『1917 命をかけた伝令』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

『1917 命をかけた伝令』を鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ

1917 命をかけた伝令

引用元:ニュース|映画『1917 命をかけた伝令』公式サイト

『俺は死ぬのか…』
    『あぁ…そうだと思う。』

あらすじ

引用元:『1917 命をかけた伝令』予告 https://youtu.be/GyGosOlFlZE

若き英兵のスコフィールドとブレイクは最前線にいる仲間1600人の命を救うべく重要な命令を一刻も早く伝達するためにどこに敵がいるのか分からない戦場へ飛び出していくのだが…

2019年:アメリカ公開
2020年:イギリス、日本公開
監督:サム・メンデス
脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
製作:サム・メンデス、ピッパ・ハリス
   カラム・マクドゥガル、ブライアン・オリバー
製作総指揮:ジェブ・ブロディ
      イグナシオ・サラザール=シンプソン
      Ricardo Marco Budé
出演者:ジョージ・マッケイ
    ディーン=チャールズ・チャップマン
    マーク・ストロング、アンドリュー・スコット 他
音楽:トーマス・ニューマン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:リー・スミス
製作会社:ドリーム・ワークス
     リライアンス・エンターテイメント
     アンブリン・パートナーズ
     ニュー・リバブリック・ピクチャーズ
配給:エンタテイメント・ワン
   ユニバーサル・ピクチャーズ
   東宝東和

第一次世界大戦に投入された2人の若きイギリス兵の1日を全編ワンカット風で追いかける戦争ドラマ作品『1917 命をかけた伝令』 第92回アカデミー賞では10部門にノミネートされ撮影賞・録音省・視覚効果賞の3部門を受賞。

監督は『アメリカン・ビューティー』『007スペクター』の巨匠サム・メンデス。主演には若手であるジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ=チャップマンの2人を抜擢するも脇を固めているのはベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロングらイギリスを代表する実力派俳優の面々。

第1次世界大戦を舞台に描く戦争ドラマ。若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人が最前線にいる仲間1600人の命を救うべく、重要な命令を一刻も早く伝達するため危険が待ち受ける敵陣に身を投じて駆け抜けていく姿が描かれている…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『1917 命をかけた伝令』を100倍楽しもう!

ワンカット撮影

ワンカット撮影とは…
ワンカット(長回し)動画とは、映像の最初から最後まで編集によるカット割りを行わず、一気に撮影する技法のことです。通常と比べて、非常に緊張感のある撮影となります。

引用元:目が離せなくなる映像技法。ワンカット(長回し)動画事例 – 動 …

先に説明させて頂きますと本作は『全編ワンカット風』が正しい表記であり、編集で上手く繋ぎ合わせる事で『ワンカット』の様な仕上がりになっていますが…そんな事はどうでもいいのです。

あくまでも『ワンカット』は手段であって目的ではありません。この撮影方法で監督が意図していた事は『本作はリアルタイムで語るべき…』とインタビューで語っている様にサム・メンデス監督自身が舞台となった第一次世界大戦に対し強い思い入れがあったのでしょう。見事に私たちを1917年の西部戦線へと誘った作品となりました。この没入感を是非味わって下さい

引用元:https://youtu.be/Y7bxPBLbTks

3人目の主役

『1917』のストーリーは至ってシンプル。最前線でドイツ軍と戦っているデヴォンシャ―連隊に翌朝行われる攻撃作戦の中止命令を伝えに行く…という2人の若きイギリス兵の話である。

ワンカット撮影を行った事で伝令役となった2人と同じ目線での撮影が主となっていました。しかも近距離での撮影になっていた事で映画を観ている我々は まるで2人の隣にいるような感覚が味わえるのです。

この撮影技法により2人の息遣いさえも聞こえてくる緊迫感が感じられてきます。3人目の主役は貴方なのです!あなたは攻撃中止命令の伝令を最前線にいるD連隊に届ける3人目の兵士となったのです。

鑑賞時間=映画内経過時間

ワンカット撮影の特徴は『時間の経過』がリアルであるという事。例えるなら10分間のワンカットシーンは映画の中の経過時間も10分間という事になります。リアルタイムに時間が経過しているからこそ臨場感が伝わってくるのである。

もちろん臨場感を得るための代償は大きく完璧な台本が必要な事はもちろん幾度となく繰り返されるリハーサル。役者も自分の演技だけではなくカメラマンなどの技術的な動きも把握しておかなければいけません。更に一発勝負という重圧も襲い掛かってきます。

『本作はリアルタイムで語るべき…』

メンデス監督は私たちに命をかけた伝令(映画)を伝えたかったのでは…

伝令兵ブレ&スコ

熱くなり暴走してしまう事もあるが正義感が強く仲間思いのブレイク
冷静な判断で合理的に物事を進めるタイプだが少々ヤル気を失っているスコフィールド

相性が良いと思えない2人が攻撃中止命令を最前線の部隊に届けるという任務を背負う事になります。

特別映像でメンデス監督は2人の若手俳優を起用した理由を語っていました。

『観客には2人の目を通して新たな体験をしてほしいから無名俳優を起用した。この規模の映画に無名俳優を使えるのは逆に贅沢なキャスティングだった』

確かに贅沢な起用ではあるが…有名どころを使っていたら膨大なリハーサルとなる本作で時間が取れるかが疑問になってくる。ある意味、無名であるからこそのキャスティングと言えるでしょうね。

ブレ&スコの関係性

ネタバレになってしまうので詳しくは書かないが二人は同じ部隊というだけで親友でも友人という関係でもない。ただ二人の微妙な関係が今後 どうなっていくかは皆さんの目で確かめて下さい。。。

第一次世界大戦

『1914 命をかけた伝令』の舞台となった第一次世界大戦。学校でサラッと習った記憶しかないのだが調べれば調べるほど感慨深い戦争である事が分かります。第一次世界大戦を知れば『1917』はもっと面白くなる!

第一次世界大戦(1914-1918) 約4年半の長期間で計25か国が参加。ヨーロッパが主戦場となり、これまでの戦争とは違い軍隊だけでなく一般国民をも巻き込んでしまう国家総動員体制の総力戦で戦われた戦争。

引用元:第一次世界大戦 – Wikipedia

サラエボ事件

オーストリア皇太子夫妻がボスニア訪問中にセルビア青年の銃撃により暗殺。この事件が発端となりオーストリアがセルビアに対し宣戦布告した事で開戦…とi一般的にはなっているが、この様な単純なものではなく当時の国家間の複雑な同盟関係が世界大戦へと繋がる形となったのが開戦の真相である。

オーストリア夫妻暗殺のサラエボ事件は『キッカケ』であって『原因』ではないのである。

国家間の複雑な同盟関係

引用元:10分でわかる世界史Bの流れ!近現代ヨーロッパ(1)〜帝国主義の高まり〜 | Histrace -共通テスト世界史Bを楽しく学ぶ-

イギリス・フランス・ロシア(三国協商)が3都市(カイロ・カルカッタ・ケープタウン)を中心に勢力拡大を目的とした進めてきた政策が3C政策

ドイツ・オーストリア・イタリア(三国同盟)がベルリン・イスタンブール・バグダードの3都市を結ぶ鉄道を建設し西アジアに進出する政策が3B政策となっている。

3B政策の鉄道がバクダードから伸びると三国協商が進めている3C政策の勢力圏の中に入ってしまいます。

こういったヨーロッパの緊張状態の中で『サラエボ事件』が発生した事によりオーストリアと同盟国であったドイツが参戦。セルビアと友好関係にあったロシアが参戦…と次々と世界各国を巻き込む大戦へと発展していく事になったのです。両軍合わせて7000万人以上の軍人が動員され史上最大の戦争となったのです。

塹壕とは?

戦争に於いて敵の銃撃砲から身を守るために陣地の回りに掘った穴の事を塹壕(ざんごう)と言います。原始的な防御方法ではあるが単純な穴掘り作戦が防御する上で想像以上に効果は絶大なのである。

ただし絶大な防御力だからこそ両陣営は塹壕を掘りまくり防御に徹した事で戦争は膠着状態になってしまう。不衛生な塹壕に長期間いるため病気になる者や精神が壊れてくる者が続出するのである。

両陣営は膠着状態を打破するために前線では次々と新兵器が投入される事になるのだが…

大量殺戮兵器の投入

塹壕戦は鉄条網を陣地に張りマシンガンを配置する事で攻めてくる敵兵を一網打尽にする戦法が主となっています。この防御力の高い塹壕を攻めるにあたり最初に戦場に投入されたのが…

敵の砲撃から身を守るという意味では適した戦車ではあったが塹壕にハマり身動きが取れない事態になるケースが多発してしまいます。途中で故障でもしたら修理できない状況になってしまい戦場に放置となってしまうため次の兵器が戦場に投入されることになりました。

飛行機からの空爆で状況を打破しようとしたがピンポイントに爆弾を落とす事が難しいため失敗に終わります。更に毒ガス火炎放射器など次々と投入されるがどれも決定打とはならず結局は無駄な突撃を繰り返すだけの大消耗戦と化してしまうのです。

第一世界大戦での戦死者1600万人

アルベリッヒ作戦

膠着状態であったため互角に見える両陣営だがヨーロッパの中では味方が少ないドイツは海を抑えられていたことで物資不足が懸念されてきたのである。この状況を打破するためドイツが建てた作戦が本作で深く関わってくるアルベリッヒ作戦

ヒンデンブルク線と称される要塞群を建設。凸凹になった西部戦線から後退する事で人的資源で劣るドイツ軍でも十分な防御が行えるようにすることが最大の目的である

要するにヒンデンブルク線まで後退する事で相手を誘い込む…待ち伏せ攻撃

この作戦を察知したイギリス軍は前線で戦っているデヴォンジャー連隊に知らせるためにブレイクとスコフィールドを伝令役として戦場へ送り込んだのです。

『1917 命をかけた伝令』を楽しむポイント

引用元:ニュース|映画『1917 命をかけた伝令』公式サイト

リアルタイムに物語を描

この文言を何度となく記事に書き込んでいるが…この言葉は監督だけではなくスタッフが一丸となって掲げていた本作のスローガンのような言葉なのである。

元々は監督・脚本を手掛けたサム・メンデスの祖父の戦争体験の話が映画を撮るキッカケとなったのです。

19歳で伝令兵として戦場で活躍したサム・メンデスの祖父は『当時の兵士たちは友情や絆を戦場で深め、生涯の友となった』と語っていたそうだ。

このエピソードがキッカケとなりタイプの違う2人が戦場で理由も分からずに助け合い、次第に友情を築いていくという物語の発想が生まれたのである。

この祖父のリアルな体験を映画化するにあたり我々観客により没入感を体験させるために取られた技法がワンカット撮影だったのです。そしてスタッフは『リアルタイムに物語を描く』という言葉を元に徹底したこだわりを見せてくるのである。

主演の2人はカットが止まらずに撮影が続くため演技や動きだけでなく念入りな体作りをして撮影に挑んだみたいである。更に美術チームはトータルで数キロに及ぶ塹壕のセットを作り上げていました。カメラマンなどの技術チームの労力は言うまでもなく…チーム『1917』は一丸となって『リアルタイム』に拘っていたのである…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『1917 命をかけた伝令』を100倍楽しもう!

それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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