『ラストナイト・イン・ソーホー』を100倍楽しもう

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!
『ラストナイト・イン・ソーホー』鑑賞されている方は
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目次
ラストナイト・イン・ソーホー

これは夢じゃない…
現実に起きたことなの
あらすじ
2021年:アメリカ、イギリス、日本公開 監督:エドガー・ライト 脚本:エドガー・ライト クリスティ・ウィルソン=ケアンズ 原案:エドガー・ライト 製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー ナイラ・パーク、エドガー・ライト 出演者:トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイ 音楽:スティーヴン・プライス 撮影:チョン・ジョンフン 編集:ポール・マクリス 製作会社:フィルム4・プロダクションズ パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ ワーキング・タイトル・フィルムズ 他
2017年公開の『ベイビードライバー』で躍有名になったエドガー・ライト監督が2021年に仕掛けるタイムリープ・ホラー映画作品『ラストナイト・イン・ソーホー』
都会に憧れ、ロンドンにやってきた少女が夢の中で60年代に生きる若い女性とシンクロしたことから思いもよらぬ事件に巻き込まれる…といったサイコ・スリラーとしての一面も見せる内容となっている。

ファッションデザイナーを夢見てロンドンにやってきたエロイーズ役には『ジョジョ・ラビット』のヒロインとして注目を浴びたトーマシン・マッケンジー(左側)
60年代のロンドンで歌手を目指すサンディ役には大ヒットドラマ『クイーンズ・ギャンビット』主演アニャ・テイラー=ジョイ(右側)
今、最も注目を浴びている若手女優のW主演という事で公開前から期待値の高い評価を受けていました。この二人を起用した段階で本作の『勝ち』は確定。
とにかくトーマシンもアニャも可愛すぎて二人を見ているだけでニヤニヤしてしまった男性は多かったのではないでしょうか…それもそのはずで監督のエドガー・ライトは意図的に”男性から見られる女性”という意味で二人をW主演として抜擢したのだと思われます。
ただ見所はキャスティングだけではありません。舞台となった1960年のロンドンの街が見とれるほど煌びやかであり…流れてくるBGMも一度は耳にしたことのある心地よい曲ばかり。エロイーズが60年代にハマってしまうのも納得してしまうほど魅力的な時代なのである。
魅力的なキャスティングと舞台設定を見事なカメラワークで撮影したのは『オールドボーイ』『IT/イット』などで撮影担当した韓国のチョン・ジョンフン

ダンスシーンは必見でCGを使わずにアナログ的な撮影方法を使用したことで より躍動感が表現されていて心を鷲掴みにされること間違いなし。この時代のダンスと云えばツイストであったりゴーゴーダンスなのだが本物が躍るとメチャクチャにカッコいい…なぜ日本人が躍ると滑稽になるのかホントに不思議である。
煌びやかな60年代ロンドンを舞台に繰り広げられる『ラストナイト・イン・ソーホー』しかし前述したように本作のジャンルはサイコ・ホラー映画であり…1960年代にブームとなり数多く製作されていたジャッロ映画でもあって一気にロンドンの闇の世界へと突き落されてしまうストーリー展開となっている。
時代を飛び越え60年代ロンドンにタイムリープしたエロイーズは何を目撃するのか…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『ラストナイト・イン・ソーホー』を100倍楽しもう!

曲のセンスが良すぎるのよねぇ♡私も60sにハマってしまいそう

ジャッロ映画

ジャッロとは…イタリアの20世紀の文学ジャンルでフーダニット形式(犯人は誰?)の犯罪小説、ミステリー小説に区分されるが特徴としてホラー要素が強く残酷な殺人描写が表現されていることが多い。イタリア語でジャッロは『黄色』という意味を持ち、この手のパルプ・マガジンが黄色表紙を使っていた事から『ジャッロ小説』というジャンルが生まれました。
1960年代になるとジャッロ小説の映画化が始まり、数多くのジャッロ映画が生まれることとなります。小説同様に過度な殺人描写を特徴としているため流血シーンが苦手な方にはオススメできないジャンルでもある。
人によって『ジャッロ映画』の定義が若干違うため私なりのガバガバ認定となってしまうが…
・フーダニット形式(犯人捜し)のミステリー
・ホラー、サイコスリラー色が強い
・残酷な殺人シーンがある
・どことなく女性がエロい
こんなところでしょうか…華やかな60年代ロンドンのソーホーが舞台ではあるが『ジャッロ映画』であることは頭に入れて置いて欲しい。『トーマシンとアニャにニヤニヤしていたのに…なんだホラーじゃねぇかよ!』とならないように(笑)

血みどろで残虐な殺人、精神的に異常な犯罪者、そして謎解き要素…大好物なものばかりじゃなぁい♡

反撥

エドガー・ライト監督は撮影に入る前にスタッフ・役者に鑑賞しておくべき作品をリストアップしていたみたいである。そのリストの中で本作が最も影響を受けた作品が1965年 ロマン・ポランスキー監督のジャッロ映画『反撥』でありました。
『反撥』あらすじ
『反撥』という映画は女性だけが抱える”受動的に見られる”という”男性からのまなざし”がテーマとなっている。中には見られるという事に悦びを感じている女性もいるが…一方的な男性からの視線をストレスと感じている女性は男が思っている以上に多いということなのだ
1960年代ではまだ性差別が確実に存在していて女性は男性の顔色を伺いながら生きていた時代でもありました。大都会ロンドンで女性が一人で生きていくのは非常に難しく…男性に従順であることが求められていた…という今では信じられない性差別が存在しているが これが1960年代という時代の真実なのである。

この映画のスゴい所は性差別が激しかった時代に映画として訴えていたこと…おそらくこの時代の男性は意味が分からなかったんじゃないかしらぁ
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SWINGING LONDON

『揺れるロンドン』という意味である“SWINGING LONDON”この言葉が示す通り 1960年代のアート・ファッション・音楽の世界の中心はロンドンであり…ロンドンから世界へと発進されていました。
ビートルズ、ローリングストーンズ、ミニスカート、ジェームス・ボンド、ツイッギー、マリー・クワント…ロンドンから世界に広まった音楽や俳優やファッションを挙げ出すとキリがありません。
光輝いていた60年代のロンドンはまさしく若者文化の震源地でありました。この流行最先端の中心地があったのはロンドンのソーホー地区にあるカーナビ・ストリートだったのです。
私自身ロンドンどころかヨーロッパにも行った事がないのでネットでの知識しかありませんが…このロンドンのソーホー地区というのは日本で例えるなら東京の銀座や日比谷に似ているのだが…ひとたび裏路地に入ると新宿の歌舞伎町のヤバイ雰囲気みたいになってしまう2つの側面を持つ怖い街ということみたいだ。
Cafe・de・Paris

『ラストナイト・イン・ソーホー』でも登場する高級ナイトクラブが”Cafe・de・Paris” 実際にロンドンのソーホー地区に存在し1924年に開業。シラ・ブラックを輩出したとして有名な劇場型ナイトクラブであったが2020年に新型コロナウイルスの影響により閉館となっている。
ロンドンが熱かった1960年代では”Cafe・de・Paris” の舞台は全シンガーにとって憧れの舞台でもあり、ココで歌うということは将来を約束されたも当然であるという意味である。
多くのシンガーが”Cafe・de・Paris” の舞台を夢見るが成功するのはほんの一握りであり夢破れたシンガーは男たちの食い物にされてしまう…という60年代のロンドンという街は華やかに見える表の顔と醜い裏の顔が見え隠れする2つの側面を持つ恐ろしい街なのである

音楽やファッションやアートの分野では最先端を行ってたのに…なんで料理だけはダメだったのでしょうかねぇ…不味いらしいわよぉん(゚∀゚)

『ラストナイト・イン・ソーホー』を楽しむポイント

『ラストナイト・イン・ソーホー』を楽しむポイントは3つ。
・ジャッロ映画というミステリー・サイコホラー要素
・主演2人の可愛さ
・60sロンドンの世界
ジャッロ映画を基盤としているためホラー感を漂わせてはいるが全体的なテイストとしては映像美と60年代の音楽にこだわりをみせたビジュアル的にも美しい作品となっている。
本作は主演2人の存在感が際立っているだけに見ているだけで充分に楽しめるのだが…別に脚本が悪いという訳ではなくストーリーもエドガー・ライトが関わっていて実に素晴らしデキとなっています。

鏡の中から覗き込むように60年代のサンディを眺めるエロイーズ。彼女はタイムリープをして過去に遡りソーホーの裏社会を目の当たりにしてしまう。しかし彼女が過去でできるのは”ただ見る事”だけなのである。つまり過去の出来事に干渉ができないという事であり…過去を変える事ができないという事でもある。
サンディに巻き起こる恐怖体験をエロイーズはシンクロした事により追体験してしまう。その恐怖はソーホーの闇であり…男共の醜い視線や性暴力…と結構に深い恐怖体験となってしまう。
果たしてエロイーズは何を過去で目撃してしまったのか…サンディの運命は…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『ラストナイト・イン・ソーホー』を100倍楽しもう!
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それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ
