『機動戦士ガンダムUC』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ
『機動戦士ガンダムUC』
徹底解析・完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様は予備知識記事に移動下さい

『機動戦士ガンダムUC』の考察レビューとなっておりネタバレが含まれております。
未鑑賞の方は鑑賞前の予備知識の記事👇をご確認の上で再度お越しください

機動戦士ガンダムUC

引用元:機動戦士ガンダムUC 壁紙 No.2 アニメ公式・非公式壁紙コレクター

OVA発売:2010年~2014年 全7章
放送:2016年『機動戦士ガンダムユニコーンRE:0096』
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:古橋一浩
シリーズ構成:福井晴敏
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:安彦良和、高橋久美子
メカニックデザイン:カトキハジメ 他
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ

鑑賞前の予備知識記事ではガンダム史を熱く語りすぎたこともあり『通常の3倍』の長さというシャア少佐ばりの長文記事となってしまいました。未読の方はコチラからどうぞ👇

もちろん初代『ファースト』から段階を踏んで『ガンダムUC』にたどり着けば私の下手な長文など読む必要はないのですが…とはいっても1979年~2010年の約30年に渡って繰り広げられたUCシリーズを全て鑑賞するのは時間的にも非常に大変になってきます。

できるだけ『ガンダムUC』から鑑賞したとしても何とかついてこれるように記事を作ったつもりでしたが…如何だったでしょうか…

ところで話は変わりますが鑑賞前記事でも書いたように個人的な偏見ではあるがガンダムに於ける『UCシリーズ』は『ガンダムUC』で完結していると私は思っています。

UCシリーズは『アースノイド』『スペースノイド』との確執が全体を通しての軸となっていたのです。宇宙に移民した者たちが地球からの自治権確立と独立を目指した争いが作中に描かれていました。

『将来,宇宙に適応した
  新人類の発生が認められた場合,
その者たちを優先的に

  政府運営に参画させることとする。』

引用元:슈로대) 30에서 이미지가 가장 최악이 된 캐릭터 | 유머 게시판 (ruliweb.com)

失われていた宇宙世紀憲章の一文が出現した事で全ての問題が解決した訳ではないが物語としては綺麗に完結できていると私は思ったのです。

もちろんガンダムファンとしては今後ココからの面白展開ができるのであれば、それはそれで嬉しいことですが一つの区切りとして『UCシリーズ』を私の中では一旦は完結させてしまったのです。

リアルな人生に『if』なんて奇跡的な事はありません。しかし敢えて宇宙世紀に『if』があったとするなら…もし『宇宙世紀憲章』が正式な形として人類に示されていたのであれば未来はどう変わっていたのだろうか…

宇宙に進出していけば いずれ『ニュータイプ』が現れるであろうと宇宙世紀に入る以前に人類は予見していたということになります。ジオン・ズム・ダイクンが提唱した『ニュータイプ論』よりも58年以上も前に地球連邦政府の中では議論として挙がっていたという事になるのです。

引用元:ガンダムに登場した「スペースコロニー」のモデルがジェフ・ベゾス氏の宇宙進出構想のベースになっている

もし宇宙移民計画が完全な形で行われていたならば各スペースコロニーの自治権は確立されていたでしょうし、もちろん地球からの圧政もないという事となります。つまりジオン公国による『一年戦争』は開戦しなかったという結果となるのです。そもそも『if』の世界線ではジオン公国すら存在していないのかもしれません。

しかし人類は違う形で『戦争』を行っていたと私は考えています。

それは人間には『争う』というメカニズムが組み込まれているからです。非常に残念ではあるが歴史が全てを物語っているのです。人類は戦争をすることで発展させていった種なのです。

第一次と第二次世界大戦によって飛行機開発や自動車開発は一気に技術革新することになったのです。他にも原子力発電所によって電気の供給も潤い、コンピューターなども元をたどれば軍事用として開発されたようなものです。

もし人間自体に『争う』というメカニズムが組み込まれていなかったなら…原始的な生活とまでは思わないが今ほどの科学力はなかったでしょう…

しかし人類は『争う』が組み込まれているため、より人を攻撃ができる鉄が作り出され、より殺傷力のある銃が作り出され、そして爆弾となり、ミサイルとなり…より正確に落とせるようコンピューターが作り出され…といった様に軍事用として開発された物が我々の生活用品へと転用されているだけのことである

引用元:引用元:クソかっこいいジオン – スゴくデッカいズワイガニ日記

人間は『争う』ことによって発展していった種である以上は『宇宙世紀憲章』が正式な形で世に告知されていたとしても『一年戦争』は存在しなかったかもしれませんが別の形で人類は『宇宙大戦』を迎えていたと私は思ってしまうのです。

コレこそが『ガンダムUC』だけでなく『ガンダム』を全体で括った時の最大のテーマなのです。

人間は争う種である

単純に『平和』や『戦争ダメ』といった言葉だけでは無意味なのです。『人間は争う種である』というメカニズムを知った上で大人は『戦争』について考えるべきなのです。

本能に近い感情で突き進めば地球政府のように利権の為に『宇宙世紀憲章』の一文を葬りさろうとしたり、ジオン公国のように『独立戦争』を起こしたりするのです。

ジオン・ズム・ダイクンが提唱した本来の『ニュータイプ論』は『誤解なく人と人が分かり合える』という事でした。

思い出してください。『ファースト・ガンダム』のラストはホワイトベースのクルーたちはアムロの声によって先導され戦地からの脱出に成功するのです。コレは紛れもなくニュータイプの本来の姿だと私は感じています。

『逆襲のシャア』では地球を救いたいという皆の思念がアクシズ・ショックという形になり小惑星アクシズの軌道を変える奇跡が起こったのです。コレもニュータイプの本来の形なのです。

『人間は争う種である』というメカニズムを踏まえた上で『誤解なく人と人が分かり合える』ことができれば必然的に『平和』が訪れる…コレこそが『ガンダム』の最大のテーマだと私は思っています。ロシアもウクライナもイスラエルもパレスチナもアメリカも今すぐ銃を捨ててガンダムを観るべきなのです…といったようにココでは『機動戦士ガンダムUC』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください

機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096
アニメ観るなら<U-NEXT>

UC計画とは…

UC計画とは・・・
ジオン共和国が自治権を放棄するUC0100年を機に地球連邦軍が「あるべき宇宙世紀を取り戻す」ために推進した軍事計画。同計画の根幹はジオニズムを一掃し、ジオン勢力登場以前の状態に世界情勢を回帰させることを目的としている。

引用元:UC計画 – ガンダムWiki (cre.jp)

わかりやすく説明するならUC0100年にジオン共和国が自治権を放棄する事を機に地球連邦軍は『ジオン』という言葉すらこの世から消し去るべく『ジオン』に関連するあらゆる事象を抹殺していくというのが『UC計画』の目的である

引用元:お台場に実物大「ユニコーンガンダム」2017年秋に設置決定! |

ジオニズムで提唱された『ニュータイプ』すらも計画の対象であり、RX-0シリーズの『ユニコーン・ガンダム』は全身がサイコフレームで施されているためパイロットが敵機をニュータイプであると判断すると『NT-D』(ニュータイプ・ドライブ)が発動される仕組みとなっている

『NT-D』が発動されるとパイロットは感応波を送受信するだけの生体デバイスと化しパイロットの意思とは関係なく敵機への攻撃が開始されるのである。

地球連邦軍がアナハイム・エレクトロニクス社に製造させていたRX-0シリーズはニュータイプを一掃することを目的に開発されたモビルスーツだったという事になるのです。

全てをなかった事にしようとする地球連邦政府。ラプラスの箱の正体を知った上でUC計画の概要を目にすると強い憤りを感じてしまいます。

「あるべき宇宙世紀を取り戻す」

この考えは地球連邦サイドのエゴを象徴しているかのような言葉である。『あるべき宇宙世紀』とは…それは地球政府がスペースノイドを管理していくという姿なのでしょう。その『あるべき』に希望となっていたニュータイプという存在は邪魔だったのです。

地球連邦政府はニュータイプ殲滅の目的のためには科学技術による殲滅を考えていたため『NT-D』が搭載されたRX-0シリーズ『ユニコーンガンダム』が開発されたという経緯があったのです。

引用元:#バナージ・リンクス 機動戦士ガンダムUC – ブンまるのイラスト –

もちろん連邦政府の思惑通りにはいかず『ユニコーン・ガンダム』に運命的に搭乗したのがバナージ・リンクスという少年。しかもバナージの生体データを登録されたことにより彼以外はユニコーンを操縦することができなくなってしまったのである。

ニュータイプ抹殺機にニュータイプが搭乗するという連邦政府にとっては由々しき事態となってしまったのである

軍師かんべえ

カッコ良く『UC計画』なんてネーミングがあるけど要は連邦政府の隠蔽計画なんですよね。最低っすね

「祈り」と「呪い」

引用元:リディ・マーセナス ボイス集 – ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

リディ・マーセナスが事あるごとに言っていた『祈り』と『呪い』とは…一体何だったのだろうか…

葬り去られた宇宙世紀憲章にはニュータイプを示す一文があったことから当初の地球連邦政府は後に『宇宙に適合した新人類』が出現することを予測していた…ということになるのです。

しかしニュータイプが本当に出現してくるかは不明であり、その実態も判明することはできないのである。

人類は次のステージにはどのような未来が待っているのかは当時の政府には想像も付かなかったのでしょう。もちろん不安もあったでしょうが当時の地球連邦政府にとって新人類は『希望』だったのかもしれません。

しかしラプラス事件により宇宙世紀憲章が葬り去られたことで『希望』までもが消え去ってしまったのです。

引用元:引用元:新約ガンダム: アストライアの暗殺 (gundamren.blogspot.com)

UC0058年ジオン・ズム・ダイクンの出現により『ニュータイプ』という存在が世に知らされた時に一度は失われた『希望』はスペースノイドにとって『出現して欲しい』という『祈り』となってしまったのです。

しかし宇宙世紀憲章を隠蔽している地球連邦政府にとって『ニュータイプ』という存在は『呪い』でしかないのです。『呪い』であったとしても出現さえしなければよかったのだが…アムロ・レイを始めララァ・スンやシャア・アズナブル…といったように次々とニュータイプらしき存在が世に現れてくるのである。

更に人口を半分まで激減させた一年戦争や後に続くグリプス戦役、ネオジオン抗争といった戦争まで引き起こしてしまった後では連邦政府は『宇宙世紀憲章』の真実を打ち出すことは到底できないのである。

リディ少尉が言っていた『祈り』と『呪い』にはこういった意味があり、箱を所有しているビスト家であるバナージと真実を隠していたマーセナス家であるリディがこの世からいなくなれば『祈り』も『呪い』も消えて無くなる…という『そんな訳ないだろ!』と突っ込みを入れたくなるような理由でリディ少尉は闇落ちをしてしまうのです。

しかしリディ少尉の短絡的な考えと同調していたのが地球連邦政府の『UC計画』なのです。もちろんリディ少尉は宇宙世紀憲章の隠蔽に一族が関わっていた事に対し最初こそ嫌悪感を示していたのですが『2号機バンシィ』に乗る事を決意させたのはミネバに振られたから…というとんでもない理由からなのである。

引用元:パチスロ・パチンコ・スロット オンラインゲーム

確かにこんな美少女に振られたら自暴自棄になってしまう気持ちも分かるが…少なくともリディの暴走で多くの人間が犠牲になっていることは間違いない。保身のために宇宙世紀憲章を隠蔽していた連邦政府とリディ少尉の気質は殆ど同じであるという事なのです。

ミネバに『お互いの立場を捨てて逃げよう』と言っていた割には一族の『呪い』に縛られる事になり立場を捨てきれずに闇落ちしてしまうという残念な男なのである。ニュータイプに覚醒しつつあるミネバはリディの薄っぺらさを既に感じていたのかもしれません。

ギター侍

リディ少尉……残念!!

ラプラス・プログラム

引用元:Gundam Unicorn – 02 – Random Curiosity

ラプラス・プログラムとは…
インダストリアル7でユニコーンガンダムにインストールされた新しいプログラム。強化人間の感応波とニュータイプの感応波を見分ける機能を持っているおり,ニュータイプがパイロットとなった場合は『ラプラスの箱』への道を示し,強化人間がパイロットとなった場合は沈黙を守ることとなる。

引用元:ラプラス・プログラム – GUNDAM WORLD ENCYCLOPEDIA (gudamer.sakura.ne.jp)

ニュータイプの殲滅を目的として開発されたRX-0シリーズ『ユニコーン・ガンダム』。しかし最終調整はアナハイム社と深い関係を持つビスト財団の現当主であるカーディアス・ビストが自ら行っている。

この時にユニコーン・ガンダムにインストールしたのが『ラプラス・プログラム』であり、その目的は…

UC計画の阻止

引用元:Mobile Suit Gundam Unicorn (Anime) | AnimeClick.it

ビスト財団の宗主であるサイアム・ビスト。財団の安泰だけを願うならラプラスの箱は秘匿としたまま連邦政府が画策するUC計画をただ黙認すればよいだけの話である。しかしサイアムの願いは財団の安泰ではなく人類の未来だったのです。

ラプラス・プログラムはニュータイプだけにしか『箱』への道を示されるようプログラムされていました。この時点でネオ・ジオンのフル・フロンタルに譲渡した所でラプラス・プログラムは起動しないのである。なぜならフル・フロンタルは強化人間であるからです。

サイアム・ビストは大きな賭けを仕掛けたのです。フル・フロンタルが噂されるようにシャア・アズナブルであるならばネオ・ジオンの目的は『人類の革新』となってくる。ラプラスの箱を正しく使ってくれることに期待した上での譲渡だったのでしょう

しかしフル・フロンタルはニュータイプでもなくシャアでもなかったのです。もちろん『人の革新』を目的としておらず地球連符政府を転覆させることができる『ラプラスの箱』を使って再び戦争を仕掛けようとしていたのです。

サイアム・ビストの大きな賭けであったネオ・ジオンへの『ユニコーン・ガンダム』の譲渡はサイアムにとって良い意味で大きく狂い始めたのである。

引用元:「機動戦士ガンダムUC」バナージ編 全ムービー – YouTube

偶然にもサイアムの曾孫となるバナージ・リンクスが『ユニコーン・ガンダム』のパイロットとなるのである。

「かつてガンダムに乗った者たちと同じく、
 君もガンダムに選ばれたのだと思いたい」

この言葉はブライト・ノア艦長がバナージに言った言葉なのだが…かつてガンダムに搭乗したアムロやカミーユ、ジュドーは偶然にもガンダムに乗ることになったのだが『ガンダムに乗る』という意思は自分が決意したものであって決して偶然ではないという意味なのである。

それはガンダムに選ばれた者であり偶然ではなく必然であり、そして運命なのである。

バナージがユニコーン・ガンダムに乗ることは運命的に定められていた事で、ラプラスの箱を正しく使えるサイアム・ビストが望んでいたニュータイプだったのです。

軍師かんべえ

私はブライト艦長のこのセリフが大好きである。『君もガンダムに選ばれたのだ』…選ばれてぇー(笑)

MAD機動戦士ガンダムUC ブライト艦長
アニメ観るなら<U-NEXT>

フル・フロンタルの野望

引用元:ストーリー|機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 (gundam-unicorn.net)

第二次ネオ・ジオン抗争で総帥シャア・アズナブルを失い烏合の衆になりかけていたネオ・ジオン軍の残党をまとめあげ自身も大佐の階級に身を置きネオ・ジオンを再度作り上げたのがフル・フロンタル。

シャアを彷彿させる仮面を身に着け、あたかもシャアのように振舞っていることから敵・味方に関係なく『赤い彗星の再来』と呼ばれていて自身もそのことを受け入れているのである

物語の中でも『あなたはシャア・アズナブルなのですか』と言及される場面が何度かあるのだがモヤモヤっとした解答しかしておらず『結局はどっちなんだい?』とツッコミを入れたくなるのですが…公式的にもシャア・アズナブルではないが答えなのです

では何故フル・フロンタルはシャアに寄せていたのか…彼の目的は…について言及していきたいと思います。

シャア・アズナブルの複製

引用元:【MAD】フル・フロンタル Full Frontal【ガンダムUC/AMV】 – YouTube

公式的にも書かれているのですがフル・フロンタルはジオン共和国の政治家モナハン・バハロが独自で行った計画で作りだされた強化人間なのである。

第二次ネオ・ジオン抗争によって解体されようとしていたネオ・ジオン軍を再び糾合するためにモナハンはフル・フロンタルを用意し、シャアに酷似した容姿や声は役割を果たすために意図的に似せられたものである…ということです

『なるほど』と感心はしたのだが…それでは何故シャア本人でないと知らないようなセリフなどを連発させていたのか…と疑問が残ってしまいます。

『見せてもらおうか、
  新しいガンダムの性能とやらを』

分かってますよ!私たちオールドファンを楽しませてくれるサービスって事は!

しかし設定上の話をしているのである。これが少し私的には腑に落ちないのである。

どうやら宇宙に漂っていたシャア・アズナブルの残留思念がフル・フロンタルに宿ってしまった…という事らしい。そんな奇跡的な事を理由にするなら他にも理由なんていくらでも考えらえたのに…それかよ!って思ってしまいます。

取り合えずミネバも言っていたようにフル・フロンタルはシャア・アズナブルとは全くの別人という事なのです。では別人であるフル・フロンタルは何を目的として動いていたのか…それがサイド共栄圏の確立だったのです

サイド共栄圏

引用元:ガンダムのスペースコロニーや小惑星の位置関係

サイド共栄圏とは…
地球の経済活動がスペースノイドへの依存によって成り立っている事を逆手に取り、月と7つのサイドを中心に地球を排除した経済圏を確立させることで地球連邦政府の孤立と衰退を目的としている

引用元:サイド共栄圏 – ガンダムWiki (cre.jp)

地球連邦政府の傀儡となっているがジオン共和国には一応は自治権が認められているのである。しかし4年後のUC0100年にはその自治権すらも失われてしまうのである。フル・フロンタルはこの事実を危惧しサイド共栄圏を呼びかけるにしても時間が余りにも無さ過ぎたのである

そんな中でのビスト財団からの『ラプラスの箱』譲渡の話が出てくるのである。箱の中身を知らない以上は動きようがないのであるがサイド共栄圏を呼びかけるための『時間稼ぎ』になるのでは…という理由でフル・フロンタルは箱を欲していたのである。

箱の中身は『時間稼ぎ』どころかフル・フロンタルが目指す『サイド共栄圏』を作り出すためのキッカケとなる物が入っていた訳ですからフロンタルとしては口惜しかった事でしょう

作中で『サイド共栄圏』についてミネバが言及していたように実現可能となっても『強者』と『弱者』が入れ替わるだけであり結局は『弱者』が復讐を果たすため力を蓄え再び争いが行われる可能性もあると指摘していました。

まさしく納得がいくところであります。更にもう一つ指摘するなら先にも書いたように『人間は争う種』であることからサイド共栄圏のサイド間の中で争いが勃発する事も考えられます。

フル・フロンタルも『サイド共栄圏』の穴は指摘されなくても既に感じていたみたいであるが自身を器と定義しておりスペースノイドの総意を実現するための行動だと語っていました。

シャアは地球再生のために争いを引き起こしていたがフロンタルは地球を衰退させるための行動であり一見は似たような行動であるが全くの逆であったのです。

軍師かんべえ

でもシナンジュってカッコ良いよねぇ…RG欲しいもん(笑)わかる人にはわかる

【AMV】機動戦士ガンダム UC【RE: I AM】
アニメ観るなら<U-NEXT>

心に従え

引用元:クサチャチャの大好きなアニメ作品キャラクイズ答え合わせ!

ジンネマン大尉が娘同然に接していた強化人間マリーダ・クルスに発した最後の命令が…

『最後の命令だ、心に従え

まさかのココで機動戦士Zガンダムから貼られ続けてきた伏線の大回収が行われるとは予想もつきませんでした。もちろん大号泣で過去作を時代と共に追ってきたガンダムファンにとっては涙腺の大崩壊が起きたことが予想できます。

強化人間とは…
ニュータイプ研究所が開発した人工的に作られたニュータイプ。機械的、薬物的な処置によって作られた後天的なタイプと遺伝子操作やクローン技術などによる先天的なタイプに分かれる。人間を兵器として扱うため人道的に批判的な意見は多くグリプス戦役後は多くの研究所が閉鎖されることになった

引用元:強化人間 – ガンダムWiki (cre.jp)

人工的にニュータイプと同様の能力を植え付ける代償として精神の不安定さが問題となる強化人間。しかし刷り込みによって『マスター』と呼ばれる指示・統制役を務める人間を設定することで幾分か安定はするのである。

マリーダ・クルスもクローン技術によって生まれた強化人間で…

引用元:機動戦士ガンダム 水星の魔女 が見放題!

機動戦士ガンダムZZで登場した強化人間プル・シリーズの生き残りであるプルⅫ(トゥエルブ)だったのです。強化人間であることは明らかですし髪の色からしてプル・シリーズであることは予想はできていました。

ジンネマン大尉は戦争によって死なせてしまった娘とマリーダを重ねてしまったことで娘同然のように扱いますがマリーダはジンネマンを刷り込み対象の『マスター』とでしか思っておらず従順に命令を遂行するだけの強化人間であったのです

この温度差も後の感動を生む原動力となるのですが…とにかく序盤のマリーダは感情的な部分は一切なく機械的であり、自らの意思では決して動かず指示待ちをする一軍人であったのだが…真のニュータイプであるバナージ・リンクスと出会うことで徐々に人間味溢れる姿を手に入れていたような気がしたのです

引用元:【機動戦士ガンダムUC】

バナージに好きな食べ物を聞かれたときに『アイスクリーム』と答えた時なんかは年頃の女性の雰囲気が出ていて、このシーンも好きな1つであります。しかし刷り込みによって植え付けられた強化人間としての従順性は抜けておらず自身の意思で能動的に動くことができないマリーダが遂に自らの意思を伝えたのです。

『お父さん…わがままを許してくれますか…』

ネオ・ジオンの一兵士としてではなく人間としてミネバを助けたい…バナージに協力をしたい…という最初で最後の願いをマスターであるジンネマンに伝えるのです。

もちろん軍の命令に背く訳ですから願いを聞き入れればマリーダの命の保証がないことはジンネマンも知っています。しかしジンネマンが出した命令は…

『心に従え』

機動戦士Zガンダムから登場してきた強化人間の末路は殆どが戦争の道具として使われ悲惨な最期となっていた中で唯一マリーダ・クルスだけが人間として最期を迎えられたのではないでしょうか…

命令ではなく自分の意思で大切な人を守る…大切な人が願うものを守る…そういった想いでマリーダは命を散らしてしまったのです。人が亡くなって思う感情ではないがマリーダにとっての幸せが叶ったのかもしれません

軍師かんべえ

マリーダさん…マリーダさん……マリーダぁさーーーーん!!😢

MAD Marida Cruz
アニメ観るなら<U-NEXT>

アクシズ・ショック 

引用:【ガンダムUC】ユニコーンはなんでコロニーレーザー防げたの…

『機動戦士ガンダムUC』だけではなく『UCシリーズ』の中でファンの間で多く議論されてきた『ニュータイプとは…』の一つの答えが本編ラストで見せた『アクシズ・ショック』だったのだと私は感じました。

もちろんこの解答に賛否両論があるのは承知した上で私の感想は『賛』であります。

地球連邦政府が『ニュータイプ』の存在を否定してきた事で多くの議論がされなかった結果『ニュータイプの定義』といういものが確立されず有耶無耶にされていた事でジオン・ズム・ダイクンが当初に語っていた言葉を忘れがちになってしまうのだが…

『誤解なく分かり合える

これこそが『ニュータイプの定義』なのである。しかし人類はニュータイプの類稀なる能力を戦争の道具として扱ったことで定義とは大きくズレたものにしてしまったのです。

引用元:ガンダムのテーマ わかりあえない人類 – あしたをのぼって (hatenablog.com)

『ファースト・ガンダム』の後半でアムロとララァが本来の『ニュータイプ』のあるべき姿を提示してくれていたのです。精神世界の中であるため少々わかりずらいシーンではあるが心と心を通わせている間の中に虚実は一切なく誤解が生まれる事は決してない世界なのである

『ファースト・ガンダム』が放送されていたのは1979年で世界情勢としては冷戦時代。原作者である富野由悠季は『カッコ良いロボットアニメ』を作るのが目的ではなくガンダムを通じて『本来は人と人は分かり合える存在である』という事をメッセージに乗せたかったのではないでしょうか…

『ファースト・ガンダム』のラストではアムロの心の声によってニュータイプ適性のないブライト艦長やフラウ、カイ、ハヤトといったホワイトベースクルーの脱出の手引きをしているシーンはまさに人類全員にニュータイプの進化への可能性を秘めていることを示してくれていたのです。

引用元:【ガンダム】カツ・レツ・キッカの名前の由来って

その中でもカツ・レツ・キッカの3人の子供たちはラストでニュータイプとしての適性を示してくれたのです。これは未来の人間たちは『誤解なく分かり合える』というニュータイプの適性を持って生まれてくるという可能性を示したのだと私は思いました。

可能性という内なる神

引用元:ストーリー|機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 (gundam-unicorn.net)

人間だけ神を持つ。
  今を超える力、
 『可能性』という名の内なる神を…

ビスト財団当主でもありバナージの実父でもあるカーディアス・ビストが死ぬ間際に息子バナージに託した最期の言葉こそが伏線となりラストのアクシズショックがその回収となったのです。

戦争の道具としてではなく人と人が分かり合えるよう本来人間が持つ暖かい心を映し出したのが緑に発行したユニコーン・ガンダムだったのです。

劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でも『地球を守りたい』という思念がサイコフレームに感応し起きたアクシズ・ショック同様にバナージの『大切な人を守る』という強い思念が起こしたアクシズ・ショック。

カーディアス・ビストは人間を信じていたのでしょう…人類は戦争を繰り返してきた歴史はあるがニュータイプとして進化したならば『誤解なく分かり合える』時代がいずれ訪れ『戦争なき時代』がやってくることを…

僅かな可能性ではあるがその想いを託す事ができたのが実の息子であるバナージであったことは本望だったのかもしれません。

私が『機動戦士ガンダムUC』を『UCシリーズ』の最後の作品と勝手に位置づけしている理由は『ニュータイプの定義』がしっかりと描かれていたからです。決して戦争に於ける道具ではなく、感応派の強い人間というだけではなく、人と人が優しい心で分かり合える事ができるという事実を最後に示してくれたからです。

ガンダムUC 名シーン ep7 虹の彼方に ミネバの全世界へ向けた演説 SDガンダム Gジェネレーションジェネシス
アニメ観るなら<U-NEXT>

総括

引用元:機動戦士ガンダムUC 壁紙 No.2 アニメ公式・非公式壁紙コレクター

鑑賞前の予備知識編と合わせてかなりの長文となった『機動戦士ガンダムUC』ココまで書き記したら特に書きたい事もないというのが本音であります(笑)ですから特に意味のない話にはなるが…私とガンダムとの出会いについて書いていきますので興味がない方は飛ばしてください。

私がガンダムを始めて知ったのは小学生の頃で近所に住む高校生のお兄さんが劇場版『機動戦士ガンダム』のパンフレットを見せてくれたのが初めての出会いだったのです。

当初はあまり興味がなく『ふーん』程度のリアクションでしかなかったのですが…徐々に社会ブームとなっていき気づけば『ガンプラブーム』が世間的には巻き起こっていたのです。

昔から絵を描くことが好きだったので周りから器用だと思われているが実は図工は大の苦手分野で今でも組み立て式の家具は大嫌いなのである。だからガンプラなどは手を出すことは殆どなかったのですが

引用元:作り込みまくったガンプラジオラマがヤバいことになった!【陸戦型ガンダム改造】 – YouTube

こういったジオラマがプラモデル屋のショーケースに飾られているのを見るが好きな少年だったのです。手先が不器用なくせにクラフト好きという残念なかんべえ少年は『ガンプラを観る』という所からガンダムに入っていった訳なのです。

この頃の月~金の夕方の5時はガンダムの再放送が何度もされていてビデオが一般家庭に中々ない時代でありましたからテレビの前にかじりついて観ていた記憶があります。

そしてZガンダム…ガンダムZZ…逆襲のシャア…と私を満足させてくれるガンダムが続いたまでは良かったのですが突如としてUCシリーズではないガンダムが始まってしまったのです。

この時期を境に私の第一次ガンダム離れが始まってしまうのであります。おそらく14-15年はガンダムに触れる事なく生活をしていたかと思われます。しかし自宅にスカパーを導入しアニマックスを契約した事で再びガンダム熱が沸き上がってしまったのです

そして出会ったのがガンダム空白時期の頃に放送されていた

引用元:引用元:機動戦士ガンダムSEED(HDリマスター版)

『機動戦士ガンダムSEED』更に…

引用元:Gundam 00 | Mobile suit gundam 00, Gundam 00, Gundam (pinterest.jp)

ちょうどその頃に放送されていた『機動戦士ガンダムOO』

ハマりましたハマりました…ガンダムエースという雑誌も毎月購入しましたし、ガンダム関連の漫画も買い漁りましたし、ゲームもやりまくりました(笑)そして2010年に『機動戦士ガンダムUC』と出会いガンダム熱は最高到達点にまで達したのですが2014年公開終了と共に私のガンダム熱は徐々に薄れていったのです。

しかし今回ガンダムを題材に記事を書くことを決意したのは現在加入しているU-NEXTで『機動戦士ガンダムUC0096』を再び見たときに『シリーズ系のアニメだけど記事にできるかな?』というチャレンジ的な思いが強かったのが要因です

シリーズ系となると最初からの説明が必要になってきますし実際に鑑賞前の予備知識記事は通常の3倍の長文となってしまいました(笑)コレが成功だったのか失敗だったのかは置いておきまして最後までお付き合いしてくれた方には本当に感謝しております…って所でオツカレっす!!

映画観るならU-NEXT

映画観るならU-NEXT
・作品数21万本という圧倒的多さ
雑誌漫画も読むことが出来る
31日間の無料トライアル
そして最大のメリットは…
毎月1200円分のポイントGET
U-NEXT有料作品に使用可能な上に指定された映画館のチケット代にも使用可能。
U-NEXT月額利用料金2189円(税込み)
2189円-1200pt 実質989円

アニメ観るなら<U-NEXT>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA