『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』を鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ

ライフ・オブ・デビット・ゲイル

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人がガラス越しに見るのは
     『人』ではなく『犯罪』

あらすじ

死刑制度反対論者である大学教授のデビット・ゲイルが活動団体の同僚女性をレイプした上で殺害した罪で死刑が確定し刑務所の中にいる。デビットは刑が執行される直前に人気雑誌の女性記者ビッチィーを指名し条件付きで独占インタビューを受ける許可をする。ビッチィーはデビットが服役する刑務所に足を運ぶのだが…

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2003年:アメリカ公開、日本公開
監督:アラン・パーカー
脚本:チャールズ・ランドルフ
製作:ニコラス・ケイジ、アラン・パーカー
製作総指揮:モリッツ・ボーマン、ガイ・イースト
      ナイジェル・シンクレア
出演者:ケビン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット 他
音楽:アレックス・パーカー
撮影:マイケル・セレシン
編集:ヘレン・ハンブリング
配給:ユニバーサル映画

『ミッドナイトエクスプレス』や『エンゼルハート』など手掛けたアラン・パーカーによって製作された『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』。残念ながらアランは2020年に長期間の闘病生活を送り76歳で死去。2003年製作の本作が彼の遺作となってしまった。

主演にはオスカー俳優のケビン・スペイシーを起用…『セブン』『ユージュアル・サスペクツ』のイメージが強すぎた事もあり彼が出てるだけで どんでん返しを つい期待してしまい構えての鑑賞をした方が多かったのではないでしょうか…

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女性記者ビッチィー役を演じたのはタイタニックのローズ役に抜擢され一気に世界的な大女優の仲間入りとなったケイト・ウィンスレット。

ローズの様な勝気な女性を演じる事が多く、本作でも人気雑誌の女性記者というキャリア・ウーマンで情報提供者を守るために牢獄に収監されていた経緯があるという強い女性を演じていました。

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演技派俳優のW主演の2人が挑むのは死刑制度の是非という社会的テーマを真正面から捉えたサスペンスタッチで描かれている人間ドラマ。

レイプ殺人により死刑宣告を受けた元大学教授のデビット・ゲイルをインタビューするうちに事件の裏側に隠された衝撃の事実に辿り着く…といったストーリー。

『死刑制度』『冤罪』といった社会的な問題がテーマとなっているため重苦しく堅苦しい作品と感じてしまうが…難しい話や法律の知識が必要な訳ではなく131分という上映時間すら短く感じさせる完璧なサスペンス作品となっている。

それもそのはずで脚本は哲学教授でもあるチャールズ・ランドルフが手掛けており、ストーリーは131分の映画のために書き下ろされたものであった。長編小説をムリヤリに2時間に収めた映画ではなく無駄のないストーリー展開は見ていて飽きることがない…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『ライフ・オブ・デビット・ゲイル 』を100倍楽しもう!

軍師かんべえ

テーマが死刑制度なだけに重苦しい雰囲気から躊躇していた作品だったが…意外にサスペンス要素に比重が寄っていて見やすい作品になっている。是非 見て欲しいオススメ作品の一つ。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイルを鑑賞されている方は
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死刑制度

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死刑は対象者の生命を奪い去る刑罰で『極刑』『処刑』とも表現される。

その歴史は古く文明の初期段階において刑罰の中心になっていており石器時代の遺跡からも処刑されたと思われる遺体が発見されている。中世ヨーロッパ時代までは重犯罪に限らず刑罰として死刑が適用される場合が多くあり、宗教的規範、社会的規範を破った事に対する制裁として適用される場合もあった。

20世紀中期以降になると死刑は重犯罪向けの特殊な刑罰となり、以前までは みせしめ効果を狙った残虐な執行から粛々と執り行われるように変化していった。

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私は死刑制度に関して賛成も反対もないのですが…人が人を裁くといった行為が正しい事なのか…という疑念は抱いてしまうものの、犯罪の抑止力といった意味では必要な刑罰なのかもしれません。意見を一つ聞くだけで心が揺さぶられてしまうだけに どちらが正しい事なのかは今の私には選択できませんが本作は死刑制度について改めて深く考えさせるキッカケとなった作品になりました。

死刑の目的

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ドイツの哲学者イマヌエル・カントは『刑罰は悪に対する悪反動であるため、犯した犯罪に相当する刑罰によって犯罪を相殺しなければならない』と唱えている。

まさに”目には目を歯には歯を”といったハムラビ法典のような考え方であるが…現在に於ける死刑の最もたる本来の目的は次の凶悪犯罪を生み出さないための抑止効果であると思われます。

抑止効果

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死刑の本来の目的である抑止効果であるが本当に効果が実証されているのか…に関しては統計的証拠がないというグレーな結果となってしまっている。

反対派は『犯罪の抑止効果の証拠はない』と訴えており…賛成派は『代わりになる刑が威嚇効果が十分ではない』と訴えている。

抑止効果の分析方法として地域比較と歴史的比較の二種類がある。

そもそも様々な制度や文化、教育、経済など社会環境が地域によって全然違うものであったり…時代によっても移り変わってしまうため正確な分析を取る事は非常に困難な事なのだ。

ただ分かっている事は死刑制度を廃止した事で凶悪犯罪が極端に増減した例はないとのこと。

死刑廃止運動の意味

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私は先にも述べていた通り死刑制度に関しては賛成でも…反対でもない。なぜなら私が大切にしている人が残虐な手法で命を落とす結果となった事がないから。もしかすると当事者になった時に賛成派になるのかもしれないし、敢えて反対派として目覚めるかもしれません。こればっかりは当事者になった時にしか分からないでしょうし…分かりたくもありません。

では こういった活動をしている人たちは全員が当事者なのだろうか…少なくとも映画本編に出ていた反対派も賛成派も当事者としていた方はいない。普通に考えれば当事者であるなら何も言いたくないはずである。

果たして『死刑制度の是非』について活動する意味というのはあるのだろうか…何も痛みを伴っていない人間が賛否を唱えた所で響くものだのだろうか…だから私は分からないのである。答えが出ないのである。

軍師かんべえ

死刑制度について深掘りしてしまいましたが…本編はココまで重く取り上げていませんので…

冤罪

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冤罪(えんざい)とは…
無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと

冤罪 – Wikipedia

本作は『死刑制度の是非』と共に重くテーマとして扱われているのが『冤罪』(えんざい)

死刑制度の廃止に大きく影響を与えたのが『冤罪』でもある。もちろん人道的な理由も大きな影響を与えているが人が人を裁く時に誤判の可能性もある事から死刑制度が廃止となった国家も多数存在する。

しかし『火のない所に煙は立たぬ』である。少しネタバレをしてしまうが…本作でもゲイルは元生徒をレイプしたという罪を着せられてしまう。結果として単位を落とした生徒の復讐であったことが分かるが、大学側はイメージの悪さからゲイルを大学から追い出してしまう。

もちろん社会的には犯罪ではない。合意の元でのSEXな訳だから。でも妻子がいながら元生徒に手を出したという事実は事実として残るのである。殺人が重くて、レイプが軽いという意味ではないがデビット・ゲイルという男は元生徒へのレイプと同僚のレイプ殺人という二つの罪を問われることになってしまう。

冤罪だったとはいえ社会的に抹殺されてしまった元生徒へのレイプ事件と肉体的にも抹殺されるレイプ殺人事件の罪。4日後に死刑執行が迫ったデビットが頼れる人物はインタビューの許可が貰えた女性記者ビッチィーだけなのである。果たしてビッチィーは真相に辿り着くことができるのか…

軍師かんべえ

裁判官も陪審員も人間なのだから間違いは起こしてしまう。確かに冤罪で死刑宣告されたら堪らないですよね…本当に冤罪なら…

必要な事は夢を見る事

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大学の哲学教授であったデビット・ゲイルの講義の中で『夢』は叶えることができない『非現実的』なものを対象とするべき…と彼は語っていました。

実は昔の話になるのだが人を育成する立場だった時期があったのだが、その時に講義で語っていたのが『夢は追いかける事に意味がある…目標は達成する事に意味がある』という言葉である。

つまり夢は過程に意味があり、目標は結果に意味があるという事だ。哲学教授であるデビット・ゲイルは熱心な死刑廃止論者でありながら同僚のコンスタンスをレイプした上に殺害した罪で死刑宣告を受けている。デビットが刑務所内で持った夢と目標とは…

軍師かんべえ

無駄のないストーリー展開。ただの授業風景も実は後半の伏線だったりする…素晴らしい作品である

『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』楽しむポイント

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本作は3つのパートで構成されている作品である。結末パート、現在パート、そして回想パートの3つである。

映画冒頭は いきなり結末となる一部分から始まるのである。女性記者ビッチィーが故障した車から飛び出し何かを持って全力疾走をしているのだが…彼女はなぜ走っているのか…何を持っているのか…何を慌てているのか…という謎を残したまま現実パートに戻っていくという構成となっている。

現実パートではデビット・ゲイルの死刑執行まで残り4日間という中で本人にインタビューを受けるという設定でデビットが過去について語りだすと回想パートとなり…そして結末へと進んでいく事になる。

構成的にも非常に素晴らしく、しかも強引さもないため違和感なく鑑賞できる。鑑賞前に語る事ではないが…この手の映画は鑑賞前に何かを語るとスグにネタバレとなってしまうので鑑賞前記事としては非常に難しいのである。

社会的メッセージが強く 扱っているテーマも重めではあるが決して難しい作品ではなくサスペンス要素が強いため万人向けの映画となっています…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!ライフ・オブ・デビッド・ゲイルを100倍楽しもう!

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それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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