『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』を100倍楽しもう

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今回の作品はコチラ!

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

2019年:アメリカ公開 (2020年:日本公開)
監督:ライアン・ジョンソン
主演:ダニエル・クレイグ

監督ライアン・ジョンソンが脚本まで務めた完全オリジナル・ミステリー作品 『アガサ・クリスティーの小説を思わせるようなミステリーを撮ってみたい』という発言から生まれたのが『ナイブズ・アウト』

~あらすじ~
世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーは85歳の誕生日の翌朝に遺体として発見される。名探偵ブノワ・ブランは匿名の人物から捜査依頼を受ける事になる。誕生日パーティーに参加していたハーランの家族や家政婦・看護師…と屋敷にいた全ての人物が第一容疑者。調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく…

『ナイブズ・アウト』既に鑑賞された方はコチラの鑑賞後レビューへ…どうぞ!

王道ミステリー作品

如何にもな豪邸で…如何にもな大富豪が…如何にもな死に方をして…如何にもな探偵が現れる…ミステリーファンなら『何回も見たよ!』と呟きそうな『超ベタベタな設定』なのだが唯一無二の展開が繰り広げられる『新感覚の王道ミステリー』

舞台はホームズやポアロが出てきそうな1900年序盤の雰囲気はあるのだが時代設定は現代。10代の頃から根っからのアガサクリスティ信者だった監督ライアン・ジョンソンはアガサの世界観を本作に多く詰め込んでいる。アガサといえば『オリエンタル急行殺人事件』や『アクロイド殺し』などの派手なトリックを連想してしまうが実は彼女が最も得意としたのが読者を『ミスリード』させる技術。『もの言わぬ証人』をググっていただければアガサクリスティーの特徴を理解しやすいのではないでしょうか…

『ナイブズ・アウト』のタイトルの意味は?

『Knives Out』を和訳すると『向けられた刃』となる。Knivesとなので複数形。つまり『向けられた多くの刃』まさしくコレ

亡くなったハーランの作品『1000の刃』をモチーフに作られたオブジェ。中心に向かって1000本のナイフが並べられています。このオブジェの前で登場人物達が紳士探偵ブノワ・ブランによって事情聴収を受ける事になります。このナイフが意味するものは?是非皆様の目で確かめてみて下さい。

クセの強い登場人物

『007』のジェームスボンド役のダニエル・グレイグが名探偵として殺人事件を解明していく本作は他にも豪華キャストが結集。少なくとも日本のサスペンスの様なキャスティングだけを見て大場久美子が犯人と分るみたいなメンバーではない事はお分かり頂けるのでは…どいつもこいつもクセが強すぎる上に主要メンバーは13人と非常に登場する人物が多すぎる。探偵ブノワと亡くなったハーランを除いた11人全員が第一容疑者。ここでは鑑賞中に混乱しないよう簡単に登場人物の説明をしてみましょう

名探偵ブノワ・ブラン

彼の生い立ちはアメリカ南部の出身で亡くなった父が刑事だった…という点だけ。この作品がシリーズ化すれば詳しい情報が次々と明かされそうではある。理屈や感情より事実を重んじる捜査方法で真実を突き止める合理的主義タイプの探偵。過去にはテニス殺人事件を解決して『最後の紳士探偵』と世間では呼ばれている

ミステリーの巨匠ハーラン・スロンビー

貧しい中でタイプライター一つで誰もが知る有名ミステリー作家になる。代表作は『1000の刃』『女と銃』『小さい子豚』『THE NEEDLE GAME』など。彼の資産は6000万ドル(日本円で約63億円)で更に最も価値があるのが出版社の独占所有権。彼の相続を一部でも受けるという事は多額なお金が入ってくる…これだけでも家族全員には十分と言える動機があることが分かります。ハーランはお金を手に入れた代わりに家族に対し疑心暗鬼になっており心を開いていたのは孫のランサム専属看護師のマルタのみ。特にマルタには家族の事情を事細かく相談している。本編と関係はないがハーランは85歳で亡くなっている。そしてアガサクリスティーも85歳で亡くなっている。

ワネッタ・グレートナナ・スロンビー

世界的有名ミステリー作家ハーランの実の母親で年齢は誰も知らない…という設定。ただハーラン自身が85歳と分っているので少なくても100歳は超えていることになります。高齢のため本作ではジッと座っていてセリフも少なめのため痴呆が出ているのか正気なのか…も分からない謎キャラ

リンダ・ドライズデール

ハーランの長女でリチャードと結婚した事でドライズデールの名になっている。女ながら不動産会社を経営『父の手は借りずに0から自分の会社を設立した』と豪語している。気が強く、竹を割ったような性格で、かなりの神経質。問題児の息子ランサムには既に愛情がないのか無関心。

リチャード・ドライズデール

ハーランの長女リンダの夫。立場的にはリンダが設立した不動産会社に勤めていることとなっている。つまりハーランとリンダには頭が上がらないマスオさん状態。もしリンダと離婚となれば彼には何も残らない…断崖絶壁にいるよな立場である。

ヒュー・ランサム・ドライズデール

長女リンダとリチャードの息子でハーランの孫。祖父であるハーランとは何かと衝突して喧嘩を始めるが何故かハーランはランサムを家族の中では一番可愛がっている。彼は一家の中の問題児で一度も働いたことはなく祖父の金で贅沢三昧な生活をしている。ただ祖父譲りなのか感が鋭く知性も高い上に行動力もある。この能力が違ったベクトルに向けば大成するのでは…

ジョニ・スロンビー

亡くなった長男ニールの妻。スキンケア会社『フラム』を経営しているが作中では語られていないが、あまり上手くいっていない様子。養父ハーランから娘の学費と自分の小遣いを援助して貰っている事から想像できます。夫が亡くなったのだが何故か一家の輪の中心に居ようとするため家族の中では浮いている存在。ただインスタのインフルエンサーみたいで何かしらの魅力は持っていそうなのだが…彼女もベクトル違いで明後日の方を向いているのかもしれません。

メーガン・メグ・スロンビー

亡くなった長男ニールとジョニの娘。祖父のハーランの援助で大学に通っている。年齢が近い事もありハーランの専属看護師のマルタとは連絡を取り合っている仲。

ウォルター・ウォルト・スロンビー

ハーランの次男でハーランが経営している出版会社『ワインの血』で勤めている。作品を映画化しようと試みるがハーラン自身が反対をしているため彼自身は会社の中で何も成果を出していない事に焦っている様子。作中で語られる事はないが脚を怪我していていつも杖をついている。

ドナ・スロンビー

次男ウォルターの妻。一応11人全員容疑者となっているが…ほとんど出番のない彼女は間違いなく。いたか?そういえば…いたな…のレベル

ジェイコブ・スロンビー

次男ウォルターとドナの息子。いつも携帯をいじっている現代っ子でネットで政治活動を行っているネトウヨ。本人を目の前にすれば何も言えないウジウジ型の人間だがネットの中では痛烈な批判を書き込んでいるタイプの少年。

マルタ・カブレラ

ハーランの専属看護師でもあり、心を許す数少ない友人。南米からの移民者で決して裕福な暮らしをしている訳ではなく母と妹と3人で質素に暮らしている(父の存在は不明)。彼女は変わった性質があり嘘を付くと嘔吐してしまう『人型嘔吐式噓発見器』という特殊アビリティを持ち合わせている。

フラン

ハーラン家の家政婦で第一発見者。屋敷の事を誰よりも知る彼女は家族さえ知らない事を知っているのかもしれませんね

ハーランの遺体発見までの経緯

ミステリー作家ハーラン・スロンビーの謎の自殺。ここでは前夜に行われていた誕生パーティーからハーラン氏が死体となって発見されるまでの経緯を説明していきましょう。

85歳の誕生パーティーを祝うスロンビー家。参加者は亡くなったハーランの他にリンダ・リチャード・ジョニ・ウォルト・ドナ・ジェイコブと家政婦のフランと専属看護師のマルタ。ランセムとメグはパティ―途中で抜けていました

夜中11時30分頃にパーティは終了。各々は自分の部屋に戻り、ハーラン氏も専属看護師のマルタと共に薬を投与するため自分の部屋に戻っています。

最初に異変に気付いたのは部屋に戻っていたジョニ。天井から物音がしたためハーランの部屋に様子に伺っています。ハーランは就寝前にマルタと囲碁をする習慣があり、その碁盤が床に落ちて音が鳴ったとジョニに説明しています

深夜12時にマルタが帰宅。玄関先で葉巻を吸っていたウォルトと息子のジェイコブが確認している

12時15分頃にハーラン氏が夜食を求めて階段を下りてきている姿をウォルトが確認。『父さん、もう寝てくれ!』と呼び止めている。これがハーラン氏が生きている時の最後の目撃となっています

これらの証言は自室で寝ていたリンダが誰かが階段を昇り降りする度に大きな音が鳴った事で眠りを妨げられた…という証言から裏が取れている。以上の事から監察医は死亡時刻を12時15分~2時と推定

ウォルトが葉巻を吸い終わる12時30分頃に出かけていたメグが帰宅。そのまま就寝

夜中の3時頃にメグは犬の鳴き声で目を覚ます。トイレに行って再び就寝

翌朝 家政婦のフランが朝食を運ぶため書斎に訪れた際にハーラン氏の遺体を発見。

この経緯が遺体発見までの流れの基盤となってくる。もちろんコレからプラスアルファの展開が追加されていくのだが…先に頭に入れて置くと事で複雑な流れを整理できるのではないでしょうか

ミステリー作品の特徴

フーダニット・ホワイダニット・ハウダニット

sherlock holmes silhouette in studio on white background

ミステリー小説で事件の解明に必要な要素が『フーダニット』『ホワイダニット』『ハウダニット』と称される3つの要素
『フーダニット』Who done itで『犯人は誰?』という意味
『ホワイダニット』はWhy do itで『動機は?』という意味
『ハウダニット』はHow do itで『犯行方法は?』という意味

この3つの分類は推理小説の興味の対象が単なる犯人当てからトリックの面白さへと移り変わり、そして動機に変わっていく、という推理ならではの流れとなっている。ただ、どこに重きを置くかによってストーリーの性質が大きく変わってくるもので一般的な推理小説は探偵視点で描かれる『フーダニット形式』がよく使用されます。『事件が起こり…探偵が現れ…容疑者の尋問が行われ…謎を解明して…犯人を割り出す』といったもので非常に理解しやすい流れとなるが、盛り上がりは後半部分となってしまう事から序盤の展開が少し退屈なものになりやすい傾向があります。更に映画化した時にキャスティングで明らかに一人だけ大物俳優がいた時に『こいつが犯人や!』とバレてしまう可能性も高く…それを防ぐなら本作みたいに全員豪華キャストにしなければいけません。この形式と逆となるのが『倒叙形式』となります。

倒叙形式

『えぇぇぇ…あなたが~犯人でぇすぅ…』で有名な古畑任三郎が『倒叙形式』の代表作。他にも刑事コロンボなどがコレに当たります。倒叙形式では初めに犯人を主軸に描写がなされ読者は犯人と犯行過程がわかった上で物語が展開されます。その上で探偵役がどのようにして犯行を見抜くのか、どのようにして犯人を追い詰めるのかが物語の主旨となる。この形式だと一人だけ豪華俳優を犯人役として起用ができます。古畑任三郎でもSMAPや明石家さんま・イチローまでが犯人役として起用されていました。

『ナイブズ・アウト』を楽しむポイント

豪邸で大富豪が謎の死を果て名探偵が現れる…といった『ベタベタな設定』なのに何故か斬新な本作の『ナイブズ・アウト』最後まで息を付かせない流れはハイテンション・ノンストップ・ミステリーに呼ぶに相応しい作品である。果たして『ナイブズ・アウト』は『フーダニット』『ホワイダニット』『ハウダニット』のどの要素に重きを置いているのか?一般的な流れを取り入れているのか?倒叙形式を取り入れているのか?これだけでも十分に楽しめる作品ではあるが…更に監督は本作に社会的テーマも投げかけている。一度見ただけでは中々気づかない監督のトリックや2度目だからこそ理解できるカットなどなど…何度見ても楽しめる作品となっています。もちろん『鑑賞後のモーっと楽しもう』では私なりの解釈ではあるがレヴューしていきたいとも思います。乞うご期待下さい(笑)

それでは素晴らしい映画の世界に
『いってらっしゃいませ』

映画『ナイブズ・ナイト 名探偵と刃の館の秘密』を鑑賞された方は
コチラの『鑑賞後にモーっと楽しもう』
お入りくださいませ⇩

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