕…なんてパターンもたくさんあるだけに油断はできない。現場に一人で向かったのも唯一の手掛かりとなる人物ニーバウムが下手なことを言わないか監視するため…と考えたら妙に納得してしまいます。
テレンス・ニーバウム
引用元：「交渉人 / THE NEGOTIATOR」: ★清瀬の森映画館★ (cocolog-nifty.com)
内部調査局局長という立場のニーバウム。ネイサンの情報だと何らかの形で横領に関わっている事は確かである。
しかし名前が挙がっているというだけで黒幕的存在なのか、共謀者なのか、もしかすると極秘に内部調査をしているという正義側の人間という事も十分にありえる。
少なくともダニーとは対立した関係であるわけですからダニーが黒であるならニーバウムは必然的に白となってします。ダニーが白ならニーバウムは黒という事になる。
他にも登場人物はいるが主要メンバーとなるのがコチラの7人。謎はすべて解けた！犯人はこのなかにいる！
『交渉人』を楽しむポイント
引用元：映画｜交渉人の動画をフルで無料視聴できる配信サイトまとめ
残念ではあるが何か作業をしながらオーディオ感覚として垂れ流しで鑑賞するなら全くといって頭に入ってこない作品であることは書いておきたい。しっかりと腰を据えて頭をフル回転させることで楽しめる作品なのである。
2人の会話バトルは単純に真正面からだけで捉えては面白さの半分も伝わらないと思われます。時には側面から、時には後ろから意味を考えることで真実が浮かび上がってくる。要は一挙手一投足が見逃せない展開が待っているのである。
この『交渉人』のヒットをきっかけに日本でもオマージュされた作品が登場します。『踊る大捜査線』のスピンオフ映画『交渉人 真下正義』が公開
引用元：『踊る大捜査線』のスピンオフ作品『交渉人 真下正義』
大ヒットとなったTVドラマ『踊る大捜査線』の映画化が立て続けにヒットした勢いで製作されたスピンオフ映画。残念ながら未視聴なので詳しい感想は書けないが日本でも『交渉人』というワードが浸透してきたという事である。
日本でも2005年には捜査一課特殊犯捜査係や機動捜査隊、公安機動捜査隊の中に専門の交渉人が置かれるようになったのです。映画のヒットの後に実際に配備されてはいるが銃国家であるアメリカとの違いなのかもしれません。
更に2009年には米倉涼子が主演となるTVドラマ『交渉人〜THE NEGOTIATOR〜』が放送。
引用元：交渉人 ～THE NEGOTIATOR～｜テレ朝動画 (tv-asahi.co.jp)
残念ながらコチラも未視聴であるため感想は書けないのだが第に2シーズンで放送は止まっているが映画化もされているのでそれなりに面白いのだと思います。キャスティングを見ただけで少し見てみたいかな…と実は思っています（笑）
そして本作を楽しむためには全ての用事を済ませてください。お風呂、食事、トイレ、電話の電源を切って一気に止めることなく2時間ぶっ続けで鑑賞してください。もちろん邪魔が入らない一人の方が良いです…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる！『交渉人』を100倍楽しもう！
映画を観るならU-NEX
それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ
