『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』を100倍楽しもう
おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人『軍師かんべえ』です。
映画ライフを楽しんでますか!鑑賞前の予備知識!
これで映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!
目次
9人の翻訳家 囚われたベストセラー
引用元:映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』|DVD公式サイト-GAGA
2019年:チェコ公開 2020年:フランス・日本公開
監督:レジス・ロワンサル
出演:ランベール・ウィルソン・オルガ・キュリレンコ 他
映画『9人の翻訳家』を鑑賞された方は
コチラの『鑑賞後にモーっと楽しもう』に
お入りくださいませ⇩
LES TRADUCTEURS
邦題『9人の翻訳家』の正式なタイトルは"LES TRADUCTEURS"(フランス語)で"LES"は複数の男女という意味で"TRADUCTEURS"は翻訳家という意味。
つまりタイトル通りで訳すると『複数の翻訳家』というのが正解となる。ただ邦題が『複数の翻訳家』だと興味が薄れる気がしませんか?翻訳家の仕事はただ訳するだけでなく私たちが目にした時に興味がそそられる様に変換していくのも重要な作業である。特に難しいのは小説などで作家の意図を外した解釈をしてしまうと読者ごと間違った解釈をしてしまう恐れがある。
翻訳家は多重言語を理解するだけではなく語彙力や伝達能力も必要な上に文学の理解や創造力も必要になってくる。それだけにベストセラー『デダリュス』の翻訳は名誉でもあり重圧でもある。本作で9人の翻訳家が『デダリュス』の解釈をぶつけ合っているのも映画の魅力的な部分です。
翻訳家さんのおかげで映画が楽しめるのね!
事実は小説より奇なり
大ベストセラー『デダリュス』の翻訳を任される事になった9人は発売前に違法流出を防ぐためフランスの豪邸の地下シェルターに集められ翻訳作業をさせられる…といったいわば軟禁状態。いかにも映画ならではのビックリ展開なのですが…実は
トム・ハンクスが演じた映画『ダ・ヴィンチ・コード』でも有名なダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』の出版の際に著者ダン・ブラウンの同意のもとアメリカの出版元が各国の翻訳者たちを秘密の地下室に隔離して翻訳作業を行っていた。このクレージーな実話を元にデジタル時代ならではの仕掛けと、どんでん返しの連続を融合させた新時代の本格派ミステリーが『9人の翻訳家』だったのです。まさに事実は小説より奇なり
ベストセラー『デダリュス』完結編
ドイツ・フランクフルトで開催されたブックフェアで発表されたのが世界的大ベストセラーの『デダリュス』の最終巻をアングストローム出版が権利を獲得したという報告。過去の『デダリュス』1巻『レベッカの傷痕』2巻『毒の口づけ』は既に10憶ドル(日本円で約1050億円)の売り上げを出しており2年の歳月を経て遂に最終巻『死にたくなかった男』が12月には多言語の翻訳を同時に開始し3月には世界同時発売する予定。
ちなみにワンピース(95巻まで)の2019年段階での総売り上げ部数が4憶7千万部。総売り上げが約2000億円。
出版社オーナー:アングストローム
アングストローム出版オーナーのアングストローム。大ベストセラー『デダリュス』の最終巻『死にたくなかった男』の出版権を獲得した事で発売前に違法流出する事を危惧して9人の翻訳家をフランスの豪邸の地下シェルターに監禁し作業させることを提案し実行させる。彼は翻訳家の人権よりも会社の売り上げを優先に考える利益至上主義者でロシアのSPを雇い9人の翻訳家を常に監視している中で翻訳作業を始めさせる徹底ぶり。性格は紳士を装っているが怒りを現した時は容赦ない言動を平気で行う直情タイプの人間。非常に神経質で特に時間に対しては相当にシビア。
非常にやり手な経営者なんでしょうけど…こんな会社で働きたくないですよねぇ。
オスカル・ブラック
『デダリュス』3部作の著者でオスカル・ブラックという名もペンネームで正体は不明。出版権を獲得したアングストロームしか彼の正体は明かされていないため世間では『彼は双子だ…』『旧東ドイツのスパイだ…』とか『正体は出版社オーナーのアングストロームだ…』といった噂が流れている。
9人の翻訳家
引用元:映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』|DVD公式サイト-GAGA
9人の翻訳家たちは『デダリュス』最終巻の翻訳をするためフランスの豪邸に集められる。違法流出を防ぐため彼ら…彼女らの持つ通信機器や録音機器は全て没収され家畜同様に地下に監禁され監視の下で翻訳作業が進められる。しかも1日20ページだけの原稿を渡される徹底ぶりでアングストロームは翻訳の質よりも情報が流出する危険を何よりも優先している。
ロシア語:カテリーナ
ロシア語の翻訳を担当するカテリーナは『デダリュス』の登場人物でもある『レベッカ』のコスプレをする事で気分を高め作業をする、かなり痛いタイプの翻訳家。そのためか『レベッカ』に寄せている雰囲気があるので言動に違和感を覚えるが本当の彼女は…どうなんでしょう?本作で世界的に有名な役者はカテリーナ演じるオルガ・キュリレンコのみ(個人の感想です)。2008年公開の007『慰めの報酬』ではボンドガールを演じています。
イタリア語:ダリオ
イタリア語を担当するダリオは『強気を愛し…弱気を虐める』スネ夫タイプで出版オーナーのアングストロームに初見で思いっきり媚びを売っている。しかしアングストロームに会うまでは契約事項を無視したり強気な姿勢をみせている。ダリオを演じたのはイタリア俳優のリッカルド・スカマルチョでジョン・ウィックにも出演してはいるが私の記憶には残っていない(これも個人の感想です)
デンマーク語:エレーヌ
デンマーク語を担当するエレーヌは3人の子供と旦那がいる母親で自宅でも出来る翻訳家を職としている。フランスで2か月間も働くため旦那は空港で不満を漏らしているが彼女自身は何か楽しんでいる様子が伺える。エレーヌを演じるのはデンマークの女優シセ・バベット・クヌーセン。本作でインスパイアされた映画『インフェルノ』に出演しているが…これまた記憶にない。
スペイン語:ハビエル
スペイン語を担当するハビエルは言語障害というハンデを背負っている上に手は骨折しているという痛々しい恰好で登場する。性格は非常に臆病で内向的なため自分の意見を押し込んでしまうタイプ。ハビエルを演じるのはスペイン俳優のエドゥアルド・ノリエガでスペインとフランスではトップ俳優らしいが…やっぱり知らない。
英語:アレックス
英語を担当するアレックスは9人の中では最年少の翻訳家で世界で最も使用される言語の英語の翻訳に抜擢される。若さ故か…怖い物知らずの面が伺え初日の翻訳の仕事で爆睡を嚙ましている。本人曰く1作目の『レベッカの傷痕』の翻訳にインターンとして参加していた…と語っている。アレックスを演じるのは英国若手俳優のアレックス・ロウザーで本作の翻訳同様に今作で大抜擢された期待の新人という事らしいが…これまた知らない
ドイツ語:イングリット
ドイツ語を担当するイングリットは特に特徴が伺えない平凡なキャラで彼女が魅せる背景は疎遠になった娘がいる事くらいで私生活は幸せではない…という事くらい。個性豊かなキャスティングの中で平凡な性格の人間がいたら…コレはコレで特徴があるという事になるのかな?イングリットを演じるのはドイツ女優のアンナ・マリア・シュトルムで残念ながら本作のキャラ同様に平凡な女優なのかもしれない。
中国語:チェン
中国語を担当するチェンは中国人ではあるがパリに20年住むイケメン筋肉男。『わたしの母国は自由はない』と言っている様に検閲に厳しい中国での翻訳は規制も多く自由に表現できないという、もどかしさに悩んでいる。チェンを演じるのはフランスのコメディアン俳優のフレデリック・チョーで彼の俳優としてのキャリアよりも…その生い立ちの方が衝撃的で彼の半生を映画化した『Made in China』で主演を演じている…が何故かググっても同名のインド映画しか検索に引っかからないという謎
ポルトガル語:テルマ
ポルトガル語を担当するテルマは見ての通りパンクで日本でいうスケバン的キャラ。反抗的で協調性がなさそうに見えるが実際は心優しい性格なのでは?無理してイキっているようにも見える。テルマを演じるのはマリア・レイチで本作の情報以外は全くといって情報がない謎の女優。今までの傾向からするとポルトガルの女優なのか?と思うが…それさえも謎。
ギリシャ語:コンスタンティノス
ギリシャ語を担当するコンスタンティノスは9人の中で最高齢でギリシャの大学で文学を教える教授の傍ら翻訳の仕事をしている。大ベストセラー『デダリュス』をただの流行りの小説で文学的要素はない…と何故か最高齢ながら悪ぶっている。人付き合いが苦手というより人が嫌いなのか少し距離を置いているスタンス。コンスタンティノスを演じるのはマノリス・マブロマタキスで彼も全くといって情報が検索できない。たぶんギリシアの俳優なんでしょうが察しの通り全く知らない俳優。
以上が集められた9人の翻訳家たち。個性化俳優が起用されているのに無名俳優ばかりなんですね。
登場人物
書店店主:ジョルジュ
フォンテーヌ書店の店主ジョルジュを語ってしまうと最高のネタバレとなってしまうのでココでは控えさせて貰いたい。ただココで書ける事は冒頭で炎に包まれているのが彼が経営するフォンテーヌ書店。いったい何があったのでしょうか?
使用人:ローズマリー
アングストローム出版でオーナーの秘書をやっているローズマリー。今回は集められた翻訳家たちの身の世話をしている使用人でアングストロームにいい様にコキ使われている。文学を愛しているが故に出版業界での仕事は有意義なのだが社長の傲慢な態度に少なからずも不満を抱いている。私はMなので彼女が理不尽に扱われているシーンに『もっと優しくしてあげて!』と感じてしまうのだが…ドSの人なら彼女の困っているシーンにキュンキュンくるのではないでしょうか?
あなたは、この結末を『誤訳』する
最新作『デダリュス』の違法流出を防ぐため地下に監禁された翻訳家たち。監視下のもと作業が進められるが社長アングストロームの携帯に『冒頭の10ページをネットに公開した…』という脅迫メールが届く…完璧な犯罪プロット…更に真犯人の驚愕の目的とは?ラストまで刻々と変わっていく真相を、あなたは見抜けるのか?そして…あなたは…この物語の結末を必ず『誤訳』する!
私は3回目の鑑賞で真犯人に辿り着けました。私は…やっぱり『誤訳』してました。
ミステリー映画の中でよく使われる用語で『フーダニット』『フワイダニット』『ハウダニット』という言葉があります。カタカナにしてしまうと分りづらいが『Who done it』『Why done it』『How done it』と表記すればピンとくる方がいるのではないでしょうか?『犯人は誰?』『なぜ?(動機)』『どうやって?(犯行方法)』といった意味になります。本作『9人の翻訳家』でもこの3つの用語を鑑賞者は追いかける事となるが…敢えて先に語らせて貰います。真実は語られる事はなく…『貴方が辿り着いた真実の奥に更なる真実がある』とだけ…
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それでは素晴らしい映画の世界に『いってらっしゃいませ』