『レヴェナント 蘇えりし者』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

『レヴェナント 』蘇りし者』を鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ

レヴェナント 蘇えりし者

引用元:レヴェナント:蘇えりし者 – 20世紀スタジオ

死など恐れない…
俺はもう死んでいるのだから

あらすじ

引用元:映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編

1823年アメリカ北西部の極寒地帯、ハンターであるヒュー・グラスは狩猟の最中にクマに襲われ瀕死の状態になってしまう。隊長のヘンリーは瀕死のグラスを残して出発する事を決断するが最期を看取り埋葬する者として息子のホークとフィッツジェラルドとブリッジャーの3人が残る事となるのだが…

2016年:アメリカ、日本公開
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:マーク・L・スミス
   アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
原作:マイケル・バンク『蘇った亡霊:ある復讐の物語』
製作:アーノン・ミルチャン 他
製作総指揮:ブレット・ラトナー 他
出演者:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディー 他
音楽:坂本龍一、アルヴァ・ノト
撮影:エマニュエル・ルベツキ
編集:スティーヴン・ミリオン
製作会社:リージェンシー・エンタープライズ
     ラットパック=デューン・エンターテイメント
配給:20世紀フォックス

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞監督賞を受賞したイニャリトゥ監督が2年連続で監督賞を受賞した作品が今回ご紹介する『レヴェナント 蘇えりし者』

レオナルド・ディカプリオが主演を務め同作品で悲願のアカデミー主演男優賞を受賞。更に撮影のエマニュエル・ルベツキは史上初の3年連続で撮影賞を受賞する快挙を成し遂げている

とにかくディカプリオの迫真の演技は圧巻で更に雄大な自然を映し出した映像は確実に私たちを映画の世界へと没入させてくれる事は間違いありません…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『レヴェナント 蘇えりし者』を100倍楽しもう!

軍師かんべえ

大自然の映像だけでも楽しめるので大きい画面で見るのをオススメします。スマホなどでは面白さが半減しますよ

ノンフィクション

2002年にマイケル・バンク著の小説である『蘇えった亡霊:ある復讐の物語』を2016年にイニャリトゥ監督によって映画化。アメリカ西部開拓時代に生きた実在の狩罠師ヒュー・グラスの半生と彼が体験した過酷なサバイバルの旅が本作では描かれている。

映画『レヴェナント 蘇えりし者』を観る上で最も頭に入れて置いて欲しい事は実話という点である。もちろんストーリーを面白くする上での脚色もありますが熊に襲われ極寒の雪道を這いずりながらも生還した…というエピソードは紛れもなくヒュー・グラスが体験したことなのであります。

ヒュー・グラス

1780年前後 北アイルランドで生まれアメリカに移民。詳しい記述はないが海賊だった…という説もある

1821年同作品で隊長を務めたヘンリーがロッキー山脈毛皮会社を創設。100人の探検隊を募り大掛かりな狩罠を展開する。グラスも2回目の遠征に参加している

狩猟中に子連れの灰色熊に出会いヒューは重傷を負ってしまいます。隊長はグラスは助からないと判断し見届け役にブリッジャーとフィッツパトリック(劇中ではフィッツジェラルド)を任命するのだが2人は原住民のアリカラ族の襲撃を怖れグラスを放置したまま本体と合流。『グラスは死んだ』と嘘の報告をしてしまう

このままグラスの半生を語っていこうと思いましたがネタバレとなるので奇跡の生還劇は本編で確認下さい。

今だ人気のヒュー・グラス

私も本作でヒュー・グラスの存在を知ったのだがアメリカでは誰もが知っている有名な人物でグラスの身の上話を題材とした著書や劇作は多く熊に襲われた現場には記念碑が立っていたりもするのです…襲われた場所に記念碑は笑えるがグラスの最期はイエローストーン川の近くでアリアラ族と遭遇し処刑されたとのことみたいです。

1832年アメリカ西部開拓時代

私の頭の中でのアメリカ西部開拓時代は『ある街で無法者が暴れまくっていて流れ者が現れて街を救う』というイメージ。他にもギャングや保安官が出てきたり鉄道機関車が走っていたり、機関車強盗であったり…ゴールドラッシュとかの印象が強いですよね。要はマカロニウエスタンが私の西部開拓時代のイメージなのである

間違いではないのでしょうが…このイメージは白人から見た西部開拓時代であって迫害されていたインディアンから見た西部開拓時代はまた違ったイメージとなりそうです。

インディアンから見た開拓時代

1492年コロンブスがアメリカ大陸発見を機に先住民インディアンへの殺戮が始まったとされています。コロンブスは数年にわたり艦隊を率いて先住民を虐殺している。

アメリカ独立戦争以後(1783年)は『豊かで安い土地』を求めて白人入植者が先住民の土地へと西進していくようになってきます。

1830年ジャクソン大統領が『インディアン移住法』を成立。現オクラホマに駐留地を作り強制移住をさせるのだが従わない部族に関しては絶滅させるとジャクソン大統領は宣言している。武力を背景に白人とインディアンとの抗争は終結する結果となります。

『レヴェナント』は西部開拓時代のいつ頃?

1492年コロンブスの大量虐殺から始まり…1830年にジャクソン大統領の強制移住によって終結
レヴェナントは1823年が舞台となっている事からインディアンは迫害され続け怒りがMAX状態の時期

私たちがイメージしている以上にインディアンの白人に対する怒りは深いという点がご理解いただけたと思われます。白人が殺したインディアンの数はなんと…50万人とも云われています。

作中で白人が異様なまでにインディアンを恐れる理由やインディアンが執拗に白人を追いかけ回す理由はこういった背景を知れば理解ができますよね

白人にとって開拓時代はアメリカンドリームであったがインディアンにとっては迫害と屈辱の連続の時代であった訳です

取るべくして取ったアカデミー賞

The making and authorized distribution of this film
supported over 15000 jobs and involved
hundreds of thousands of work hours

この英文は本作のエンドロールで流れる製作サイドからのメッセージで

この作品は多くの人と時間をかけて作られています

要するに不正コピーをしないで下さい…という意味である。製作サイドが思わず出してしまいたくなるくらいにこだわり続け創られた作品だったと事が伺えますね

監督のこだわり

アカデミー撮影賞を受賞しただけに本作は映し出される自然の映像美に翻弄されてしまいます。それもそのはずで照明を使わずに自然光だけで撮影されたと報じられています

そのため大幅に撮影期間が伸びたことで撮影を辞退するスタッフも出てきたとか…

それでも監督は一切の妥協はせずに北半球で冬のシーンが撮れないなら南半球で撮ればいい…とアルゼンチンで撮影を続行しています。更にこの映画を撮るにあたりピッタリのロケ地を探すのに5年もかけているみたいです…もはや執念ですね。

執念の主演男優賞

レオ様と言われていたのが嘘のような変わりっぷりで…それもそのはず役作りのために撮影の1年半前からヒゲを伸ばす徹底ぶり。特殊メイクで何とかなりそうなところをレオ様はリアリティを求めるほど今作に賭けていたみたいである。

ベジタリアンなのに…

この物語は極寒の自然の中で生き抜くサバイバルであり魚を生のままかじったり…アメリカバイソンの生の内臓を食べたり…と観ている方が嗚咽してしまいそうなシーンが多々あります。


『どうせ何かで作られたニセモノなんでしょ!?』と思っていたら…ビックリしました。これもリアリティを出す為に本物を使っていたとの事みたいです。
『あれ?レオ様ってベジタリアンじゃなかった?』

鼻が折れても続けるプロ魂

監督も役者もリアリティを求め過ぎたあまりスタントマンを使う事なく撮影は続けられました。ディカプリオは極度の低体温症になったり…崖から突き落とされたり…ワイヤーで吊られ何度も地面に叩きつけられたり…と若手芸人のように体を張った演技をして怪我も絶えなかったみたいです。

更にある格闘シーンで本当に鼻を骨折してたらしいのだが演技を続けたプロ魂には…脱帽である

屈辱のアカデミー賞

世界的なスターであるディカプリオだが悲しいかな…アカデミー賞とは縁がなく本作で悲願の主演男優賞を取るまで長く険しい道のり(もしかしてメタファー?)を味わっていたのである。

1994年『ギルバート・グレイプ』で助演男優賞にノミネートされたが落選

1998年は『タイタニック』で歴代最多の11部門受賞しかし主演男優賞は主演ジャックの様に撃沈

その後もアビエーターなどでノミネートされるがまたもや落選と本当に縁がない

22年越しのアカデミー賞『いや…生肉喰った甲斐がありましたよ』と言ったかどうかは分からないが念願のオスカー俳優に仲間入りできました。今後の活躍にも期待したいですね!

それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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