『タクシードライバー』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

本サイトは鑑賞前に読むことで映画を100倍楽しめる予備知識記事となっております
既に本編をご鑑賞されている方は鑑賞後の考察記事『モーっと楽しもう』にどうぞ

タクシードライバー

引用元:映画|タクシードライバーの動画をフルで無料視聴できる配信サイトまとめ

人生は続いていく、終わりはない。
  俺の人生に必要なものは

           きっかけだ!

あらすじ

引用元:『タクシー・ドライバー』 予告編 Taxi Driver Trailer 1976.

ベトナム戦争帰りの元海兵隊員のトラヴィス・ビックル。戦争による後遺症から極度の不眠症を患っているため夜勤のニューヨークのタクシー会社に就職。深い闇に包まれた街マンハッタンは麻薬と性欲に溺れる若者たちに溢れ街の退廃にトラヴィスは嫌悪していた。ある日、次期大統領候補の選挙事務所で勤務するベッツィーに魅かれ彼女をデートに誘おうとするのだが…

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1976年:アメリカ・日本公開
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
製作:マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス
出演者:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード
    ハーヴェイ・カイテル、ジョディ・フォスター 他
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:マイケル・チャップマン
編集:トム・ロルフ
配給:コロンビア映画

1976年公開『タクシードライバー』監督はマーティン・スコセッシ、主演ロバート・デ・ニーロが共に若かりし頃にコンビを組んで製作。映画ファンにとっては名作中の名作と言われている作品となっている。

マーティン・スコセッシ監督は気に入った俳優は何度も主演として起用するみたいで1973年『ミーン・ストリート』を期に2019年『アイリッシュマン』までに9作品の中でロバート・デ・ニーロを主演として起用してきました。

引用元:The Irishman : マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロの黄金コンビが復活する実話のギャング映画

『タクシードライバー』はコンビ2作目となる初期作品ではあるがカンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞するなど世間的にも評価を受け輝かしい実績を得ることができたのです。

当時のアメリカ映画業界は国の政治を皮肉った『アメリカン・ニューシネマ』というジャンルが流行していました。本作は『最後のアメリカン・ニューシネマ』と呼ばれ多くの若者に支持されていたのです。

しかし映画公開から数十年が経ち当時の時代背景が薄れていく中で本作が掲げていた意味合いも次第に現代の感覚では理解困難になってしまう…という私にとっては少し寂しい感じになってしまうのです。

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主人公のトラヴィスの行動心理であったり発言やラストの考察などは当時のアメリカを知らないと中々と理解するのは難しいのかもしれません。

過去の時代の名作になっていたのですが2019年『ジョーカー』が公開されたことで『タクシードライバー』は再び世間から注目を浴びる作品になっていったのです。

引用元:ジョーカー | Huluストア(フールーストア)

2019年に公開されたトッド・フィリップス監督の『JOKER』が世界的に大ヒット。アメリカでは公開時に映画館に軍が出動したことが話題となり日本でも大成功を収める結果となりました。

心優しいアーサーが闇落ちをしてしまうという内容のストーリーは実はロバート・デ・ニーロが主演していた『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』の2作品から大きな影響を受けていた事が分かり再び本作が注目を浴びることになったのです。

引用元:ジョーカー|ぽぽ (note.com)

しかも『JOKER』にはロバート・デ・ニーロが出演しているという嬉しいビックリもありました。

再び世間から注目を浴びる事になった『タクシードライバー』ですが…やはり当時のアメリカの時代背景を知る事こそが楽しむための要素なだけにココでは1970年代のアメリカがどうだったのかを中心に説明していきたいと思います…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『タクシードライバー』を100倍楽しもう!

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アメリカン・ニューシネマ

引用元:60年代から70年代にかけてアメリカン・ニューシネマが人気を博したのは何故?

明確な定義があるわけではないが1960年代後半から登場し始めたアメリカの新しいジャンル映画と言う意味で『アメリカン・ニューシネマ』が流行。世界の情勢としてはアメリカとソ連の代理戦闘と言われたベトナム戦争が開戦した時代。

この戦争という社会情勢に対し若者を中心とした反体制的な主張から生まれた映画作品群が『アメリカン・ニューシネマ』。ちなみに音楽界では『ロック』が流行し社会現象として『ラブ&ピース』を提唱した『ヒッピー』などが生まれた時代。

1967年『俺たちに明日はない』『卒業』1969年『イージー・ライダー』1969年『明日に向かって撃て!』1971年『時計じかけのオレンジ』などが該当していて…1976年に公開された『タクシードライバー』は最後のアメリカン・ニューシネマと呼ばれていました。

引用元:『タクシー・ドライバー』Vol.2|トラヴィス=デ・ニーロの肉体改造

先にも書いたようにアメリカン・ニューシネマの明確な定義というものはないが1964年に開戦したベトナム戦争に始まり、1968年のキング牧師や大統領候補のケネディ上院議員の暗殺、1972年には政治スキャンダルであるウォーターゲート事件、1973年のオイルショック…といった時代背景の中で国民の反感は一気に高まってしまいます。

このような流れで生まれたアメリカン・ニューシネマの特徴は今までの勧善懲悪のハリウッド映画とは違い社会に反抗し逃避して自滅をする若者たちという内容が当時の時代とリンクしていたため多くの若者から共感を得ることになったのでしょう。

『タクシー・ドライバー』もベトナム戦争帰還兵のトラヴィスは不眠症に悩まされている中で腐敗しているニューヨークの街に嫌悪感を覚え次第に狂人と化していく物語となっています。

ハッピーエンドとは言えない内容が『アメリカン・ニューシネマ』の特徴でもあるが鑑賞後には深く考えさせられるという一面もあるため私の様な考察好きには堪らないジャンルではあります。

ベトナム戦争

引用元:プラトーン|もり はるひ (note.com)

当時(1954年~1975年)南北に分断されていたベトナムで社会主義国のベトナム民主共和国と資本主義国のベトナム共和国が争った戦争。

冷戦中に起こった資本主義と社会主義の代理戦争ともよばれ1964年にはアメリカが本格的に参戦するが争いは泥沼化となり1973年に敗北という形でアメリカは戦争から撤退。1975年には北側のベトナム民主共和国が南側のサイゴンを陥落させたことで戦争が終結。

参戦と撤退

引用元:『トロピック・サンダー』とベトナム戦争映画

軍事大国であるアメリカ合衆国。太平洋戦争までは連戦連勝を繰り返し無敵を誇っていたのだがアメリカが初めて戦争で敗北したのがベトナム戦争なのである。

南北に分断されていたベトナムが社会主義国として統一する事で東南アジアの周辺各国がドミノ式に社会主義国になることを恐れたアメリカが1964年に本格的に参戦。

当初はアメリカ勝利の早期決着が予想されたのだが北軍によるゲリラ戦法に苦戦をしてしまいます。

もともと同じベトナム人同士の争いだけに敵(北軍)と味方(南軍)との区別がつかず味方のフリをした敵に攻撃をされるといった戦法にアメリカは悩まされることになります。

予想と違い長期に渡り戦争が続いた事で不満が募ってしまい特に兵として徴収される若者による反発や暴動が起きてしまいます。

国民の反感を抱えながらも資本主義VS社会主義の構図に拘ったアメリカは戦争を続行させていきますが遂に1973年に財政的な危機という名目で敗北を認め戦争からの撤退を決めるのです。10年の間に260万人の兵をベトナムに送り戦死者は約6万人と発表されています。

PTSD

引用元:ベトナム戦争後のPTSDは40年後も続いていた

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは…
実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる特徴的なストレス症状群のことをさします。

引用元:PTSDとは | 日本トラウマティック・ストレス学会

ゲリラ戦法により予想に反して長期化してしまったベトナム戦争では兵士たちの負担が過酷なものになってしまったため帰国後も精神的に不安定になってしまう者が続出してしまったのです。

フラッシュバックや悪夢という形で望んでいない記憶が繰り返し意識に現れる現象、気分が高揚してしまい不眠に陥る者、思い出したくない場所や人物や状況を生活の中で避けようとする行動などが一般的なPTSDの症状と言われています。

引用元:創作上の出来事には収まらない…実在の事件を想起させる『タクシードライバー』の文化的価値

トラヴィスは帰国後も不眠症に悩まされていました。もともとサイコパス的な一面を持ち合わせていたのかもしれませんが戦争という異常な状況がトラヴィスを覚醒させたのかもしれません。

そして暴力や麻薬が蔓延る無法地帯のニューヨークもトラヴィスの異常な精神状態を呼び覚ますには十分すぎるのかもしれません。

トラヴィスはいつ爆発してもおかしくない状態で後は誰がトリガーを引いてしまうのか…といった状況。そんなトラヴィスが一目惚れをしてしまい女性に猛アタックを仕掛けるという危険極まりない中で物語はスタートしてしまいます。さてどうなることでしょうか…

軍師かんべえ

ハッピーエンドとはならないのが『アメリカン・ニューシネマ』個人的には『時計じかけのオレンジ』とか好きなんですけど…俺ってサイコかなぁ?

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タクシー労働者

引用元:「タクシードライバー」のオレに言ってんの?シーン

誤解を招くかもしれませんがタクシー運転手という職業は転職を繰り返して最終的に落ち着く職業というイメージがあります。大学在学中にタクシー運転手を目指していた人を見た事も聞いた事もありません。

実際に働いたこともありませんし知人にタクシードライバーをしている人もいませんので実態は分かりませんが労働と給与が見合っていない職業という勝手なイメージが私にはあります。

更にアメリカのタクシードライバーとなると危険な職業というオプションまで付いてしまいます。

映画『タクシードライバー』の中でも面接でトラヴィスに『ハーレム街は大丈夫か…』などの質問も出るくらいですから場所や時間によっては危険度が増すのは当然となってくるのでしょう。

引用元:タクシードライバー || TOHOシネマズ

これ以上のキャリアアップが見込めない底辺職としてのイメージが強い上に危険が伴う職業のタクシードライバーであるという点も本作のポイントではある。

トラヴィスは心の病を患っているため一般的な職に就くことが難しいことは本人も十分に分かっているのである。上手く面接で隠せたとしても長続きできないことも分かっているため職の選択肢が非常に少ないのである。

今ではPTSDに対しての対策もされていて特に戦争が原因で患った場合はしっかりと国が保証していると思われますがベトナム戦争直後では放置に近い状態だったのではないでしょうか…

戦争によってPTSDとなった男がタクシードライバーという職にしか就けなかったという政治批判も込めた設定と本作はなっています。そしていつ爆発するか分からない男がタクシードライバーであるという恐怖も体感できる設定となっているのです。

軍師かんべえ

昔は個人タクシーは稼げていたという噂は聞いたことありますが今はどうなんでしょうねぇ…

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JOKER

引用元:わたしたちは、なぜ『ジョーカー』のようなダークヒーローに共感を抱くのか

上でも書いたように『タクシードライバー』の影響を受けてトッド・フィリップスが2019年に『JOKER』を製作。自分という存在が社会に必要とされているのかに悩むアーサーが次第に闇落ちしていく過程が描かてれいる物語となっている。

『タクシードライバー』の鑑賞前でも鑑賞後でも構いませんが併せて鑑賞することを私はオススメします。

あらすじ

映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開

財政難で荒んだゴッサムシティで暮らすアーサー・フレックはアルバイトの大道芸人(ピエロ)の仕事に勤しんでいた。幼い頃からコメディアンになる夢を持ち尊敬する大物芸人のマレー・フランクリンが司会を務めるトークショーで脚光を浴びる自分の姿を夢想していた。そんな時、母のペニーは大富豪トーマス・ウェインに救済を求める手紙を何度も送っていたのだったが…

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2019年:アメリカ・日本公開
監督:トッド・フィリップス
脚本;トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
原作:ボブ・ケイン、ビル・フィンガー
   ジェリー・ロビンソン
製作:トッド・フィリップス、ブラットリー・クーパー
   エマ・ティリンガー・コスコフ
製作総指揮:マイケル・E・ウスラン
      ウォルター・ハマダ
      アーロン・L・ギルバード 他
出演者:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ
    サジー・ビーツ、フランセス・コンロイ 他
音楽;ヒドゥル・グドナドッティル
撮影:ローレンス・シャー
編集:ジェフ・グロス
製作会社:DCフィルムズ
     ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ
     ブロン・クリエイティブ
     ジョイント・エフォート
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
    
軍師かんべえ

トラヴィスもアーサーも求めいていたのは承認欲求だったわけです

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『タクシードライバー』を楽しむポイント

引用元:映画|タクシードライバーの動画をフルで無料視聴できる配信サイトまとめ

本作『タクシードライバー』は映画史に残る名作と評価されてはいますが当時の世界観や情勢を知らなければ主人公トラヴィスの言動を理解することは難しいのかもしれません。

公開された1976年はまだベトナム戦争の爪痕がしっかりと残っている時代ということもあり『タクシードライバー』を観て何かを感じる方も多かったのでしょう。

軍事大国のアメリカが10年もかけて何も残せなかった戦争に国民は何を感じたのか…撤退から3年が経過した本作の公開当時はベトナム帰還兵のPTSD問題が深刻化した時期だと思われます。

身近に戦争の爪痕が感じられた時代だっただけに評価も高かったのでしょう。

そして『タクシードライバー』はアカデミー賞作品賞にはノミネートはされていましたが受賞したのはシルベスター・スタローン主演の『ロッキー』だったみたいです。

引用元:ロッキー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『タクシードライバー』がアメリカの闇を映画化したのなら『ロッキー』はアメリカンドリームを映画化したようなものでした。『ロッキー』が受賞したのは必然的な事だったのでしょう。

しかし文芸的な作品が受賞されやすいカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した事こそに意味があるのだと私は思っております。

悪く言えば一般受けをする作品ではありませんが作品から『何かを感じ取れる』映画であると感じました。

そして本作は『羊たちの沈黙』で主演を務めた当時13歳のジョディ・フォスターが出演しているのである

引用元:『タクシー・ドライバー』Vol.6|ジョディ・フォスターとジョン・ヒンクリーJR

本作でジョディ・フォスターは世界的に高い評価を受けることになるのですが彼女の熱狂的なファンがレーガン暗殺未遂事件を引き起こすのである。

犯人の動機に関しては意味不明ではあるがジョディ・フォスターが犯人に振り向いてくれないからレーガン大統領を暗殺するという内容のファンレターが送られてきて実際に実行に移ったのいろである。

レーガン大統領は負傷はしたが命を落とすことはなかったため暗殺未遂事件として処理されている。

色々と内外で話題となった上に2019年の『JOKER』公開に伴い再び注目された『タクシードライバー』私は定期的に観たくなる作品の1本で何回鑑賞したのかさえ分からないくらい観ている作品でもあります…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『タクシードライバー』を100倍楽しもう!

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それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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