『アメリカン・スナイパー』を100倍楽しもう

軍師かんべえ

おはこんばんちわ(-ω-)/
管理人軍師かんべえです。
鑑賞前の予備知識!映画はもっと面白くなる。今回の作品はコチラ!

『アメリカン・スナイパー』を鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ

アメリカン・スナイパー

https://www.cinemacafe.net/feature/img/american/main.jpg

『この世には3種類の人間がいる…
   羊、オオカミ…そして羊の番犬だ』

あらすじ

イラク戦争で狙撃兵として類まれな才能を開花させたクリス・カイルは多くの戦果から軍内では『伝説(レジェンド)』と称賛される。一方でテロ組織を率いるザルカーウィーの中には元オリンピック射撃選手の敵スナイパー『ムスタファ』がいた。以後、二人は何度も戦場で出会い死闘を繰り広げるのだが…

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2015年:アメリカ公開、日本公開
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジェイソン・ホール
原作:クリス・カイル
   『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』
製作:クリント・イーストウッド、ロバート・ロレンツ
   ピーター・モーガン、アンドリュー・ラザール
   ブラットリー・クーパー
出演者:ブラットリー・クーパー、シエナ・ミラー 他
撮影:トム:スターン
編集:ジョエル・コックス、ゲイリー・D・ローチ
製作会社:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ
     マッド・チャンス・プロダクション 他
配給:ワーナーブラザース

2014年に名優でもあり名監督でもあるクリント・イーストウッドの手により製作された『アメリカ・スナイパー』。原作はイラク戦争に4度従軍したクリス・カイルが著した『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』本作の主人公でもあるクリス・カイル役を演じたのはブラットリー・クーパー。クーパーは本作の製作にも関わっており映画への権利も獲得、そして主演を演じるために過酷な肉体改造を施し撮影に挑んでいるほど本作に賭ける意気込みは尋常ではない

https://www.cinemacafe.net/imgs/thumb_h1/142275.jpg

監督は2度のアカデミー作品賞・監督賞を獲得したクリント・イーストウッド、主演は本作の権利まで獲得するほどの意気込みをみせているブラットリー・クーパー、そしてイラク戦争の伝説の男クリス・カイルの伝記を映画化…これで面白くない訳がない。実際に興行収入は5億4千万ドル約(620億円)を突破し戦争映画では『プライベートライアン』を遥かに超えた史上最高の興行収入額となった。イラク戦争で160人を射殺しアメリカを救ったとされる男の物語なのだが…実は裏では作品の内容を巡って保守派とリベラル派が大きな論争を巻き起こしている問題作でもあった。

https://ham-ichi.at.webry.info/201507/article_12.html

戦争とはいえ160人もの人間の命を奪った男を英雄視していいのか…というリベラル派(左翼)の意見から始まり、本作は戦争賛美を謳っているアメリカ万歳映画だとも揶揄されている。マイケル・ムーア監督は『スナイパーは背後から人を撃つ卑怯な奴で英雄なんかじゃない』と言い放つほど…しかし人によっては本作はPTSDの苦悩が描かれた反戦映画だと感じている方も存在する。この映画の巧みなところは鑑賞する人の気持ち次第でどちらにでも転ぶ内容となっている。反戦映画なのか…戦争賛美なのか…それは鑑賞した貴方が決める事なのである…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『アメリカン・スナイパー 』を100倍楽しもう!

軍師かんべえ

イーストウッドは論争が巻き起こる事を想定してワザとどっちにでも取れるやり方をしている…策士や

『アメリカン・スナイパー』を鑑賞されている方は
鑑賞後レビュー『モーっと楽しもう』にどうぞ

https://youtu.be/RWYqKrNTRV0

イラク戦争

『アメリカン・スナイパー』で描かれていたイラク戦争は2003年にブッシュ米大統領により開戦され2011年オバマ米大統領が終了宣言するまでの約9年間 繰り広げられていた戦争が舞台。なぜイラク戦争は起こってしまったのか…アメリカが主張してきた正義とは…この戦争自体の意義が本作で問われてくるだけに『イラク戦争』を知る事こそが『アメリカン・スナイパー』を深く理解できる事ではないでしょうか…

湾岸戦争

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/080400191/

湾岸戦争とは…
1990年8月2日、イラクによるクウェート侵攻をきっかけとした国際紛争。国連安全保障理事会はただちにイラクにクウェートからの撤退を求めるがイラクの指導者サダム・フセインはそれを拒否。アメリカを中心とした多国籍軍は1991年1月17日に大規模な航空空爆により開戦。1991年2月18日クウェート解放により戦争は終結。

湾岸戦争とは – コトバンク

言葉とは恐ろしいものでネットで『湾岸戦争』を調べると上記した内容程度の説明しかされていないのである。どれだけの人が真実を知っているのか疑問を抱いてしまいます。クウェートはOPEC(石油輸出国機構)により決められていた石油輸出量を無視して世界各国に石油を売りさばいた事で石油の値段が下落。更にイラク領で無断に石油を採掘していた事でイラクはクウェートに再三の注意勧告を促すがクウェートが無視し続けたためイラクはクウェートに侵攻した…というのがこの戦争の発端である

https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im9646165

アメリカを中心とした多国籍軍の圧倒的な戦力の前にイラク軍は僅か1か月でクウェートからの撤退・降伏という形となり、イラクの指導者サダム・フセインは今後イラクでは大量破壊兵器(化学兵器、生物兵器、核兵器)の生産、持ち込みを禁止する約束をさせられます。これにより湾岸戦争は終結を迎えるのですがサダム・フセインを始めイラク国民のアメリカに対する不満が募っていく事になってしまいます

9.11アメリカ同時多発テロ

https://bunshun.jp/articles/-/26038

2001年9月11日、イスラーム過激派テロ組織アルカイダによりアメリカ合衆国に対する4回のテロ攻撃が発生。ハイジャックした4機の旅客機のうち2機をニューヨークのワールドトレードセンタービルの北棟と南棟に突入させ崩壊させる。更に1機をアメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)に墜落させ建物の西側部分を崩壊。4機目は乗員乗客がハイジャック犯の拘束を試みた結果、野原に墜落。

https://diamond.jp/articles/-/282157

首謀者はイスラーム過激派テロ組織アルカイダの指導者『ウサマ・ビン・ラディン』10年の追跡を経て遂にアメリカ特殊部隊はパキスタンで潜伏していたビン・ラディンを急襲した上で殺害したことで一応は終結する形となった…しかし収まりのつかないアメリカはテロ組織アルカイダとイラクが繋がっていてビン・ラディンの逃亡に関与していたという無茶苦茶な因縁をつけるのでした…これに対しイラクの指導者サダム・フセインは『あのテロはアメリカが招いた種だ…』と一蹴したことでアメリカとイラクの因縁が更に深まる事になってしまうのです…

イラク戦争へと…

http://fuseishoyo-roku.cocolog-nifty.com/blog/images/2015/02/19/american_sniper.jpg

そして『アメリカン・スパイナー』の舞台ともなる『イラク戦争』へと繋がっていくのである…収まりのつかないアメリカは突如イラクに対し『大量破壊兵器を保有している』と言い出すのである。国連安全保障理事会は調査の結果で『保有していない』という結論を出すがアメリカは国連で他国の反対を押し切り『イラクを攻撃する』と宣言。これが『イラク戦争』開戦の真実なのである。

アメリカの正義とは?

https://news.ntv.co.jp/articles/196391/

石油問題に対しアメリカの武力介入が発端となり開戦した湾岸戦争。世界中で軍隊を派遣したことで起こった9.11アメリカ同時多発テロ。因縁をふっかけてイラクを窮地に追い込むことで開戦したイラク戦争。どこにアメリカの正義があるのだろうか…9年に及ぶ戦争であったが正規軍同士の戦闘は2カ月程度。もちろん『大量破壊兵器』はイラクには存在していなかった。しかしアメリカは『大量破壊兵器はなかったが…その部品はあった』と強引な主張をしている。私は『アメリカン・スナイパー』を鑑賞する上でこの事実は必ず頭に入れて欲しいと思っています。その上で本作が反戦を訴える映画なのか…戦争を賛美している映画なのかを考えて欲しい…

軍師かんべえ

大国アメリカのメチャクチャな言動は果たして正義なのか?

https://www.youtube.com/watch?v=BhcVE-O8vsw

本作の主人公でもあり、原作の著者でもあるクリス・カイルが所属していたのがアメリカ海軍の特殊部隊『Navy SEALs』。アメリカ海軍という意味である『Navy』に海『SEA』空『Air』陸『Land』の頭文字をとって『SEAL』更に複数形という意味の小文字の”s”を加えて『Navy SEALs』陸海空どこでも活動可能という意味を名前に持たせている。

https://img01.militaryblog.jp/usr/n/e/w/news/US-Navy-Special-Operation-Forces-NSWG-SEALs-DevGru-008.jpg

日本人である我々は絶対に無理であるが…入隊資格は特質したものではない。アメリカ合衆国の市民権を持つ17歳以上28歳以下で性別は不問。前科があろうが…頭が悪かろうが…視力も関係ない。Navy SEALsに入隊する資格だけは簡単に誰でも取れるのである…ただし資格だけは…

地獄の訓練課程

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kazupippi/20191229/20191229154450.jpg

入隊資格を手に入れるのはアメリカ国民なら難しくないのだが問題は『Navy SEALs』に入隊するまでに行われる地獄の訓練課程。ここでは過酷な現場に耐えれるだけの肉体を作るだけではなく…いかなる状況に陥っても仲間を裏切らない…といった精神面も鍛える事が最重要なため、過酷な拷問といった訓練が毎日続くのである。
基礎教育課程(5週間)
・基礎水中爆破訓練(25週間)
・最終訓練(21週間)

大きく3つに分類される訓練課程を全て修了するまで約2年半かかると言われています。もちろん途中で落伍する者も多いのだが…訓練中に死亡する者も珍しくないという。これだけ過酷な訓練課程を修了させた者だけが名誉ある『Navy SEALs』に入隊できる訳なのだが…ここまで地獄の訓練を受けてきた精鋭部隊であったとしても実際の戦場では想像以上の恐怖と葛藤を味わう事になってしまう。そして多くの隊員がPTSD(心的外傷ストレス障害)という心の病に掛かってしまうのである。

軍師かんべえ

PTSDにならないような訓練もあるのだが…多くの隊員が心に病を抱えてしまうみたいだ…それだけリアルな戦場は過酷という事なのか

PTSD

https://publicdomainq.net/images/201702/16s/publicdomainq-0005996nxl.jpg

PTSDPost Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。

PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

もともとPTSDは命の危険が去ったのにもかかわらず心理的な症状に苦しめられ続けるベトナム戦争の帰還兵の研究を通して確立した疾患概念とされている。いくら軍事的な訓練を受け続けた兵士であっても戦場という異常な環境を日々過ごしていく上で心は徐々に削られていってしまう。『自分が行っていること(戦闘行為)は絶対に正しい事なのだ』とある種の催眠状態を自分にかけながら毎日を過ごしていかなければいけない。

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/c6/a12d089bb0f9ebfad3ae9a941d95436b.jpg

戦場から安全である故郷に戻ってきたとしても心は戦場に残しているケースが多く…不眠症、うつ病、動悸、幻覚などの症状が現れてしまう。自ら命を絶ってしまうケースも多いのだが…最も恐ろしいのが発砲事件を引き起こす事が多いのである。そして犠牲者の多くは帰還兵の家族であったりする。戦争による悲劇は戦場だけではないことを思い知らされる気持ちになってしまいます。

軍師かんべえ

イラク戦争はPTSDに掛かる兵士の率が非常に高かったみたいです。理由としては『大義なき戦争』であったからみたいです。

https://youtu.be/nc3ShvOpEGY

クリス・カイル

http://1.bp.blogspot.com/-rGn1HnCWj9g/VkLE9Hbea2I/AAAAAAAAZ0w/m0Irs8vBRio/s400/002.jpg

左側が本作のモデルとなったクリス・カイルで右側が本作でクリス・カイルを演じていたブラッドリー・クーパー。2人を並べると思わずニヤけてしまうほどソックリでまるで双子のようで思わず笑ってしまう。ガッチリ肉体のパワフルなスーパーマンではあるが笑顔がとてもキュートな男性でとても戦場で160人を射殺したスナイパーとは思えない。ここで彼の半生を語ってしまうと映画のネタバレとなってしまうので幼き頃に父親に受けたマッチョ主義的な教育について語っていきたいと思う

マッチョ・イズム

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1974年テキサス州オデッサに教会の執事であったウェイン・ケネス・カイルの長男としてクリスは生まれる。父親は聖職者であったが狩猟に関しては肯定的でクリスにも若い時から銃を扱わせている。男たるもの…『強靭さ、逞しさ、勇敢さ、好戦性』を持ち合わせるものだという信念を幼い時からクリスに教育していました。この思想こそが『マッチョ・イズム』なのである。そして自分が正しいと思う『正義』だけにこそ『マッチョ・イズム』という信念を貫くことが真の男である…という精神を叩きこまれながらクリス・カイルは育ったのである。

軍師かんべえ

『健全な精神は健全な肉体に宿る』という言葉が浮かんでしまいました。不健全なので分かりませ~ん(笑)

『アメリカン・スナイパー』を楽しむポイント

https://www.cinemacafe.net/feature/img/american/main.jpg

名優でもあり名監督でもあるクリント・イーストウッドが描いた真の戦争映画『アメリカン・スナイパー』当年のアカデミー賞では6部門もノミネートされ音響編集賞を受賞している…ただネタバレとなってしまうが本作は一切の曲が使用されていない。エンドロールも無音のまま流すという演出が成されている。果たしてイーストウッドはどのような想いで無音のエンドロールを演出したのか…鑑賞前では謎とも思える演出ではあるが…この無音のエンドロールが流れている頃には全ての人がイーストウッドの意図に納得できていると思われます…少しの知識だけで映画はもっと面白くなる!『アメリカン・スナイパー 』を100倍楽しもう!

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それでは素敵な映画の世界へ行ってらっしゃいませ

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