『リトル・ミス・サンシャイン』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人『軍師かんべえ』です。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

『リトル・ミス・サンシャイン』を既に鑑賞されている方は
『鑑賞後のモーっと楽しもう』にどうぞ

リトル・ミス・サンシャイン

2006年:アメリカ、日本公開
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演:グレック・キニア、スティーヴ・カレル 他

監督はジャネット・ジャクソンやREMなどのPVを手掛けてきたジョナサン・デイトン。本作が劇場映画デビューとなり『リトル・ミス・サンシャイン』では妻のバレリー・フェリスと共に監督を務めている。2006年サンダンス映画祭ではスタンディングオベーションが起こるほど絶賛された作品でもあり第19回東京国際映画祭でも最優秀監督賞と最優主演女優賞、観客賞の最多3部門を受賞。第79回アカデミー賞では4部門にノミネートされ脚本賞とアラン・アーキンが助演男優賞を受賞。また英国アカデミー賞では6部門にノミネート。オリジナル脚本賞、助演男優賞を受賞…と初監督作品ではあったが その年の注目の作品となっていた。

崩壊寸前だった家族が娘オリーヴの美少女コンテストの為にアリゾナからカリフォルニアまで車旅をする…といった家族の再生を描いたロードムービー。面白要素がコレだけ揃っていて面白くない訳がない作りになっている上に異様なまでにクセが強すぎる各キャラクター達が本作を更に彩りをつけてくれる。本来ロードムービーは赤の他人や敵対する者同士が一つの乗り物に乗り合わせることでの化学反応を楽しむ演出がされる事が多い。しかし本作では気持ちはバラバラであったとしても家族という再生するには敵対している者同士に比べると少し容易な気がするのだが…これがまた見ている私たちにとって家族というのは身近なコミュニティなだけに親近感が湧く作りになっていて…何でも言い合える仲だからこそ、こんな風になってしまうのか…なんてオチは家族コミュだからこその設定だといえるのでしょう。ありそうでありえない家族の再生物語。『リトル・ミス・サンシャイン』少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!本作を既にご鑑賞された方は鑑賞後レビュー記事までよろしくお願いします

軍師かんべえ

個人的な感想だがロードムービーにハズレなし…という位このジャンルは鉄板と言える

あらすじ

田舎町アリゾナに住む少しポッちゃりの少女オリーブがひょんな事から全米美少女コンテストの地区代表に選ばれてしまった。決戦の地カリフォルニアを目指し家族一団で黄色のおんぼろ車に乗り込んで…いざ出発。人生勝ち組になる事を目指している父親にタバコ中毒の母親…沈黙の誓いをたてた兄とゲイで自殺未遂の伯父、ヤク中の不良ジジイ…そしてコンテスト優勝を目指す夢見る乙女オリーブを乗せたフォルクスワーゲンはカリフォルニアにある会場を目指すのだったが…

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最高のロードムービー映画

アリゾナからカリフォルニアまでの家族旅がストーリーの軸となる『リトル・ミス・サンシャイン』印象深いのがオンボロのワーゲン車が走り出すためには家族が全員で押してあげる必要があるという設定。この家族はオンボロワーゲン車の様にすぐに故障をしてしまう崩壊間近の家族。しかし全員で押せば動き出すワーゲン車と同じように全員で家族の問題に対し取り組んでいけば解決できない事はない…というメタファーをこのワーゲン車に付けている。これこそが本作がロードムービーとして傑作と言える設定といえるのではないでしょうか。

軍師かんべえ

家族の問題をいちいち立ち止まって全員で考える姿こそ感動と言えますよね

ロードムービーとは

映画の中のジャンルの一つで旅の途中で起こる様々な出来事がストーリーとなっているのがロードムービーと呼ばれている。代表的な映画は『イージー・ライダー』や『テルマ&ルイーズ』『レインマン』『ブルースブラザース』などがあり邦画では『幸せの黄色いハンカチ』『菊次郎の夏』など…さらに本ブログでも題材として挙げていた『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』もロードムービーとなっていますので是非ご確認ください。

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ロードムービーの醍醐味

ロードムービーの醍醐味として旅が映画の軸となるため『美しい景色』という点は外せないポイント。雄大な景色やどこまでも続く地平線であったり…時にはオーロラであったり…夕焼けであったりと私たちの記憶の中にいつまでも残しておきたい感動の場面を見せてくれるのもロードムービーの楽しみ方の一つでもある。

更にロードムービーの醍醐味としては人間の成長をテーマとしている作品が多いのも特徴といえる。一つの冒険を通じて一回りも二回りも主人公が大きくなる…的な。物語の主人公は日常で『正常な判断ができない人間』とされているが冒険を通じて『実は自分は正常な判断をしていた事に気付く』とか『周りの目を気にしない』などといった一つの答えを導き出す…といったように明確な答えが映画の中で浮き彫りにされるのもロードムービーの醍醐味と言えます。なので日常にモヤっとしている方や…スッキリしたい方にロードムービーは向いているのかもしれません。

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登場人物

家族崩壊間近の再生ロードムービーとなっているが…それほど深刻な状況に陥っている訳ではない。このフーヴァー一家に叔父のフランクを加えた6人が本作のメインキャストとなっている。この手のロードムービーでは成長がテーマとなってくるのでメインキャラが現在置かれている立場や目標にズレが生じている場合が多く、その点を踏まえて各キャストの紹介をしていきたいと思います。

オリーヴ

本作の主人公である少女オリーブ。彼女が全米美少女コンテストの地区代表に繰り上がる事で物語がスタートするのだがオリーブはまだ幼いためミスコンというものの真意が分かっていない。ただ憧れでしかないミスコンの世界に意味も分からずに飛び込んで行こうとしている…という設定の少女。オリーブちゃんはとにかく何も知らないという純真無垢な少女である。この可愛さ100点満点の少女が崩壊寸前の一家を繋ぎとめている役目を担っていて彼女の存在が一家を救っていく事になる。

リチャード

大学で『勝ち組プロジェクト』というテーマを題材に講義をしている教授で人生に於いて『勝ち組』こそが全てと唱えているが実は自分自身でも気づいている『負け組』に属しているという事を…そんな父親だからこそ子供達には『勝ち組』でいて欲しいと願っている。

シェリル

一応はタバコ中毒者というキャラ設定はあるものの作中では一番まともなキャラで家族を必死にまとめようとしている良き母。どうしても『ヘレディタリー/継承』のイメージが強すぎるため…何か最後にしでかすのでは?とさへ思ってしまうが普通に可愛いお母さんといった感じで個性が強い家族なだけに彼女が良いモノサシとなっている。

ドウェーン

空軍パイロットを目指す長男ドウェーンは空軍士官学校に入るまでは『人とは喋らない』という沈黙の誓いを立てているという中二病を炸裂している痛い15歳。しかもニーチェを崇拝しているという更に痛さが増す設定。ニーチェとは反キリスト教的・反道徳的態度で知られ哲学者としては異端な扱いを受け入ている人物。つまりドウェーン自身も反体制派よりの人間で人と接するのを苦手とするタイプと言えるのかもしれない。

フランク

母シェリルの実の兄のフランク。フランスの小説家マルセル・プルーストを研究している学者。彼はゲイという性癖があり男恋人に振られた事から自殺未遂を図ったため妹のシェリルの家にお世話になる事になる。

グランパ

第二次世界大戦の退役軍人でヘロイン中毒のため老人ホームを追い出され家族と暮らす事になってしまった不良じいさん。口はかなり悪いが的を得た助言をしてくる頼れる爺さん。孫のオリーブとはかなり仲が良くミスコンで踊るダンスを一緒に特訓している。

『リトル・ミス・サンシャイン』を楽しむポイント

アリゾナからカリフォルニアまでをオンボロ車で旅するロードムービー。家族の絆の再生を描いた『リトル・ミス・サンシャイン』実は撮影秘話となるのだが本作は監督の希望により順撮りで撮影が行われている。

順撮りというのはシーンの順番で撮影を行う方法。分かりやすく言うなら通常の撮影方法は予算や時間の関係からシチュエーション毎に撮影を行っていく。例えるなら家の中というシチュエーションだったら序盤で使うシーンもエンディングで使うシーンも一気に撮ってしまう。そして次に車の中というシチュエーションなら中盤で使うシーンも後半で使うシーンも一気に撮ってしまう事で時間の短縮に繋がり、役者の拘束時間も短縮できるため予算も抑えられるという利点がある。

しかし通常の撮影方法で序盤と終盤で使うシーンを一気に撮ってしまうと役者の気持ちの入れ方が難しくなってくる。例えるなら恋愛映画で序盤では相手の事を気にもかけていない雰囲気だったのが…中盤では胸がドキドキしている様な雰囲気を醸し出さなければいけません。それを同じシチュエーションだからといって同じ日に一気に撮ってしまうと役者の役作りが難しくなってしまうという欠点があります。特にロードムービーとなると徐々に成長をしていく過程を見せていくため通常の撮影方法より順撮りの方が向いているのかもしれません。

『リトル・ミス・サンシャイン』の撮影方法は順撮りで行われた事で家族の絆が徐々に深まっていくとう気持ちがリアルに演出されている。実際にアリゾナからカリフォルニアを旅させている訳ですから…本作を見る上でのポイントは特に必要な知識は要らないのですが…何もない状態で鑑賞して欲しい。何か心配事や用事があるのなら そちらを済ませてから一気に鑑賞して欲しい作品。電話を一本いれないといけない…とか途中でコンロの火を消さないといけない…とかないように!

少しの情報だけで映画はもっと面白くなる!

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それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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