『ユージュアル・サスペクツ』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ(*- -)ペコリ
『コーヒーが冷めないうちに』
徹底解析 完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様はご遠慮下さいませ

本記事は『ユージュアル・サスペクツ』の感想レビューとなっておりネタバレが含まれております。本編未鑑賞の方は予備知識編『100倍楽しもう』の記事をご確認の上で再度お越しください。

ユージュアル・サスペクツ

1995年:アメリカ公開 
1996年:日本公開 
監督:ブライアン・シンガー 
脚本:クリストファー・マッカリー 
製作:ブライアン・シンガー、マイケル・マクドネル 
出演:ガブリエル・バーン、スティーヴン・ボールドウィン
   ケヴィン・ボラック、ケヴィン・スペイシー 他 
音楽:ジョン・オッドマン 
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル 
編集:ジョン・オッドマン 
第68回アカデミー脚本賞受賞:クリストファー・マッカリー 
第68回アカデミー助演男優賞:ケヴィン・スペイシー

20世紀最大のクライムサスペンス映画『ユージュアル・サスペクツ』。本作がラストで見せた大ドンデン返しは令和となった今でも初見で鑑賞された方はきっと驚愕したに違いない。誰もがガブリエル・バーン演じるキートンこそがカイザーソゼであると信じて疑わなかった所にまさかのキントだった…というオチには全員がビックリしたばず。

面白い事に本作は2度違った感覚で楽しめる作品で初見ではキントこそがカイザーソゼの正体だったという大ドンデン返しの展開にビックリさせられ…2度目以降の鑑賞ではカイザーソゼであるキントがどの様に特別捜査官クイヤンを騙していくのか…という2通りの視点で楽しめる作品となっている。…といった様にココでは『ユージュアル・サスペクツ』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください。

軍師かんべえ

単純に考えればキントは怪しい存在なのだが…キントがソゼではないというミスリードを誘う伏線がサブリミナル的に張られていたんですよ!

『ユージュアル・サスペクツ』劇場版予告

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カイザーソゼ

トルコ人で父親がドイツ人という噂以外は全てベールに包まれている謎のギャング『カイザーソゼ』。唯一彼を知るのが弁護士を名乗っているコバヤシとう人物だけ。

ソゼは用心深く同じ人間と繰り返し仕事をすることはなく仕事の依頼は全て弁護士のコバヤシに頼んでいるため直接ソゼを見た人間は存在しない。そして彼の狂暴性は鉄の意思というエピソードで語られる

鉄の意思

ある日、対立していたハンガリー人マフィアに家族を人質にされた時に『いっそ殺す方が妻と子供の救いになる』と言い放ちソゼ自身が家族を射殺している。その後、ハンガリー人マフィアは徹底的に復讐され…カイザーソゼは伝説となり地下に潜った…とキントがドヤ顔で語っていました

『いい子にしろ…ソゼが来るぞ』いつもビクビクしながら語りかけているキントだがカイザーソゼのエピソードだけはドヤ顔で語っていた。この自信を持った語り掛けにスゴく違和感を覚えたのだが…実はこの語り掛けはキントがカイザーソゼであるという伏線だったという事です。

ソゼが来るぞ!

思い出して欲しいのだが…5人が弁護士のコバヤシと初めて接触をした際にキントはカイザーソゼという人物を知らない素振りを見せていました。それなのに特別捜査官クイヤンに語る時は如何にも自分が子供の頃に聞かされていた伝説…みたいな口調で『いい子にしろ…ソゼが来るぞ!』と語っています。明らかに矛盾が生じています。こういった様にヴァーバル・キントが張った伏線…つまり真実と嘘が本作には多数散りばめられています。この伏線の多さこそが名作と言われる理由となっております。

信頼できない語り手

『信頼できない語り手』とはミステリー小説や映画などでよく使われる手法で語り手の信頼性を著しく低いものにする事により読者や視聴者をミスリードしたりするものである。本作のミスリードは実は多重構造になっていて『信頼できない語り手』とはキントの証言はキント自身が犯罪に関わっている事から信頼性に欠ける…つまりは自分に不利になる様な証言はしないという事が1つ目のミスリードになる

物語が終盤を迎えると実はカイザーソゼがキートンを殺したという決定的な場面は目撃していなかった…という発言でキートンこそがカイザーソゼであったというミスリードを生み出している。そして最後はキントこそがカイザーソゼであったという事で証言全体に真実と嘘が混在していた…というミスリードを生み出していました。

キントが張った伏線

船爆破事件でカイザーソゼは左手で拳銃を持ちキートンに銃口を向けていました。この事点で左半身不随のキントが容疑者から外れるという…冒頭の下りでミスリードを仕掛けてくるのは秀逸としか言えない。更にカイザーソゼは金のライターと金の時計を持っていることもこのシーンで確認できる。一瞬の事なので覚えていたの?と言われれば自信はないがサブリミナル効果的に自然にキントを外す作業をしていたのかもしれません。

ヴァーバル・キントのヴァーバルは『おしゃべり』という意味を持っている。そしてカイザーソゼのソゼという意味も『おしゃべり』という意味を持つとの事。日本人には気付きにくい伏線の張り方ではあるが設定の時点でキント=カイザーソゼだったという伏線を張っていた事になります

キントは部屋の中にある張り紙やコーヒーカップに書かれていたロゴを使って証言をしていました。結果この事が特別捜査官クイヤンがキントこそがカイザーソゼである…という真実に結びつける事になる。ただキントは何故?この様な事をやったのかが謎ではある。カイザーソゼは身バレすることを恐れ少しでも自分の存在に近づこうとする者は排除してきたはずなのに…ココでは自ら名乗っているかのような行動を取っている。スグにバレる事はないとはいえ不思議な行動ではある…しかし個人的な見解ではあるが…ひとつだけ思いつく事が…あるにはあるのだが…

総括

いかがでしたでしょうか…個人的にはサスペンス映画の最高峰とさえ思っている作品で何がそんなにスゴかったかと言うと…違和感に対する絶妙なバランスとでも言っておきましょうか。おそらく皆さんも同じ感覚に陥っていたのではないでしょうか?話の流れからキートンがカイザーソゼではないだろうか…と思ってはいても何故か釈然としないまま違和感が残った状態になっていて…実はキントがソゼでした!ってなった時に『あぁぁぁ…』この違和感はコレだったのか!とカタルシスに陥ってしまう。実はこの絶妙な違和感があるからこそスッキリは感じれるもので…全くと言って違和感を感じられなかったらキントが黒幕でしたとなった時に『なぜ?』となるでしょうし…バレバレだったとしてもカタルシスに陥る事は難しいでしょう。この理解できそうで答えは導き出せなかった…的な絶妙のバランスの時にこそスッキリするものなんです。

最後の疑問…なぜキントは調べれば分る様な証言をしてしまったのか…自分の正体を隠し続けてきただけに身バレするような行動が理解できないのだが…私なりに出した答えがキントは…いやカイザーソゼは警察署から出てコバヤシの車に乗り込み何処に向かったのか?それは瀕死になっているハンガリー人がいる病院なのではないでしょうか?唯一カイザーソゼを目にした人物を亡き者にするために…そしてモンタージュを書いた女性からFAXを流した人物など関係者全員を殺し…そして再び警察署に戻りクイヤン捜査官とラビン巡査部長つまりはカイザーソゼに少しでも関わった人物を全て亡き者にする事を尋問を受ける時点で決めていたのでしょう。どうせ全員殺すのだから身バレしても良かったのかもしれません…絶妙な所を攻めていたのだが最後まで捜査官は気付かずにいた事を心の中で笑っていたのかもしれません。こんなギリギリを攻めれるのはカイザーソゼかコスプレイヤーの えなこ くらいって事でオツカレっす!

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ヴァーバル・キント

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