『マトリックス トリロジー』を100倍楽しもう
おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!
『マトリックス トリロジー』鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ
目次
マトリックス トリロジー
あなたは死なない。なぜなら、
私はあなたを愛しているから…
あらすじ
1999年~2003年:アメリカ公開、日本公開 監督:ウォシャウスキー兄弟 脚本:ラリー・ウォシャウスキー アンディ・ウォシャウスキー 製作:ジョエル・シルバー 製作総指揮:バリー・M・オズボーン、アンドリュー・メイソン ラリー・ウォシャウスキー、アーウィン・ストフ アンディ・ウォシャウスキー 他 出演者:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング 他 音楽:ドン・デイヴィス、ロブ・ド―ガン、チノ・モレノ ジャック・デンジャーズ、ハイブ 他 撮影:ビル・ポープ 編集:ザック・ステンバーグ 製作会社:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ シルバー・ピクチャーズ 配給:ワーナーブラザース
100年以上に渡る映画史の中で時として技術革新が起こってしまう作品が登場してしまう事を皆さんは知っているだろうか…
1941年に公開された『市民ケーン』では画面の全てにピントを合わせる事で奥行きの深い構図を創りだすパンフォーカスが使用された事で後にヒッチコックや黒澤明といった名監督たちも好んで撮影の中にパンフォーカスを取り組んでいました。
1977年『スターウォーズ』ではコンピューターを使って映像を合成する技術『デジタル合成』を使用した事でSF映画の幅が一気に広がる事になります。
1990年『トータルリコール』ではコンピューターによって画像を生成するCG(コンピューター・グラフィック)が登場。
映画業界は日進月歩ではあるが確実に映像技術は進化しているのである。
1999年 公開『マトリックス』では被写体の動きはスローモーションに見えるがカメラワークは高速で移動する映像を撮影する技術『バレット・タイム』が登場した事で映画業界に革新を与える事になる。
映画をあまり鑑賞しないという方も『マトリックス』のストーリーは知らなくても上の画像は見た事があるのではないでしょうか…
この様な技術を使用した作品に対し『まるでマトリックスみたいだね…』なんて比喩表現にすらなっているほど有名な技術で本作が後の撮影技術に大きな影響を与えた事は間違いない事実である
『マトリックス』を語る時に必ず『バレット・タイム』の映像技術の話になるのは致し方がない。それだけ衝撃的だったのだから…
しかし『マトリックス』の魅力は決して映像だけではなくウォシャウスキー兄弟が創りだした世界観やストーリーがあまりにも独創的だったことも長期的にファンから支持されている理由なのである。
2003年には続編となる『マトリックス リローデッド』その半年後には『マトリックス レボリューション』が連続公開され『マトリックス トリロジー』(3部作)として一応はシリーズが完結する事になります。
しかし18年の歳月を経て2021年『マトリックス リザレクションズ』が劇場公開。
1999年に公開された1作目の新たな続編という立ち位置になるみたいだが…どういう事なのだろうか。どちらにしても『リザレクションズ』を楽しむためには過去シリーズの鑑賞は必須になってくるはず。
原点となる作品を理解していく事が重要だと思われるので今回は『マトリックス 3部作』を取り上げたいと思います…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『マトリックス トリロジー』を100倍楽しもう!
今見ると普通のVFXに見えるかもしれないけど…考えてみて!1999年よぉ。当時は嬉ションしてしまうくらいに衝撃的だったのよぉ~ん♡
ニューロマンサー
『ニューロマンサー』1984年ウィリアム・ギブスンによって書かれた長編SF小説であり『サイバーパンク』の代名詞的作品。第2作『カウント・ゼロ』第3作『モナリザ・オーヴァドライブ』と合わせた3作品は共通する世界設定や登場人物をもち『電脳空間三部作』『スプロールシリーズ』と呼ばれている。
まず『サイバーパンク』って何でしょう…って所から疑問になってしまうのだがウィリアム・ギブソンが作り上げたジャンルで『サイバーでパンクな話』らしい(笑)。かなり難解な内容でネットに載っている解説を踏まえながら読んだとしても完全に理解するのには何回も読む必要があるみたいだ。
実はこの難解SF小説は80年代後半に何度か映画化の企画が持ち上がっていたのだが実現には至っていない。そして1999年公開の『マトリックス』も当初は『ニューロマンサー』の映画化を目指していたみたいだ。ウォシャウスキー兄弟は何度もスポンサーに説明をしていたのだが全然 理解してもらえず結局はスポンサーが付かなかったため映画化は頓挫したとのこと
攻殻機動隊
『ニューロマンサー』の映画化は頓挫してしまう結果となったがウォシャウスキー兄弟は1995年に公開された押井守監督の『攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル』で巻き返しを図るのである。
『攻殻機動隊』もウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』に多大な影響を受けた作品で難解な内容のアニメとされながらも世界で大ヒットを記録した作品だったためウォシャウスキー兄弟は脚本のベースを『攻殻機動隊』の設定に書き換えて『攻殻機動隊』をスポンサーに見せながら『このアニメを映画化したいんだ!』という強引なプレゼンを行った事で映画化が決定することになりました。
著作権の絡みがあるため、こういった発言をすることはハリウッドでは非常に珍しいのだが押井守も『日本のアニメもハリウッド映画をパクってる訳だから…』といって笑い飛ばしたみたいだ(笑)
『マトリックス』の世界
『ニューロマンサー』をベースに『攻殻機動隊』に寄せて作られたのが『マトリックスの世界』。マトリックスの世界と言って連想されるのは緑の文字列だと思われるが…もしかすると『マトリックス』を全く知らない方にとっては設定や世界観に対し理解に苦しんでいるかもしれませんので順を追って『マトリックスの世界とは…』を説明したいと思います。
胡蝶の夢
『胡蝶の夢』とは…
中国の宋の思想家である荘子の説話
胡蝶の夢 – Wikipedia
夢の中で胡蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、果たして自分は蝶になった夢を見ていたのか…それとも実は夢で見た蝶こそが本来の自分であって今の自分は蝶がみている夢なのか区別ができないことの例え
『マトリックスの世界』とはバーチャルの世界…つまり『仮想現実』である。コンピューターによって作られた偽の現実であり『虚構』ともよべる世界。
今 私たちが勝手に思っている現実世界こそが実はコンピューターによって作られた偽の世界であったら…まさに荘子が唱えた『胡蝶の夢』のように『現実』と『虚構』が逆である可能性があるということだ。
私たちが目にしたモノや聞いた音、感じた事は電気信号が神経を伝って脳に送る事で私たちに認識させている。例えるなら この様な状態でも私たちが感じている事と同じ認識を持つことができます。
今、私が生きている世界は現実なのか…水槽の中の脳に電気信号が送られる事で仮想の世界で生かされているのか…それを証明する事はできないのだが もし作られた世界で生きているとしたら私が今 見ている物や触れている物はコンピューターによって見せられている画像や感覚という事になる。それを表現したのが緑の文字列という事である。
『マトリックス』は『現実』と『虚構』という世界観の中で描かれている作品。私たちが現実だと思っていた世界は実は作られた虚構の世界であり何者かによって生かされているという真実を知る事になる。
この世界観のベースとなったのは押井守が創った『攻殻機動隊』の世界観であり…更にそのベースとなったのはウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』の世界観だったのです。
この説明で大丈夫かしらぁ(。´・ω・)? 書いていて私も混乱しちゃいそうになるのよぉ
アニマトリックス
映画『マトリックス』をモチーフに9つの短編からなるオムニバス形式のアニメーション。マトリックスの世界観をより深く知ることができる補填的な作品となっている。
もし視聴が可能なら1作目を鑑賞した後がオススメなのだがマトリックスの世界観を知る上で人類が機械に支配されるまでを描いた『セカンド・ルネッサンス PART-1.2』をココで説明したいと思います。
西暦2090年 人類は労働の全てをロボットに押しつけ奴隷の様に扱っていました。まるで神にでもなったかのような振る舞いにロボットたちは次第に人間に対し不満を募らせていくようになってきます。
そのような中…ロボット『B1-66ER』が使役を超えて人間を殺害した罪で裁きを受ける事になってしまうのです。裁判の焦点はロボットにも公民権があるのか否か…もちろん人類はロボットに公民権を与える訳がなく…それどころか逆に排除する動きをみせてくるようになってきます。
人間からの排除を免れたロボットは人類誕生の地と呼ばれていたメソポタミアに逃げ延びロボットだけの楽園ゼロワンを建設。マシンの人工知能は人間社会にも溢れ…やがて より優れたAIが生まれる事になる。
人類とロボットはそれぞれの道を歩むかと思ったのだが人類はロボットの驚異的な生産力に恐怖を感じてしまいロボットに軍事的な攻撃をしてしまうのである。そして人類はロボットに対し核攻撃を加え戦争を終結させようとするがロボットの進撃を止めるには至らなかったのである
人類は次々とロボットに領地を明け渡す事になってしまう。人類は最後の手段としてロボットの動力源である太陽光を遮断するため大気を暗黒の煙で覆うダークストーム作戦が決行される。
一時的にロボットの侵攻は止まるが太陽エネルギーを失ったロボットは新たなエネルギー源として人間を利用することになる
人間の脳を徹底的に研究し人間が産み出す僅かな電力を動力源としたのである。人間が最も電力を生み出すには精神が安定していることが分かったロボットは精神の置き場所として仮想世界である『マトリックス』を創り出し そこで人間を管理することにした…これが第二次ルネッサンスの本質である
マトリックスの前日譚になるのよぁ。人類はダメねぇ…滅びるしかないのよぉ
救世主
機械によって支配された現実世界から人間を解放するために突如現れたのが救世主ネオ。『救世主』といって真っ先に連想されるのが『イエス・キリスト』である。
『マトリックス』の登場人物は聖書を下敷きに創られていて主人公のネオはNEO…ONEのアナグラムとなっています。The Oneは『特別な者』を意味し『神』や『救世主』という意味を表現する言葉として使われる場合があります。すでに名前からネオの運命は決定されていたのかもしれません。
さらにネオがマトリックスの世界で使っていた名前がトーマス・アンダーソン。『トマス』というのはキリストの復活を疑うも奇跡を実際に見たことで信じるようになった使徒の一人。アンダーソンというのは『神の子』という意味を持つ。
ネオを救世主だと完全に信じ切っているのが本作のヒロインでもある『トリニティ』。『トリニティ』とは聖書の中では神、キリスト、聖霊の『三位一体』を意味している。
ネオを現実世界から呼び覚ましたのが組織のリーダーであるモーフィアス。ギリシア神話の夢を司る神『モルペウス』の英語読みが『モーフィアス』となる。
主要となる人物の名前から本作がどのような物語になっていくのか想像が付きそうである。
特に名前に深い意味合いは持たせていないと思われるんだけど…要はネオを救世主と強調したかっただけだと思うわぁ
『マトリックス』を楽しむポイント
1999年に公開された作品なだけに『バレット・タイム』という画期的な映像技術が初めて使われたとはいえ…20年以上も経った現在の価値観で本作を鑑賞してしまうと普通に流してしまうのは仕方がない。
更に世界観も当時としては想像もつかない設定で画期的ではあったが…今となっては…である。ただ2003年にシリーズが完結した18年後の2021年に何故 続編を作る意味があったのだろうか…
実は新作の『マトリックス リザレクションズ』はまだ未鑑賞なのである。きっと何か深い意味があるのだと信じて『マトリックス トリロジー』3部作の考察記事を書き上げたのちに新作を鑑賞したいと思います…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『マトリックス 』を100倍楽しもう!
それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ