『フェイス/オフ』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
ココでは『フェイス/オフ』徹底解析
完全ネタバレとなってますので
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ。

フェイス/オフ

『男たちの挽歌』を手掛けた香港映画界の巨匠ジョン・ウー監督の渾身のハリウッド作品が『フェイス/オフ』。元々の脚本は映画学校の学生が書いたものでSF作品であったがジョン・ウーがSF要素を全て削り登場人物の内面に人間性を取り入れる事で脚本を大幅に書き直し制作に漕ぎつけたそうである。個人的には20世紀の最高傑作のアクション映画と思っているだけに非常に思い入れのある作品。ココではガンガンにネタバレをしていきますので、鑑賞されていない方はお手数ですが鑑賞後に再訪問を願います

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感想(0件)

対照的な主役アーチャーとトロイ

当初はシュワルツェネッガーとスタローンで企画が進んでいた…という話だが(それはそれで観たいものだが)今となってはトラヴォルタとNケイジだからこそ人間性に深みが出た事で最高傑作(個人の感想)のアクション映画となった。この対照的でもあり憎しみ合っている二人が顔を入れ替える事になるのだがアーチャーとトロイがどんな男なのか…をここでは考察してみたい。

軍師かんべえ

シュワちゃんとスタローンだったら…ゴリゴリのアクション映画になっていましたね

ショーン・アーチャーという男

最愛の息子を殺されてからはキャスター・トロイ逮捕に執念を燃やしているアーチャー。多くの勲章を得ていることから優秀な捜査官ではあるが、トロイの事となると感情的になるため仲間には冷たい目で見られることも…

冒頭の息子マイケルとの遊園地でのシーンを見る限り家族を一番に大事にしていた事が伺えるアーチャーだがマイケルを失ってからは家庭を顧みずトロイ逮捕に執念を燃やすあまり家族とは上手くいっていない様子。妻からの電話を無視したり、娘ともコミュニケーションが取れておらずプチ家庭崩壊状態。トロイは息子マイケルだけではなくアーチャーの家族・仲間と…全ての幸せを彼から奪ってしまった。

トロイ逮捕後に仲間から祝福を受けるも『何の真似だ?』と睨み返している。CIAから贈られたシャンパンも『送り返せ!』と一喝。『俺はこんな祝福を受けるためにトロイを追いかけていた訳ではない!』と言わんばかりの態度で空気が読めていない男になっている。

トロイを捕まえた所で息子のマイケルは戻ってこない…家族とも上手くいかず…仲間との信頼関係も無くなっている。トロイ逮捕は一応の区切りではあるが彼の生きる理由はトロイ逮捕と共に消え失せてしまった中で更なる展開へ進んでいく…

軍師かんべえ

そんなに睨まなくても…というくらい睨んでる

キャスター・トロイという男

メサイアを歌う合唱団で狂喜乱舞するキャスター・トロイ。歌詞の『ハレルヤ』は『神を褒めたたえよ』の意。美少女の尻を鷲掴みした後で吠えている姿はまさに神をも恐れぬ男と言える

極悪非道で血も涙もないキャスター・トロイだが弟のポラックスだけには寵愛を示している。トロイにはアダムという息子がいるという事は現段階では知らないのでトロイの唯一の家族でもある。

キャスター・トロイは美女を見れば口説かずにはいられない超女好き。弟の前だろうが少しでも気に入った女性がいれば悦ばせる事しか見えなくなる。

この世の全ての悪を具現化したような男で酒に麻薬に殺しにテロ活動…と手を染めていない犯罪は果たしてあるのか?コンベンションセンターに細菌爆弾を仕掛けロサンゼルス市民を大量虐殺しようとしている。このテロ行為も信念からの行動ではなく、ただ金欲しさの雇われテロリスト。まさにゲスという言葉がふさわしい男がキャスター・トロイ

軍師かんべえ

こら!ポラックス!兄のチョメチョメをそんな目で見ちゃダメでしょ!

固執と本能

息子を殺されたアーチャーはトロイ逮捕だけに固執するあまり周りが全くと言って見えていない。逮捕できれば他はどうなってもよい…といった感じで家族や仲間の気持ちを疎かにしている。一方のトロイは殺したい時に殺す…抱きたい時に女を抱く…といった欲望のままに生きる本能むき出しタイプ。両性質共に周りの人たちを犠牲にしていて、それを悪いとも思っていないのがタチが悪い。そんな二人が顔を入れ替えた事で固執本能が混ざり合う事になる…果たしてどんな化学反応が起こるのか?これも本作の魅力の一つでもある。

冒頭から炸裂するジョン・ウー節

序盤からクライマックスを迎えるかのようなド派手なアクションシーンが連発。飛行機にパトカーにヘリコプターに…いくら残虐非道な悪人とはいえココまでの犠牲を払ってまでも捕まえる理由はあるのか?というツッコミは考えずに、この大迫力のアクションシーンを純粋に楽しみましょう

真正面から飛行機に車で突っ込んで行こうとするアーチャーにティトが『相手はジェット機だぞ!』叫んでいる。トロイ逮捕に固執するあまり周りが全くいって見えていない状況

ジェット機ごと倉庫に突っ込み大破!さすがバイオレンスの詩人とも呼ばれる監督だけに冒頭から大迫力のシーンを連続で見せられます。まだ冒頭ですよ!

軍師かんべえ

冒頭から圧巻のシーンが連続…もう終わるの?と思ってしまうほど…

2丁拳銃

ジョン・ウーと云えばスローモーションで『二丁拳銃ダイブ』。出し惜しみなく冒頭から二丁拳銃でバンバン撃ちまくり『ジョン・ウー節』が炸裂。

メキシカン・スタンドオフ

メキシカン・スタンドオフもジョン・ウーお得意の演出で銃を向けあう事でお互いが動けない…といった状況。はっきり言ってココまでで既に満腹状態。何度でも言います…まだ序盤ですから!

ゲスの極みトロイ

メキシカン・スタンドオフからトロイは銃に弾が入っていない事に気付くと、すぐに『ゴメンナサイ』ポーズを…本当にゲスすぎる男。しかも命乞いをしながら隠し持っていたナイフでアーチャーに襲い掛かるが

アーチャーに見抜かれトロイはジェット機のエンジンの噴射に吹っ飛ばされ意識を失ってしまう。冒頭のシーンではアーチャーの異様なまでのトロイ逮捕に固執する姿トロイの本能のまま生きるゲスっぷりの姿が印象的でした。

フェイス/オフ(顔面交換)

フェイスオフとは本来はアイスホッケー用語で向かい合った選手の間にパックを落として試合を開始する時に使う用語だが映画『フェイス/オフ』では作中でもトロイ(中身はアーチャー)が言っていたように『顔を剥がす』という意味。だからこそフェイスとオフの間に『/』が記載されているのではないでしょうか。

アーチャーとトロイは顔を入れ替える事となるが本作で面白いのが2人の内面の変化。今までは敵としか見えていなかった両者ではあるが、お互いに家族がいて生活があり…そして仲間がいた事を知った事で固執と本能が化学反応してしまう事になる

トロイになったアーチャー

監獄でデュボフと喧嘩になった時に『俺はキャスター・トロイだ!』と叫びながらデュボフをフルボッコしているシーンは印象的で最も憎むべき男の様な振る舞いをしたくはないのに…しなければいけない心の葛藤が『快楽』と『哀しみ』という二つの表情で演出されているのだが…この両極端の表情が狂気じみたキャスター・トロイそのものになっている。

アーチャーは憎むべき男トロイにも家族がいた事を知ってしまう。序盤でアーチャーはサーシャの尋問で『息子と離れ離れにするぞ』と非常な脅しをかけている。顔を入れ替える前まではトロイに関係する者は全員ブタ箱に入れてやる!といった無慈悲な捜査官であったがサーシャの息子アダムを目の前にした時に失ったマイケルとダブらせてしまいます。サーシャにも愛すべき息子がいて…俺は母親と子供を引き離そうとしていたんだ…という罪の意識にかられる事に…

軍師かんべえ

本当サーシャに酷い言葉を言ったよなぁ~

アーチャーになったトロイ

アーチャーと違いトロイの方は顔を入れ替わった事に対し十分に楽しんでいる様子。無理にアーチャーを演じず本能むき出しのトロイのままでアーチャー家族に接している。

『俺は君に飢えているんだよ…俺のピーチ』お堅いアーチャーが絶対に言わないセリフを自宅前で恥ずかし気もなく言っている。トロイは妻が不自然に思うかも…なんて事は一切考えず自分を通している。この段階ではバレたら殺せばいいや…くらいにしか思っていなかったのでしょう。

自分(トロイ)が仕掛けた爆弾を自ら解除した事で仲間から拍手喝采を受け、それに応えるアーチャー(トロイ)。序盤のトロイ逮捕時の無愛想なアーチャーが見事な伏線となり仲間からは『人が変わったみたい』と言われていました。人が変わっているのだが…妻や娘の前だけではなく職場でもトロイを突き通すアーチャー(トロイ)。この男の辞書には『恐怖』という文字はないのか?

ボーイフレンドに襲われそうになった娘ジェイミーに『今度、襲われそうになった時にはコレを突き刺せ!』と言ってナイフを渡してましたが結局はジェミニ―にナイフで刺されたのはアーチャー(トロイ)自身。娘もいつものパパじゃない…と思いながらも親子のコミュニケーションが回復しつつあります。

アーチャーになったトロイは臆する事もなく自分を貫き通しているのだが何故か本物のアーチャーが失っていた妻との関係や娘とのコミュニケーションや同僚との信頼関係を回復していくという皮肉めいた演出がされていました。

軍師かんべえ

やっぱりチョイ悪の方がモテるんだなぁ~

芸術とも呼べる銃撃戦

物語中盤ではアジトでFBIとの銃撃戦となるシーンだが私がこの映画で最も大好きなシーンでもある。とにかくカッコ良くて…切なくて…まさに芸術とも呼べる演出が数多くされています。ジョン・ウー監督の十八番でもある二丁拳銃やスローモーションはもちろんだが鏡越しのメキシカン・スタンドオフは鳥肌モノ。

アーチャー(トロイ)が『元に戻ろう』と提案した事にトロイ(アーチャー)は『奪われたモノは戻らない』と返している。もちろん『奪われた』というのは息子マイケルの事。このシーンは製作費の関係から鏡なしで行われる予定であったがジョン・ウーが自費を出してでも絶対に撮りたいという要望から監督が自らのギャラから鏡を用意したというエピソードがある。

マイケルとアダム

トロイとサーシャの子供アダムに失ったマイケルをダブらせたアーチャー。本来なら敵でもあるトロイの息子だけに助ける義理はないのだが『この子だけは絶対に死なせない』と必死にアダムを守り抜いている。この無秩序とも呼べる銃撃戦の中で最も不釣り合いな『無垢な子供』を加える事で画の力強さを演出しているのは芸術の域に達している。更にこの銃撃戦を芸術の域まで引き上げた効果がBGM。

オーバー・ザ・レインボー

Over the Rainbow/虹の彼方に
1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌った劇中歌。

アダムを怖がらせないために付けたヘッドホンから流れるのが名曲オーバー・ザ・レインボー。この曲が銃撃戦の中でBGMとして流れてくる。銃撃戦の中で不釣り合いなのが『無垢な子供』と『オーバー・ザ・レインボー』 理由は全く分からないが何故か…このシーンは何回観ても涙が溢れてくる。心の奥底に突き刺さる何かがあるに違いない。説明できなくて申し訳ないが、このシーンを観て心が震えない女性とは付き合えない…というのは別の話。

軍師かんべえ

上手いよなぁ~子供の使い方が…

ラストバトル

息子を奪い…顔を奪い…妻、娘までも奪おうとする憎むべき男と決着をつけるため教会へと向かうトロイ(アーチャー)。『奪われたモノは戻らない』かもしれないがアーチャー(トロイ)との決着の先には…希望があるのか?

教会

ジョン・ウー監督にとって『白い鳩』とは『平和の象徴』であり『愛』『無垢な心』を表現する時によく使われるメタファー。ラストバトルの教会のシーンでは『鳩が舞い飛ぶ』ことで『平和が壊された』ことを表現。鳩が舞い飛ぶと同時にラストバトルが始まる。

妻イヴを5人の男女が囲みジョン・ウー監督十八番のメキシカン・スタンドオフ。まさか、この様な使い方をするとは…『フェイス/オフ』は徹頭徹尾カッコよすぎる。

決着

サーシャはトロイ(アーチャー)を庇い銃弾をあびる事に…息子のアダムをトロイ(アーチャー)に託し息を引き取る。

終わった…全ての決着が終わった…アーチャーはこの時どのような思いだったのだろうか…憎むべき男を葬って安堵感なんてものは湧かなかっただろう、決着はつけたが息子マイケルは戻ってこない…これまでは息子を失った怒りをトロイに向ける事で生きる糧としてきたが、そのトロイは死んでしまった。アーチャーはこの先に生きる希望を見つけることができるのか…

アダムがもたらしたもの

アーチャーは希望を見つける事が出来た。アダムを家に迎える事で暗く沈んでいたアーチャー家に一筋の光が射した。ジョン・ウー監督は子供の使い方が上手すぎる。今回の記事を書く上で『フェイス/オフ』を5回以上鑑賞したが何度見ても涙が止まらないエンディング。このシーンこそが『フェイス/オフ』全てのカタルシスになっている。

総括

誰が何と言おうとも…個人的には20世紀最高のアクション映画。ストーリーも抜群で出番は少ないがアダムの2つのシーンで涙が止まらなかった( ;∀;)。なんか…リメイク版の話が去年あったのだが…どうなったのだろう?全然情報が降りてこない。もしリメイクがあったとしても果たしてトラヴォルタとNケイジを超える作品が創れるのだろうか?

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今回も長文失礼いたしました
それでは…

またのお越しをお待ちしております

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