『ジョジョ・ラビット』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『ジョジョ・ラビット』徹底解析
完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ

ジョジョ・ラビット

2019年:アメリカ公開 2020年:日本公開
監督・脚本:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイヴィス
スカーレット・ヨハンソン 他

『ジョジョが愛くるしくて可愛い』『エルサとの恋愛にキュン』『キャプテンKの男気には…』なんて言葉が真っ先に出てしまったら…いや確かに間違いではない!ジョジョは可愛く、エルサとの恋愛はドキドキ、キャプテンKはカッコいい…しかし本作が訴えたかったのは何だったのだろうか?冒頭でのジョジョはヒトラーを敬愛しナチス・ドイツに憧れる無垢な10歳。そんなジョジョを歪な存在で私たちは見てしまいそうだが実は当時のドイツではジョジョの姿こそが当然の姿であり、少年少女がヒトラーに対する熱狂ぶりは、全世界の若者たちがビートルズに熱狂していた現象に近かったらしい…本作のOPではビートルズのドイツ版『抱きしめたい』が使用されたのもそういった演出だったとの事。そんなマインドコントロールを幼少期から受けているジョジョが子供の目線で見た第二次世界大戦とは…ユダヤ人迫害のホロコーストとは…自分の靴紐さへ結べなかった幼きジョジョがエルサの靴紐を結べるほどまでに大人に成長していく姿こそが本作が最も訴えたかった事ではないでしょうか…本記事はジョジョ・ラビットを個人的な見解で考察しています。ネタバレ記事となっておりますので未鑑賞の方は鑑賞後に再訪問お願い致します。

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感想(1件)

空想上の友 ヒトラーとは…

ジョジョの空想上の友(イマジナリーフレンド)という設定のアドルフ・ヒトラーとは…何だったのだろうか?時にはジョジョを勇気づけたり、時には一緒に馬鹿騒ぎをしたり、そして道に迷ってしまった時に手を差しのべたり…とジョジョの大事な場面では必ず現れて助言してくれる大切な友人。しかしこのイマジナリーフレンドはジョジョが心の中にポッカリと開いてしまったスペースに『そうであるべき自分』を具現化したものだったのではないか…ジョジョは父親が行方不明となり姉のインゲも病気で亡くしている。突然2人の家族を失った哀しみは、とても10歳の少年が抱えられる問題ではない…この失った2人のスペースを埋めるべく自らが創り出したのが空想上の友人のアドルフ・ヒトラーだったのではないでしょうか…

そうであるべき自分

ジョジョのイマジナリーフレンドであるヒトラーは一見は滑稽にも見えてユーモアを感じさせるキャラクター設定のように感じさせられるが実は当時のナチス・ドイツの青少年はヒトラーユーゲントという国家が運営する青少年団体に組み込まれマインドコントロールを受ける事になります。そのためジョジョのような熱狂的なナチズムに陥ってしまう事は珍しいどころか、それこそが正常な青少年の姿なのでしょう。友達も少なく家族を失った哀しみから作り上げたイマジナリーフレンドがナチス・ドイツの元帥アドルフ・ヒトラーだったという事は当時の感覚からすれば当然の結果だったかもしれません。本来のジョジョはウサギ1匹殺せない優しい性格の持ち主なのだがマインドコントロールによって歪なヒトラー像を生み出したのかもしれません。この架空の友人ヒトラーはジョジョの本心ではなく…第二次世界大戦時という特異な時代背景から自分は『そうであるべき』『そうでなくてはならない』という偽の植え付けにより芽生えた感情によって形成されたのでしょう。当時の当たり前を現在見てみると滑稽に見える事こそがタイカ・ワイティティ監督が狙っていた演出だと私は感じました。

消えゆくファシズム

架空の友人ヒトラーはユダヤ人エルサの登場により出現する回数が徐々に減っていくのはジョジョの頭の中のスペースにエルサという女性が埋まっていくからで…ジョジョの初恋によって居場所を失いつつあるヒトラーは何とかエルサを追い出そうと試みるがいずれも失敗に終わってしまう。それは何故なのか?なぜに追い出す事ができないのか…それを教えてくれたのは母親ロージーの言葉…

『人はどんな時も恋に落ちる…あなたもいつか…愛は最強の力よ』
この言葉…心に突き刺さってしまう。皆が皆、『愛の力』を感じた事があるのかは分からないが個人的には自分が変われた時もしくは成長したと感じ取れた時には『愛の力』があったからこそ…という実感がある。いつの時代も愛する人がいるこそ人は頑張れるものなのかもしれません。ジョジョもエルサへの恋心からファシズム思想のヒトラーを追い出す事ができたのでしょう。この物語は一人の少年が『愛』によって成長する心暖まるヒューマンドラマだったのです。

軍師かんべえ

ヒトラーの口調が明らかに狂暴化していくのは…エルサが頭の中を侵食していってるからなんでしょうね

ロージーの愛

ジョジョが心優しい少年として成長できたのはひとえに母親ロージーから受けた『愛』があってこそ。ただ優しい母親という訳ではなく時には厳しい現実にも目を背けずに曇りなき眼で物事を判断させるだけの器量も持ち合わせている。反ナチ運動家が広場で吊るされていた時もロージーは『しっかりと見ろ!』と言わんばかりに目を反らしたジョジョに対し顔を上げさせ『彼らは…できることをした』と教えています。 彼女は反ナチ運動を熱心に活動しているがナチズムになっていくジョジョに対し心配はしているものの否定を一切していない。ロージーはジョジョの成長を温かく見守っているまさに母親としての理想的な姿なのかもしれません。

靴紐

10歳の少年の成長を『靴紐』という表現方法で演出していました。ジョジョは自分の靴紐すら結べない幼い少年でいつも母親に靴紐を結んでもらっていました。強がってはいるものの まだ子供なんだよね…と思わせる少し微笑んでしまうシーンであったが、これは母親の死に繋がる伏線だったことにはビックリしました。上のスライドは本作で涙腺崩壊してしまったシーンの一つである。これは残酷すぎませんか?ジョジョは解けた靴紐を結ぼうとするが…結べずに再び母親の足に抱きつく…おそらくジョジョは『強く生きる決意』をココでしたのですが、まだ成長できずに靴紐を結ぶことができなかった…

母親の靴紐が結べなかったシーンすらラストの伏線でジョジョは自由になったエルサの靴紐を結んで外に送り出してました。ジョジョが自分の靴紐だけではなく愛する人の靴紐も結ぶことができたという成長の証。そして私はココで2度目のダムが決壊してしまった( ;∀;)

命は神様からの贈り物

ナチズムに染まるジョジョに対しロージーは『あなたは、まだ10歳…戦争や政治の話より木に登ったり…落っこちたりしなきゃ…』と母親として当然の心配をかけていますが当時は第二次世界大戦の末期とあって敗色濃厚なナチス・ドイツ軍は少年兵を次々と戦地に送り込んでいる時期で10歳のジョジョもいつ招集命令が下るかわからない状況。そういう状況だからこそ『命』に対しては平和な時代を生きている私たちと比べれば並々ならぬ思いがあるのでしょう。いつ戦争に巻き込まれて死ぬか分からない状況だけに『命は神様からの贈り物…踊って生きる喜びを伝えなきゃ』。もし生き延びることが出来たとしたら生きている証として踊って喜び合おう!・・・と

軍師かんべえ

ジョジョにウインクの練習をさせるシーンも好きなんですけど…あまり内容がなかったので…軽く触れます

キャプテンK

キャプテンKことクレンチェンドルフ大尉は立場上はナチス・ドイツに従っている軍人ではあるが裏では反ナチス活動を支持している一人だと思われる。時折フィンケルとのラブラブシーンが挟まれることからゲイだと推測される。しかしナチスは同性愛者に対しても迫害対象としているだけに難しい立場にいるのかもしれません。そしてクレンチェンドルフ大尉は事あるごとにジョジョを裏から支えてくれる父親的な『愛』を与えてくれていました。

父親としての『愛』

ユダヤ人に対し質問してきたジョジョに『もしユダヤ人を見つけたとしても軍に知らせるな!』という意味合いで『スグに俺に知らせろ』と説明していたり…ゲシュタポが自宅に現れた時もスグに駆けつけてジョジョとエルサを助けていました。更に自らの命を顧みずにジョジョをユダヤ人と罵って助けてくれます。ここからは私の妄想になるのだが…『もしかして行方不明になった父親?』なのか…と思ってしまう程にジョジョの事を裏から支えてくれる無償の愛を見せてくれる。

軍師かんべえ

ジョジョに見せた愛は…まさに父親だからこそできる行動なのだが…

エルサへの恋

壁の中の住人…ユダヤ人のエルサは初めこそは憎むべき存在であったが…次第に自分と同じ人間であると分ると憎むべき相手から恋い焦がれる存在へと変わっていってしまう。そしてジョジョはリアルの友人ヨーキーから友情を貰い…母ロージーから愛を貰い…クレンチェンドルフ大尉から命を救ってもらい…大勢の人から受けた『愛情』を一人の少女エルサに注ぎます。それが最後のネイサンからの手紙でした

ネイサンからの手紙

アメリカ軍が勝った事を知ればエルサは外の世界へと飛び出してしまいジョジョの元から離れてしまう恐れからエルサに嘘を付いてしまうが…ジョジョはエルサに真実をネイサンの手紙として伝えるのだが…

大勢の人から受けた愛情が一人の少年を成長させた証とも呼べるシーンでジョジョが読んでいる手紙には何も書かれていませんでした。それは作られた感情ではなく今まさにジョジョの現実でもあるという表現。彼は愛するエルサが街を飛び出すかもしれない事を知っておきながら外の世界へと導くための手紙をエルサに送っています。そしてジョジョは立派にエルサの靴紐を結んであげてラビットを檻から解放させる事ができました。この物語がとても暖かく…優しいと言ったのは『愛は最強の力』という真実を私たちに見せてくれた映画だったからです。そして自由を手に入れたジョジョとエルサが取った行動とは…

Shall we Dance

総括

私は本作を観た時にタイカ・ワイティティ監督がブッ込んできた面白いタイプの反戦映画だったなぁ…と感じ取れました。ジョジョという10歳の少年の目線で描かれた戦争は仕方がないものとして映し出されているが実は俯瞰から本作を鑑賞すると反戦映画でもあり反ホロコースト映画でもあり反ヘイト映画という多角的な側面を見せる作り方となっていました。と思わせておきながら実はという…そういったメッセージも魅力の一つだが私が本作で最大に魅力と感じた事が『愛』というテーマがしっかりと表現されていた事。何も頭を捻らなくても単純ドストレート直球で『愛』をブチ込んできています。非常に分かりやすい。そんな『愛』を貴方も感じ取れたのではないでしょうか…

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