『スタンド・バイ・ミー』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『スタンド・バイ・ミー』
徹底解析 完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ

本記事は『スタンド・バイ・ミー』の感想レビューとなっておりネタバレが含まれております。本編未鑑賞の方は予備知識編『100倍楽しもう』の記事をご確認の上で再度お越しください。

スタンド・バイ・ミー

1986年:アメリカ公開 1987年:日本公開 
監督:ロブ・ライナー 
原作:スティーヴン・キング『THE BODY』 
脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン 
製作:ブルース・A・エヴァンス、アンドリュー・シェインマン 
出演:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン
   ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド 他 
音楽:ジャック・ニッチェ 
主題歌:ベン・E・キング『スタンド・バイ・ミー』 
撮影:トーマス・デル・ルース 
編集:ロバート・レイトン 
配給:コロンビア映画

1986年青春映画の最高傑作と称される『スタンド・バイ・ミー』。監督はロブ・ライナーで後にスティーヴン・キング作のサスペンスホラー『ミザリー』の監督も務めている。原作はモダンホラーの巨匠とも呼ばれるスティーヴン・キングの短編集『恐怖の四季』の秋の物語『BODY』が題材。4人の少年が青年になる前の最後の夏休みに40kmほど離れた場所に冒険する物語。冒頭は語り手となる40代の男が『弁護士クリス・ベンチャーズ刺殺される』という新聞記事を見つめながら想いにふけているシーンから物語は始まっていく

この男こそが主人公ゴーディ少年であり彼の想い出が本編の中で語られる…といった構図となっている。つまり彼が語り手となるわけだが…物語のラストで彼が小説家だという事が分かり自分が体験した少年時代のエピソードを小説として完成させた…というオチで物語は終わる

映画や小説の中では『信頼できない語り手』という技法がある。『叙述トリック』とも呼ばれ語り手の信頼性を著しく低いものにする事により読者や観客をミスリードしたりするものである。大ドンデン返しを狙った映画や小説などでよく使われる技法なのだが…青春映画の最高傑作とも謳われた『スタンド・バイ・ミー』でこの技法は必要だったのか?そもそも大ドンデン返しというオチではない本作で何故『叙述トリック』を使う必要があったのか…それは監督ロブ・ライナーのメッセージが隠してあったからです…といった様にココでは『スタンド・バイ・ミー』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください。

軍師かんべえ

この映画を大好き!といった方には幻滅させるような記事になるかもしれませんのでご了承ください。

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承認欲求

『他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい』という願望。子供が親を困らせるような事をするのは自分と言う存在を見て欲しいという現れなのだが…この欲求は親だけではなく社会や大人といった、しっかりと自立した人や仕組みなどに認められたいという願望なのである。つまり『承認欲求』を強く求める者は自立できていない子供と比例しているとも言えます。ゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人は『英雄になれるかも』という動機から冒険が始まるのだが…まさに出発点は『承認欲求』を求めた自立できていない子供でした。だから秘密基地のツリーハウスでは大人の真似をしている様にタバコをスパスパ吸っているシーンが多く使われていました。あれは背伸びをしている子供を演出していたんでしょうね。

ゴーディ

優しかった兄の死がゴーディを苦しめることになった。アメフトの有望選手として将来を期待されていた兄が交通事故で亡くなってしまう。兄の死は家族の歯車を狂わせてしまう事に…ゴーディは自分が死んだ方が良かったのでは…とさえ思い誰にも相談できずに過ごしてた。彼は小説家になる夢を持っていたが唯一兄だけが才能を認めていたのだが…そんな兄はもういない。そんな悩みを抱きながらゴーディは冒険に出るのである。

テディ

大きな眼鏡と耳の大火傷が特徴のテディ。戦争によりPTSD(心的外傷後ストレス障害)になった父親から虐待を受け視力を落とし眼鏡をかける事に…耳の大火傷も父親からの虐待という事が語られるのだが…まったくどういった親なんだ…と全員が思ったはず。しかし何故かテディは父親の事を『強くて勇敢な男』という謎のリスペクトをしている。これは…もうこう思うしかやってられない…というSOS的なものだったのかもしれない。テディは所々でクレイジーな事をやっているのも限界に既に達している自分をアピールしていたのかもしれません。

バーン

4人の中で家庭環境がまともなのはバーンだけなのかもしれない。親の愛情もしっかりと受けていると思われるだけに逆にこの4人の中に入ると異質と感じられたのかもしれません。だからこそバーンは友人からの『承認欲求』を求めていました。いじられキャラは彼が4人の中でバランスよく存在できるために彼が創り出したキャラだったという事ですね

クリス

4人の中でリーダー的存在のクリス。『あそこの家は…』と町中から思われているためクリス自身も卑屈になっている。給食費を盗んだ事件も担任でもある大人に罪をきせられ…『真実をいった所で誰も信用してくれない…』と塞ぎこんでいた。しかし彼はものすごく正義感が強く友達想いで理想の友人像である。彼は社会から認めて貰いたいと思っていたのかもしれませんね

軍師かんべえ

4人がそれぞれの悩みの中で生きていて…それを認めて貰いたいと思っていた。そんな4人が冒険の中で何に気付いたのか?

敷かれたレール

『スタンド・バイ・ミー』の特徴とも呼べるのが線路の上を歩いて冒険をする4人。子供の頃はスゴく憧れたもので 実際に線路の上を歩くと…ホントに殺されるのではないか?と思うほど大人に怒られてしまう(笑) そんな話はさておき、この線路を歩くというカットを見るだけでもワクワクが止まらない人って多いんじゃないですか?なんか冒険が始まる…といった感覚に陥ってしまうような気分になるのだが…実は線路というものは誰かによって敷かれているものであり自分の意思ではない…といったメタファーとしてよく使われていたりする。ゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人も冒険とはいえ初めは誰かによって敷かれたレールの上を歩くところから始まっていくのである。

恐怖とは

敷かれているレールの上を歩く冒険とはいえ そこには子供たちにとっては大きな壁となる障害が待ち受けていた。おそらく殆どの少年たちが恐怖の対象となるモノである。『犬』『高い所』『闇』『きん〇ま』。今となっては犬は大好きな動物なのだが子供の時って近所で飼われている『よく吠える犬』をどうクリアしていくか…という事に悩まされる時期がある。おそらく全世界の子共の共通の最初の恐怖は『近所の犬』ではないでしょうか…そして本作の最も有名な列車に追いかけられるというシーン。陸橋という高い所という恐怖。そして野宿をした時に闇の中から聞こえる得体のしれない動物の鳴き声。まさに子供たちが思わず涙目となってしまう恐怖体験がそこにはある。そして最も怖いのが少年にとって神聖とも呼べる領域を怪我されてしまう事…『きん〇ま』である。普段は雑に取り扱っているのだが少年の最大の弱点であり…例えるならDB悟空のシッポみたいなもの。ココをヒルに血を吸われるという事はドラキュラに十字架を向けているようなもの…この恐怖というものは大人になるための通過儀礼みたいなもので敷かれたレールの上で経験できる貴重な体験である

ショートカット

誰かによって用意されていたレールの上を歩く冒険から 遂には線路から飛び出しショートカットをしていく…これこそが4人が少年から大人へと成長していく第一歩として表されたメタファー。もちろん何が待っているのかは分からない、もしかしたらショートカットにならないかもしれない、宝物があるのかもしれない、筋書にはないのだから予想すらできないのである。しかし必ずといって経験というものが手に入る。彼らは他人の評価に惑わされる事なく自分の足でしっかりと歩く術を手にいれたのである。

未来を掴むクリス

クリスは給食費の事件の事を誰にも言えずに一人で悩みを抱え込んでいた。彼は自分の家庭環境から抜け出す事はデキない…と考え『自分の事を誰も知らない町で暮らしたい』とさえ訴えかけ諦めかけていた。しかしクリスはこの冒険を通じて他人に惑わされる事なく自分の足で歩く術を手に入れたのである。クリスは進学コースに進み見事に弁護士となっている。この貴重な冒険での経験が彼を一つ高いステージに押し上げるキッカケとなったのでしょう。

軍師かんべえ

可能性を広げているのも…限界を作っているのも…結局は自分自身だったという事ですね。

世界の不条理エース

人口1281人のキャッスル・ロックという小さな世界で少年たちを恐怖のどん底に落としているのがエースという青年。通称ヤンキーである。1281人の中で少年・青年の男の子が何人いるのか…100人くらいか?となった時に 多いとか少ないとかは関係なく それこそが少年たちの世界なのである。その世界を牛耳っているのがジャック・バウ…いやエースという青年。彼のバックボーンが語られる事はないが彼もまた『承認欲求』を願っている一人なのは間違いない。だからこそ高校生になっても子供染みた事をやっています。彼の存在はゴーディとクリスの成長を図る上でいいモノサシとなっていました

お前だけを狙ってる

冒険前にエースに絡まれた時は呆然と見ることしか出来なかったゴーディだが後半ではしっかりとピストルを構えエースに立ち向かっている。これこそが成長の証で不条理な事から真正面から戦える正義の心と勇気を手に入れたシーン。『こんなにいるんだぞ!全員を撃つきか?』の問いに『いや…エースだけだ』と…この後どれだけ殴られても 確実にエースだけは撃ってやる…という心意気。

軍師かんべえ

さすがのジャック・バウアーもビビりましたね。

死とは…

この冒険の目的でもある少年の死体探し。ただ4人が死体を目の前にした時に『生きる』という事『死』という事を学んだに違いない。人は『死ぬ』ために生まれてきたのではなく…『生きる』ために生まれてきたのである。必ず人生のゴールは『死』という終焉を迎えるが…そこまでの道のりをどう過ごすか…が大切であり、まさしく人生という道のりを歩く『生きる』というテーマが本作に存在していた。ゴーディは少年の『死』から現実として受け止められなかった『兄の死』を認識させられることになった。止まっていた時間が動き出したかのように…

軍師かんべえ

4人は『英雄』になるために少年の死をr利用してはいけない…と思い 匿名で警察に連絡している。

真実の中の嘘

ラストシーンで大人になったゴーディが小説の締めくくりとして『あの12歳の時のような友だちは もうできない…もう二度と…』とワープロに打ち込んでエンディングとなっていく。ここで少年ゴーディは目指していた小説家になれたんだと明かされるのだが…原作者のスティーヴン・キングが語るには作家という者は真実を語る時にウソ(フィクション)を散りばめながら語ってしまう。そしウソ(フィクション)を語る時に真実を散りばめながら語ってしまう…だから何が真実で、何がウソ(フィクション)なのか区別がつかなくなってしまう…と

主人公ゴーディは原作者キングを投影したものなのだから…本作で語られた『死体探しの冒険』の中にも真実とウソ(フィクション)が混ざり込んでいたのかもしれない…そもそも殆どがフィクションで少しだけ真実を散りばめられた可能性だってある。どれが真実でどれがウソなのか…これはキングしか分からないのかもしれません。

左側の画像は冒険の夜に『ブタケツのパイ喰い競争』の話をしてウケた時に見せた表情。右側がラストのシーンで小説の最後の締めとして『あの12歳の時のような友だちは もうできない…もう二度と…』が思いついた時にでた表情。この二つの表情って似てませんか?おそらくゴーディは何か面白い事がイメージできた時にこういった表情を見せるクセがあるのかもしれません。だからこそゴーディは『信頼できない語り手』となる訳です。

消えるクリス

冒険が終わり それぞれが分かれるシーンでクリスは幽霊みたいにスッと消え去る演出がされています。この演出こそが この物語はゴーディが体験した真実がベースではあるがフィクションですよ…という表れだったのだと思います。

軍師かんべえ

じゃあ何で監督のロブ・ライナーはこんな隠れ要素を入れたのか?は総括にて…( ̄▽ ̄)

総括

この物語がゴーディによって作られたフィクションなのか?それとも真実なのか?は置いておいたとしても青春映画の最高傑作という評価には変わりがない名作中の名作。リバー・フェニックスが演じるクリスという少年は原作者スティーヴン・キングが少年時代にこんな親友がいたら良いな…が具現化したイマジナリーフレンドであったらしい。確かにカッコよすぎる。もし僕が少年時代に『君には才能がある…君の親がやらないのなら僕が守ってやる!』なんて言われたら腰が砕けてしまうだろうなぁ…(笑)こんな名言も生れる作品『スタンド・バイ・ミー』だが監督のロブ・ライナーは隠し要素として この物語は主人公ゴーディが体験した真実をベースに作り上げたフィクションである…という設定を臭わす程度に表現している。では何故?そういった演出をしたのか…それは『大人になる』という真実を表現したかったからです

少年ゴーディは『英雄』になるため少年の死体を利用する事はやめようと決断し匿名で警察に通報している。この考えこそが少年の考え方なのである。しかし大人になったゴーディは少年時代の親友のクリスの死を題材に小説を書き上げている。そして完成間近に『素晴らしいデキになった』と言わんばかりの表情を浮かべています。これこそが大人の感覚なのです。予備知識編でも書いたが本作は子供には突き刺さりにくい映画と書きました。それは…まだ『少年時代』を失っていないから。この作品の本当の意味を理解できるのは40代になってからかもしれません…最後にリバー・フェニックスってジョーカーのホアキン・フェニックスのお兄さんだったんだ…とマジで今、知りました…って事でオツカレっす

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