『THE GAME』をモーっと楽しもう
おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『THE GAME』の徹底解析
完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ
本記事は『THE GAME』の感想レビューとなっていますのでネタバレが含まれております。未鑑賞の方は予備知識編『100倍楽しもう』の記事をご確認の上で本作品を鑑賞後に再度お越しください。
THE GAME
1997年:アメリカ公開 1998年:日本公開
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:マイケル・ダグラス 他
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1995年に大ヒットしたミステリーサスペンス映画『セブン』を手掛けたデヴィッド・フィンチャーの次回作『THE GAME』。興行的には満足できるものではなかったが貼り巡らせられた伏線の数々や先の読めない展開…そしてラストに見せた大ドンデン返しと映画ファンの中では公開から数十年経つがいまだに議論が繰り返されている傑作となっている。フィンチャー節が出ているため好き嫌いがハッキリと分れる作品だが後に作られたゾディアックやベンジャミン・バトンといった映画が好きなら本作もハマるのではないでしょうか…
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監督のデイヴィッド・フィンチャーは元々は音楽PVを制作していたためか特にOPの演出にはかなりの拘りを見せてくる。『セブン』でもすごく特徴的なOPを作り上げ話題となり日本のテレビドラマ『ケイゾク』でもインスパイアされたほどである。
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フィンチャーがこだわるOP
『THE GAME』では明確なOPは存在しないがニコラスの幼少の頃の8㎜フィルムが冒頭で流れる。このシーンこそがフィンチャーの拘りが色濃く出ている部分である。本来は楽しいはずのニコラスの誕生日会ではあるが異様な雰囲気が醸し出されていて少し恐怖という感情さえ芽生えてしまう作りになっている。更に父親と家族との関係がココで十分に説明されていて決して何でも話し合えるような良い関係ではない事が分かります。父親は息子の誕生日に一度も笑っておらず煙草をふかしてばかり…そして最後はニコラスの元から消え去っていきます。
このシーンはニコラスの幼少の頃の記憶を8㎜フィルムとして映像化したメタファーだったのでしょう。このOPを一発冒頭に入れることでニコラスが如何に父親に似た人間味の薄い大人になってしまったかが理解できますよね。
この様に鑑賞後レビューに関しては個人的な感想をバンバン入れていきます。鑑賞したという前提で記事を書き上げていきますのでネタバレにはご注意ください。
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貼り巡られた伏線
『THE GAME』はタイトル通りに多くの伏線が貼られ まさにゲーム感覚のように鑑賞後に答え合わせが出来る面白い作品になっている。冒頭の8㎜フィルムの中にも幼少の頃のニコラスがプールの中に落とされるシーンは海の中に落とされるシーンの伏線になっていたり…
自宅に放り投げられていたピエロの人形も8㎜フィルムの中で不気味に踊るピエロが伏線となっていました。ココで全てを挙げていたらキリがないので…最も印象に残った伏線が…
18歳の誕生日祝いに貰った父親の形見の金時計…この時計こそが彼を苦しめることとなった元凶で本作で最もテーマ性の高い伏線となっていました…
この伏線の多さこそが後に議論を生んだ要因なんですよね。あぁでもない…こうでもない…(笑)
呪縛からの解放
ニコラスは18歳の誕生日の時に貰った父親の形見の金時計に苦しめられていました。この時計こそがニコラスが『父親の様にならなければ…』『父親の遺産を守らなければ…』と必死となって30年間守ってきたもの…まさしく父親の呪縛だったのです。しかしニコラスはGAMEの中で金時計を手放し金に換えた事で呪縛から解放されたのです。彼はメキシコの地で生まれ変わる事ができました。そして彼はドライブインで自分をサンフランシスコまで送ってくれないかと…お願いをするのです。今まで全てお金で解決してきた男が人にお願いをしたのです。
ニコラスはサンフランシスコに返ってくると元妻に何故…彼女が自分の元を去っていったのかを悟り、彼女に謝罪するという今までのニコラスでは決してしない行動をとっていました。ニコラスはGAMEに参加する事で表面的なプライドや無駄な人格といった物を失ってしまったが人間として大切な感謝の心を取り戻すことができていました。そうニコラスは呪縛から解放されたのです。
CRS社が提供する『GAME』の謳い文句が『人生を変える体験』。看板に偽りなし…といった所ですね
感謝の意
冒頭で弟のコンラッドが兄に誕生日祝いをした時はニコラスは有難迷惑ばりに困惑な表情を浮かべ目を合わそうとはしていませんでした。しかしGAMEに参加する事で彼は次第に失いかけていた感情が芽生え感謝という気持ちを取り戻す事ができた時に再び弟から誕生日の祝いの言葉を貰います。
めっちゃ泣いてます(笑)感極まって…メチャ泣いてますねぇ…僕はこのシーンが大好きです。経営者として結果重視に判断していく事も大切ですが人間を見る時は経過をみてやることの大事さを学んだような気がします。その経過には苦しみや悲しみ…そして悦びも表現されているはず…そして結果だけを見ていたならそのような表現は決して見ることができないという事。
『セブン』が胸糞映画だっただけに『THE GAME』の終わり方が胸スカ映画だったのは意外な結末でした。これもフィンチャーの狙いだったのか?
総括
ネタをばらせばCRS社は本当に『人生を変える経験』を提供するGAME会社だったという事になる。陰謀説が途中で浮かび上がるが…それも伏線となり私たちを混乱させる結果となっていました。前作のセブンがあっただけに最後にニコラスがビルの屋上から飛び降りた時は…『また胸糞映画か…』と目を反らしかけたのだが思わぬ展開が待っていました。『やられた…』まさか2年前に公開された『セブン』が今回のクライマックスの伏線になっていたとは…当時は誰もが思ってたのではないでしょうか?『THE GAME』はまさにデビッド・フィンチャーが仕掛けたゲームだった…という事でオツカレっす!
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