『レオン 完全版』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『レオン 完全版』
徹底解析 完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ

本記事は『レオン 完全版』の感想レビューとなっておりネタバレが含まれております。本編未鑑賞の方は予備知識編『100倍楽しもう』の記事をご確認の上で再度お越しください。

レオン 完全版

1994年:フランス、アメリカ、日本公開 
監督・脚本:リュック・ベッソン 
原作:サイラス・マーナー
製作:パトリス・ルドゥー 
出演者:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲーリー・オールドマン 他 
音楽:エリック・セラ 
主題歌:Sting『Shape of My Heart』 
撮影:ティエリー・アルポガスト 
編集:シルヴィ・ランドラ 
製作会社:レ・フィルム・デュ・ドーハン 
配給:フランス ゴーモン
   アメリカ コロンビア映画    
   日本 日本ヘラルド映画

1994年リュック・ベッソンがハリウッド進出した初作品が『レオン』。当初は作成する予定ではなかった…という話は予備知識編で書かせてもらったが即席に作った作品ではあるが20年以上経った今でも名作と呼ばれているのはジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン3人の素晴らしい演技によるもので、個人的な意見となるがストーリーに関しては本当に即席で作ったと呼べる内容。これは監督であるリュック・ベッソン自身も納得していて3人の役者をセッティングしてくれたキャスティング・ディレクターにエンドクレジットで真っ先に表示するという事で感謝の意を表している。役者の演技力だけで名作と謳われるまで引き上げられた作品…それが『レオン』である。

そして『レオン』をココまで語り継がれる作品としたのは…良くも悪くも当時12歳というナタリー・ポートマンの存在である。『刺激的すぎる』『不健全』といった批評が出てきたように裏社会で生きる暗殺者と12歳の少女の禁断の恋物語がベースとなっている上にナタリーの美貌が12歳とも思えないほどで…世間ではとんでもない美少女が現れたと社会現象になるほど。それだけ話題になった事が要因となり『レオン』は『ロリータ映画』という不名誉な評価も受けることになる。『レオン』を愛するファンからすれば『いや!これは純愛だ!』と訴えたかったのかもしれないが…監督のリュック・ベッソンが後に純粋なロリータであった事が発覚してしまうのである。

リュック・ベッソンは『ニキータ』で主演を務めたアンヌ・パリローと結婚をしていたが離婚。レオンの序盤でコール・ガールで出演していたマイウェン・ル・ベスコと再婚し娘をもうけたが離婚。そしてフィフス・エレメントでヒロイン役を演じたミラ・ジョボヴィッチと結婚したが離婚。そして現在は映画プロデューサーのヴィルジニー・シラという女性と結婚をしている。ちなみに最初の妻のアンヌとは15歳の時に…2番目のベスコの時は16歳の時に…ミラ・ジョボビッチが当時何歳だったかは不明だが

明らかに美少女といった感じである。これは逃れようのないロリコンだったという事実が付きつけられてしまった。ココまで知ってしまうと『レオン』という作品が純愛だったのか?という点で疑念が生まれてしまうのだが…今となっては名作映画として一人歩きをしてしまっているだけに…この事実は僕の心の中にだけ閉まって…ってバラしてしまっているが…まぁ有名なエピソードでもあるので今さら感ではある…といった様にココでは『レオン 完全版』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください。

軍師かんべえ

2番目の奥さんとなったル・ベスコは後に映画監督となり売春、誘拐、虐待などの犯罪から未成年を守る『パリ警視庁:未成年保護部隊』を製作。元旦那ベッソンの当てつけ?(笑)

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根なし草

根なし草とは…
地中に根を張らず、水に浮いている草。浮き草。浮き草のように漂って定まらない物事や、確かなよりどころのない生活のたとえ。

根無し草(ねなしぐさ)の意味 – goo国語辞書

『親友なんだ…無口なのがいい。根っこのないところが俺に似ている』
『大地に植えてあげれば根が張るわ』

殺し屋としてアメリカに渡ってきたレオンは誰とも接点を作らずに暮らしてきた。ニューヨークの街を出る事はなかったが一か所に定着せずにニューヨークの中で転々と渡り歩いていたのだろう。これはプロの殺し屋として至極当然な行動だと思われる。だからこそレオンは地面に根を張らない観葉植物を自分と似ていると表現したのだろう。そのレオンの言葉に対しマチルダは『大地に植えてあげれば根が張るわ』と答えている。しかしレオンだけでなくマチルダも根なし草という表現がされていた事におきづきだろうか?

冒頭でレオンとマチルダが初めて出会うシーンでマチルダは階段から足を出してブラブラさせていました。家族と一緒に暮らしているが父からは虐待を受け、継母と姉とは相性が合わない…いつかこの状況から抜け出したいと願っている…という自分は今、宙ぶらりんの状態である事がこのシーンで分かります。

警察に捕まったマチルダを救出するためレオンが警察署を襲撃。無事に保護をして抱え上げたシーン。これはマチルダの告白に対しレオンが『共に生きて行こう…』という答えを出したと捉えている。根なし草として生きてきたレオン同様にマチルダも同じ世界で生きていくという決心が伺えるシーン。

ラストシーン

ラストでマチルダが観葉植物を学校の庭に植えるシーンで色々な考察が飛び交っています。『レオンとの決別』といった意見もあれば、『レオンの望みを叶えた』という意見もある。私の考察としては『レオンの望みを叶えた』ではないかと考えている。すこし深掘りするとレオンがマチルダを逃がす時に語ったセリフがラストシーンに繋がっているのではないでしょうか。

『マチルダ…君は僕に生きる喜びを与えてくれた。ベッドで寝て大地に根を張って暮らしたい。決して君を独りにはさせない』

この言葉はレオン自身が…というよりマチルダに『根なし草』になるのではなく『しっかりと大地に根を張って生きて欲しい』という願いを込めたメッセージだったのではないでしょうか。そしてあの観葉植物はレオンではなく…マチルダを表していたのでしょう。そしてマチルダはレオンの望み通りにしっかりと根を張り生きて行く事を決意し自分でもある観葉植物を土に植えたのではないでしょうか…

軍師かんべえ

あの観葉植物はレオンではなくマチルダを表していたのだと…考えれば、あの異様なまでに大切に扱っていた理由が分かりますよね

レオンという男

ニューヨークで孤独に暮らす暗殺者レオンを演じる時にジャン・レノが特にこだわっていた事が少女マチルダとの対比という立場をとる事だったらしい。12歳という子供ながらレオンに語り掛けてくる言葉は大人びた女性そのものだったマチルダに対しレオンが渋い声でハードボイルドな感じだったら…かなり痛い作品になっていたかもしれない。単なる少女をたぶらかす変態オヤジ映画に…吹き替え版だと分かりにくいがジャン・レノは少し知的障碍者のような感じでレオンを演じている。これは大人びたマチルダとバランスをとったもので…レオンが子供染みた感じでいたからこそ、この歳の差恋愛は成立していた。まさにジャン・レノのファインプレーといっても過言ではない。

暗殺者としては弱くなってる

序盤でみせたレオンの暗殺シーン…まさにシティーハンターの冴羽遼のように神出鬼没に現れ…一切の無駄のない動き…そして何人いても動じないメンタル…確実に仕事をこなしていく…まさに暗殺のプロ。しかしレオンはマチルダと出会う事で人間らしい感情が芽生えてしまう。守るべきものが一つ増えたのである。『愛すべき者ができる』これは人間として大きく成長する要因になってくるが…暗殺者としてはどうだろうか。実際にマチルダという存在はレオンにとっての弱点となっている。その弱点をつかれ最後はスタンスフィールドと自爆してしまうが…果たしてレオンにとって『死』という結末はバッドエンドだったのだろうか…私はそうは思わない…

軍師かんべえ

おそらく強いレオンのままだったら…難なくスタンスフィールドを滅していたのでは?

完全版

劇場で公開された当初のオリジナル版は12歳マチルダの描写が『刺激が強すぎる』『不健全』という声が挙がり3つのシーン(22分間)をカットする事で劇場公開される事になった。もちろん監督が込めたメッセージ性が高いのはカットされたシーンを付け足した完全版の方である事は間違いない。では22分間の未公開シーンが付け加えられたことで『レオン』の印象がどう変わってしまったのか…ここで解説していきましょう。

訓練シーン

レオンがマチルダを実際の現場に連れていき暗殺者としての訓練をしているシーン。『一発目で動きを止めて二発目でトドメをさせ!』であったり生々しいという事でカットされることになった。倫理的にはいかがなものなのか?と思ってしまうのは理解できるのだが、やはりこのシーンが入る事でレオンとマチルダのそれぞれの決意というものが表現されている。裏社会で根を張らずに生きて行くんだ…という二人の心が映し出されたシーンであった。

飲酒シーン

マチルダの初仕事を記念して高級レストランで食事をとっているシーン。もちろん12歳の少女がシャンパンを飲むという飲酒行為が不適切という点でカットされているのだが…それだけではなくマチルダがレオンにキスをせがんで顔に近づくシーンの方が引っ掛かったのだと思われます。これは次の告白シーンとも被るのだが大人びたマチルダの行動に対し子供染みた反応しかできなかったレオンという図式がココで表現されている。積極的なマチルダのシーンが入っているか…いないかで二人の関係性の印象がガラリと変わってしまうのである。恋人のような関係なのか?親子のような関係なのか?

告白シーン

マチルダがレオンと初体験をしたいと告白するシーン。言わずもがなカットされた理由は説明不要だと思われる。しかも撮影現場では次に本当にSEXシーンを撮ろうとしていたらしいが…ナタリーの母親が『ふざけるな!』と必死に抵抗したため撮影は中止され脚本がレオンが断るという展開に書き換えられたとの事(笑)さすがロリコン監督のリュック・ベッソン。濡れ場シーンが実際に映画の中であったか…なかったは別として…このシーンを入れた事で完全に二人は体の関係を持った特別な存在になった…と考えてもいいのではないでしょうか。

確かに倫理的に考えれば『不適切』とも言えるシーンではあるが…『レオン』という作品を小学生が見ますか?というと疑問が出てくる。見ないともいえないのでカットされたのでしょうが…やっぱりこの22分間があるとないとでは印象がガラリと変わってしまう。私個人的にはオリジナル版は親子愛のように見えて何か普通の感情しか湧かなかったのだが…完全版では二人の関係が恋人のように見えて何か悪い事をしているような背徳感が感じられてしまった。どちらが心を揺れ動かされたかは明白ですが人によっては完全版を不愉快と捉える人の気持ちも理解できます。

軍師かんべえ

確かにナタリー・ポートマンが黒歴史にした理由が何となく分かります。これは自分の子供には見せれませんよねぇ。

総括

レオンは真実の愛を手に入れるも最後は爆死したことから本作をバッドエンドとしている人が多数いますが…もちろん映画は色々な考察が飛び交うものなので異論を唱えるつもりはありません。しかし私の感想としてはマチルダと出会う事で暗殺者としては弱くなったかもしれないが人間としての喜びや悲しみ…そして愛するという事は…という意味を知れたのは幸せであったと解釈しています。もしマチルダと出会う事なく…愛を知らずにトニーの持ってくる暗殺の仕事だけをこなしていった先に何があったのか…実は映像化されていました。

トニーが経営するレストランの片隅にいつも座っている謎の老人。あの姿こそがレオンが愛を知らずにトニーの仕事だけをこなしてきた未来の姿だったのでしょう。果たしてあの老人は長生きしているのかもしれないが幸せな人生を送ったといえるのでしょうか?私にはそうは見えませんでした。しかしレオンがマチルダと共に生きることを決意してからは…あの老人が店から消えてしまいます。だからこそ『レオン』はハッピーエンドだったと私は思っています。最後にトニーは善人なのか?それとも悪人なのか?まぁマフィアのボスをやっているので善人ではないでしょうが少なくてもレオンの貯めたお金を出し渋っている悪人ですよね…って事でオツカレっす!

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