『1917 命をかけた伝令』をモーっと楽しもう

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
ココでは『1917命をかけた伝令』徹底解析
完全ネタバレとなってますので
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ。

『1917 命をかけた伝令』

『本作はリアルタイムで語るべき…』
監督のサム・メンデスが語っている様に
1914年から開戦した第一世界大戦の凄まじさを
見事に映像化した作品

序盤の対比

ファーストシーンは大戦中とは思えないほど
呑気に居眠りをしているシーンから始まる

将軍から呼び出しが掛かる事で
塹壕にある本部へと向かう事となるが
奥に進めば進むほど
『いま…戦争をしているんだ…』と感じさせる
シーンが描かれています

最前線は死体や負傷兵が横たわり
兵士たちもピリピリと苛立っている

最前線にいるレスリー中尉とのシーンが印象的で
『今日は何曜日だ?賭けをしているんでね…』
もはや曜日すら分からないほどの過酷な状況

敵の最前線に行くための説明も
『馬の死体の間を抜けると人が死んでいるから…』
えっ?と思わず聞き返してしまう説明なんですが
実際に戦場に上がってみると

2匹の馬の死体が転がっています
つい最近死んで虫がたかっている馬の死体と
随分と時間が経って骨と皮だけになっている死体
この対比も素晴らしく
膠着状態が長い間、続いている…と把握できますね

最初の呑気に居眠りしているシーンから
5~600m先の最前線へと向かうまでの間は
徐々に映像や言葉が怖くなっていった事で
私たちに『これから戦場に向かいますよ』
心の準備をさせているような演出がされていました

心臓バクバク

メチャクチャ怖くありませんでしたか?
暗闇の中で照明弾だけが唯一の灯りで
街の影が一気に伸びてきたり
暗闇から走ってくるドイツ兵…
しかもワンカットで見せているから
臨場感が半端なくて…心臓がバクバク

命をかけた伝令

スコフィールドがD連隊に追いついた時は
既に第一波の攻撃が開始されようとしていた
これ以上の犠牲者を出さないために
塹壕から飛び出し危険な戦場を横切るシーン

『1917』の一番の見せ場でもあるシーン
ここまでの没入感や感情移入もあるせいか
まるでスローモーションのように思えたのは
僕だけでしょうか?

スコフィールドの過去

おそらく殆どの人が本作の主人公はブレイク
思っていたのではないでしょうか?
はい…僕もその一人です。。。

ブレイクが途中リタイアした時は
『だ…騙された!』と感じた方が多いのでは?

ただ改めて見返した時に
スコフィールド主人公の伏線が貼られている事に
気付きました。。。恐るべしメンデス…

故郷に帰りたくない

スコフィールドは郵便兵…という職が
あるのかは知りませんが家族から贈られた手紙を
兵士たちに届ける役目をしていたと思われます

冒頭でブレイクに故郷からの手紙を渡した時に
『お前には手紙は届いてないのか?』と聞かれると
『NO』と一言だけで言って無言になります

更にブレイクが故郷を懐かしんでいると
『帰らない方が楽だ…』と戦争映画では
あまり聞かない言葉ですよね

決定的なのは廃屋の前でブレイクに
『どうしても故郷に帰るのが嫌だった』
語っています。

スコフィールドには暗い過去がありそうです
こんな伏線だらけの謎の男を
途中リタイアなんてさせませんよね…

2人は親友?

最後は友のために戦場を駆け抜ける…といった
いかにも『友情』みたいな感じではあったが
本当に二人は親友なの?

ブレイクも軍曹に『誰か選べ』と言われた時も
たまたま隣にスコフィールドがいたのが
選んだ理由で親友という訳ではなさそう

ブレイクはスコフィールドのやる気のなさに
苛立っている様に見えたし
スコフィールドもブレイクの暴走気味に
呆れているような感じだった

お互いの事を良く知らない
同じ部隊の仲間ってくらいで
挨拶程度はする関係だったのではないかな

ただ友情が深まったのは
ブレイクが死んだ時という不条理は…
戦争の不条理を現しているのかもしれませんね

謎のケース

これは最後のシーンなんですが
ポケットから緑のケースを取り出していますよね

実はこの緑のケースを確認するシーンは
作中で何度かやっています
さりげなく見ているのでスルーしてしまいそうだが

最初に見ていたのが
ドイツ軍の塹壕を抜けた後
水筒の水で顔を洗った直後に確認していました

次に見ていたのがブレイクの死後になるが
スミス大尉の部隊の車に乗っている時に
また緑のケースを取り出して確認していました

このケースの中に女性の写真が入っているのは
ラストのシーンから分かります
おそらくスコフィールドの奥さんだと思われます

勝手な解釈 スコの謎

写真からスコフィールドには家族がいる事が
分かりますが…なぜ?彼は故郷に帰りたくないのか

ここから勝手な解釈になりますので…
奥さんは亡くなっている…と考えてみました…が!

廃墟の街でフランス人女性に
『あなた…子供はいるの?』と尋ねられた時に
またも無言になっていましたよね
もしかして死んでいたのは子供?

スコは何かの理由で子供を死なせている
奥さんといる事で子供を思い出してしまうから
故郷に帰りたくない…
というのが私の勝手な解釈

4つの伝令

本作のサブタイトルになっている
『命かけの伝令』
僕はこの『伝令』こそが
本作の最大のメタファーになっていると考えました

1つ目の伝令

D連隊に攻撃中止の伝令を届けるといった
本作の目的とも言える伝令

2つ目の伝令

ブレイクの兄に弟の死を知らせる伝令
スコフィールドは作戦中止の伝令に対し消極的な
態度を示していましたが『ブレイクの死』以後は
人が変わったかのように必死になっています
スコフィールドが『命』をかけていたのは
作戦中止の伝令ではなく『友の死』
兄に伝える事だったのではないでしょうか

3つ目の伝令

ラストのシーンで女性の写真の裏側に
『無事に戻って…』とメッセージが書かれていました
これは子供の死によって希望を失っている夫に
無事に帰ってきて欲しいという奥さんからの伝令

最初のシーンとラストのシーンは
似たような構図で撮影されていました
ただ彼の心情は
大きく変化したのではないでしょうか

4つ目の伝令

アルフレッド・H・メンデス
『1917』は監督サム・メンデスの祖父にあたる
アルフレッド・H・メンデスの体験やエピソードを
基に作られた作品

アルフレッドは第一次世界大戦で伝令兵として
戦場で負傷した兵士を救い出したとして
勲章を授与されています

サム・メンデス監督を通して我々に伝えたかった
アルフレッド・H・メンデスからの伝令

総括

ワンカット風の話題が先行して
臨場感だ…没入感だ…と唱える方が多いが
『手段』であって『目的』ではない
この映画は迫力が凄い!じゃないんです

『本作はリアルタイムで語るべき…』こそが
ワンカット風の目的である

もう既に第一次世界大戦を経験した人は
この世にいなくなっています
あと数年したら第二次世界大戦を
体験した人たちもいなくなってしまいます

しかしこの惨劇は映画として
いつまでも私たちの心に残り続けます

だからこそ『リアル』に語りかけるための
ワンカットなんです

本当に偶然だが今日は8月9日
長崎で原爆が落とされた日
私たちは同じ過ちを繰り返してはいけない

私は『1917』を観て…そう感じました
貴方は、この映画で何を感じましたか?

今回も長文失礼いたしました
それでは…
またのお越しをお待ちしております

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