『パンズ・ラビリンス』を100倍楽しもう
おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人『軍師かんべえ』です。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!
『パンズ・ラビリンス』を既に鑑賞されている方は
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目次
パンズ・ラビリンス
『だから少女は幻想の国で永遠の幸せを探した…』
2006年:スペイン、メキシコ、アメリカ公開 2007年:日本公開 監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ 出演:イバナ・パケーロ、セルジ・ロペス、アリアドナ・ヒル他 【受賞】 第79回アカデミー撮影賞、美術賞、メイクアップ賞 2006年カンヌ国際映画祭正式参加作品 2006年全米映画批評家協会賞 2006年ニューヨーク批評家協会賞 2006年ロサンゼルス批評家協会賞 2006年英国アカデミー賞4部門受賞 2006年ゴヤ賞7部門受賞 2007年ヒューゴ賞
鬼才ギルレモ・デル・トロが『ナルニア王国物語』のオファーを断ってまで撮りたかったのが『パンズ・ラビリンス』。内戦後のスペインに生きる幸薄な少女が架空の世界を作り出すダークファンタジー物語。ジャケットだけを見て鑑賞してしまうとダークな部分のギャップにやられてしまう衝撃的な内容となっており、特に印象的だったのがトラウマ級のペイルマンというキャラは日本の妖怪『手の目』がモチーフとなっていており…このペイルマンにやられた方はかなり多いはず
映画の試写会でペイルマンを見た巨匠スティーヴン・キングが恐ろしさに身を震わせていた…という姿を見たギレルモ監督は『オスカーを取る事に匹敵する』と語っていたという。ギレルモは元々は特殊メイクや造詣の会社を立ち上げていた経緯がありクリーチャーと呼ばれる伝説上の生き物を映像化するこに関しては映画界の中でもTOPクラスの監督
少女オフェリアが創り出したダークな世界…そして目を背けたくなるような現実世界の2つの世界が並行して展開していく『パンズ・ラビリンス』。少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!
ファンタジー系とはいえPG-12指定されているだけに残酷描写が多々あります。これってPG-12でよく収まったなぁって感じですね
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牧羊神PAN
少女オフェリアが創り出した架空の世界で深く関わってくるのがパンという門番。タイトルのパンズ・ラビリンスとは『パンの迷宮』という意味でパンとはギリシャ神話で登場する牧羊神パーンからインスパイアされている。ただ本作で登場するパンの見た目は異様な雰囲気を醸し出していてとても牧羊神と思えない不気味さがある。それもそのはずで牧羊神と同様に羊の頭を持つ悪魔のイメージも組み込まれているとの事で実はギレルモが子供の時に祖母の家で実際に目撃したらしい…こんなのを子供の時に見たらトラウマ確定してしまいますよね。
普通に怖いですよね…こんなんが暗闇からやってきたら…
スペイン内戦
物語はオフェリアが創り出す架空の世界パートと現実パートの2つの世界が並行して進んでいきます。過酷すぎる現実世界から逃げ出すために架空の幻想世界を少女オフェリアは作り出すのですが果たして2つの世界に繋がりはあるのか?
現実世界では1944年のスペインが舞台となっている。この頃は第2次世界大戦が佳境に入ってくる時代でノルマンディ上陸作戦のこの後に行われるという背景となっている。ただスペインに関しては1936年から1939年の間に発生したスペイン内戦の影響で1944年も内政はゴタゴタしていて劇中でも登場するが小規模のレジスタンス(革命軍)が至る所で活動を繰り返していた。
過酷な現実世界
スペイン内戦で父親を亡くしたオフェリア…母と娘2人で生きていくには余りにも過酷な時代で母親のカルメンは独裁政権陸軍のビダル大尉と再婚をする。カルメンのお腹の中には子供を宿していた。ビダル大尉は父親の元で子供を産んでほしくカルメンとオフェリアを砦に呼び寄せるが…ビダル大尉が興味を寄せていたのはお腹の中にいる子供だけで母親とオフェリアには冷たくあしらっていた…世界情勢といい…オフェリアが取り巻く環境といい…過酷な現実世界で彼女が望んでいたものとは…
現実パートと幻想パートはどっちがメインだったのでしょうか?
迷宮と迷路の違いつの
特に物語の進行とは関係ないのだがタイトルになっている『パンズ・ラビリンス』の『ラビリンス』とは…『迷宮』という意味となる。そして迷宮に似た言葉で『迷路』という言葉があるが…『迷宮』と『迷路』は混同されている事が多いのだが決定的な違いがある事は余り知られていない。
「迷宮」とは「迷路」と違って枝道や行き止まりのない一本道。ただし一見してそうとは見えないほど複雑に曲がりくねっている。さらに「迷宮」には中心があり多くの場合、そこには何かがある(または、いる)。
迷宮と迷路の違い: SilverFish Files
迷路と違い1本道をクネクネと曲がりながら中心を目指していくのが迷宮の定義となっている。つまり迷っている感覚に陥ってしまうが決して迷う事がないのがラビリンスという事になる。後は突き進むか…引き返すかが選択肢としてあるだけ。『パンズ・ラビリンス』でもオフェリアはラビリンスの中では突き進んでいくのか…引き返すのかの選択に迫られる所なんかはラビリンスの定義通りになります。
『パンズ・ラビリンス』を楽しむポイント
『ハリーポッター』や『ナルニア王国物語』といったファンタジー映画のイメージを持たれて鑑賞されたら少々痛い目にあってしまうほどホラー要素が強いダークファンタジー映画。キラキラ輝いている部屋で少女が遠くを眺めている…そして横には妖精らしき者が…絶対にメルヘンを感じてしまうジャケはもしかしたら監督の狙いなのかもしれない。普通のファンタジー映画では物足りないといった方には是非オススメの作品で並行していく2つの世界で何が行われるのか?といった考察をしたい方にもオススメの作品。そして最大の考察がラストに控えている…果たしてオフェリアは救われたのか?救われなかったのか?あなたはどう感じるのでしょうか
それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ