『交渉人』をモーっと楽しもう
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『交渉人』の
徹底解析・完全ネタバレとなっております
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『交渉人』の考察レビューとなっておりネタバレが含まれております。
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目次
交渉人
引用元:交渉人 : 作品情報 – 映画.com &amazon.co.jp/交渉人-DVD-サミュエル・L・ジャクソン
1998年:アメリカ公開 1999年:日本公開 監督:F・ゲイリー・グレイ 脚本:ジェームズ・デモナコ ケヴィン・フォックス 製作:デヴィっド・ホッパーマン アーノン・ミルチャン 出演者:サミュエル・L・ジャクソン ケビン・スペイシー 他 音楽:グレーム・レヴェル 撮影:ケヴィン・フォックス ラッセル・カーペンター 編集:クリスチャン・ワグナー 製作会社:リージェンシー・エンタープライズ 配給:ワーナー・ブラザース
1998年に公開された『交渉人』ストーリーのプロットは1988年セントルイスで実際に起きた人質立て籠り事件から着想。犯人のアンソニー・D・ダニエルは人質交渉を職としていた警察官という訳ですからビックリである
嘘のようなホントの話だからこそ映画のプロットとしては最高だったのでしょう。この事件はアンソニーは本当に横領をしていて犯行を暴露した人物を人質に立て籠ったという事件。
結果としては『疲れた』という言葉を残しアンソニーが投降をしたことで事件解決となったのである。
当時アメリカでは大々的にこの事件が報道されたことで記憶に残っている人が多かったのではないでしょうか。だからこそサミュエル・Ⅼ・ジャクソンが演じるダニー・ローマンの黒幕説が頭をよぎった方は多かったはずです。
引用元:引用元:交渉人||洋画専門チャンネル ザ・シネマ (thecinema.jp)
そして西分署の交渉人クリス・セイビアンを演じたのがケビン・スペイシー。1995年『セブン』1996年『ユージュアルサスペクツ』ではとんでもない角度からドンデン返しをしてきた張本人だけに本作でも良い意味で裏切ってくる事に期待をしてしまうのである。
主人公2人ですら容疑者の可能性を秘めいているというハラハラドキドキのクライムサスペンス映画だったのです。結果として黒幕は『お前だったのか!!』と思わず叫んでしまったグラント・フロスト(笑)
引用元:~竜虎相搏つ・・・。; 曲者揃いのキャスティング
でも映画を見返すと結構な所で黒幕であるという事を納得させる行動をしているのである。詳しくは後程に語っていきますが…しかもミスリードさせるようにやたらと強行突入をしたがるベックとそれをフォローしまくるアル・トラヴィス署長が怪しく思ったのですが…露骨にダニーを消そうとしているので逆に容疑者候補から消えたのである。
ニーバウムは最初から横領に関係している事は分かっていたので私が本作を見ながら導きだした犯人は…
引用元:引用元:映画 ★ 交渉人(1999) | シネドラおやつ
なんと西分署の交渉人クリス・セイビアン。
ダニーは彼の事を『赤の他人』と評していたがダニーにとって他人だったのかもしれないがクリスにとっては他人ではない過去があったのではないか…と感じてしまったのです(コレは私の勝手な妄想です)
IQの高いクリスは実行犯として東分署の特殊チームの3バカと内部調査官のニーバウムを抱え込んで横領の指示を出していたのである(何度も書きますが私の勝手な妄想です)
仲間が信じられなくなったダニーは同等のIQを持つ赤の他人である自分(クリス)に助けを求めてくることまでクリスは計算をしていたのである(妄想中です)
事件の指揮官となったクリスはダニーの命を守ろうとするフリをしながら特殊チームの3バカに隙あらば命を狙えという指示を裏で出していたのです(頭の悪い主の妄想中です)
私の勝手な妄想を思わず書いてしまいましたが…当時は映画館で(結末分かったかも)と心の中でドヤっていたのを思い出します(笑)
引用元:~竜虎相搏つ・・・。; 曲者揃いのキャスティング
でも犯人はコイツ
でも犯人はコイツ
でも犯人はコイツ
『お前だったのか!!』
全くの見当違いの推理にビックリ(笑)
犯人捜しというミステリー要素だけでも十分に楽しめる作品ですが本当の本作の魅力は登場人物のそれぞれの思惑の中で繰り広げられるダニーとクリスの詰将棋のような駆け引きなのである…といったようにココでは『交渉人』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください
映画観るなら<U-NEXT>黒幕
引用元:~竜虎相搏つ・・・。; 曲者揃いのキャスティング
最後までフロストという人物の立場が分からなかったのだがダニーの上司であるという事は間違いなさそうである。20年来の付き合いだと言っていることからダニーが東分署に配属してからの付き合いという計算になります。
殺された相棒ネイサンは横領に関わったのが相当な人物であるため手が出せないと悩んでいた事からそれなりに地位のある人物なのでしょう。この時点でクリスの黒幕説がないことに気付くべきでした
何度か本作を見返すと気付くのですが…ダニーの家宅捜査をした際に身に覚えのない海外の銀行口座の書類を置いたのもフロストだったのでしょう。部下であるダニーに罪を着させようと姑息な事をしていたのである。
更にダニーが人質を取って立て籠った時に真っ先に現場に駆け付けたのもフロストだったのです。
一見はダニーの事を心配して駆け付けたように見えますが実は人質となった内部調査官ニーバウムがヘタな事を言わないか監視するために駆け付けていたのです。
好々爺と思わせながらとんでもない裏があるフロスト。彼が横領事件の黒幕だったのです。
気の優しいおじさんと思わせておきながら最後に悪の顔を表したフロスト…すっかり騙されてしまいましたわ(笑)
ミスリードな二人
引用元:~竜虎相搏つ・・・。; 曲者揃いのキャスティング
映画を面白くさせるためにミスリードを狙っているのは分かりますが露骨に強行突入を進言するベックが最初は怪しく思えてしまうのだがココまであからさまになると逆に怪しさが消えてしまうのである
最後の最後にベックという人物がどういう人間なのか理解できるところも本作のカタルシスとなっていました
『仲間が倒れたぞ』
クライマックスでダニーが倒れた時に『仲間』というワードを出していました。今までの言動を見れば『今更感』はするがベックという人物はおそらく不器用ではあるが誠実で正義感の強い人間なのでしょう。
強行突入も事件の早期解決こそが人質救出に不可欠であると彼なりの信念があるのでしょう。冒頭ではダニーに『調子を乗るなよ』的な発言をベックはしているがコレも二人の関係性がしっかりとあるからこその暴言だと思われます。
『説得』と『突入』という違う信念を持った二人ではあるが本当は信頼しあっている仲であり何でも言い合える仲なのではないでしょうか…だからこそ『仲間』という言葉がとっさに出たのでしょう
引用元:映画 ★ 交渉人(1999) | シネドラおやつ
東分署署長のアル・トラヴィス。黒幕はベックと併せて二人に誘導するよう本作は作られていました。何かとクリスの邪魔をするベックを擁護するのである。嘘は付くし約束は破るという黒幕ではないのであるなら、彼の行動は全くの謎ではある。明らかにミスリードさせるためだけの人物でした
しかも立場的には警察署長だけにネイサンが告発に二の脚を踏んでしまいそうな人物だという事を考えれば彼が怪しく思えてしまいます。
2人の存在があるからこそミステリー要素が成立していました。ベックは良い味を出していましたよね
IQバトル
ダニーが親交が殆どないクリスに助けを求めていた理由は3点
①赤の他人であるから
②真犯人を見つけ出す能力がある
③同じ交渉人なので意思疎通がしやすい
もちろん相当な賭けであったでしょうがクリスはダニーの期待に見事に応えてくれたのである。ココでは二人の交渉人がバトルの中で繰り広げていた駆け引きについて言及していきたいと思います
シェーン生死問題
引用元:<span itemprop=”headline”>映画「シェーン」(1953) 再見。
1953年に公開されたアメリカ製作の西部劇映画。
名作中の名作ともよばれラストではシェーンは敵を撃ち果たすが自身も脇腹に銃弾を受けてしまい重傷を負ってしまう。馬に乗って立ち去っている所に少年が『シェーン!カムバック!』と叫び物語は終わるのだがダニーはシェーンが死んだというカットがないため生きていると主張しているがクリスは死んでいると主張
映画の考察なのでどちらが正解というのはありませんが…ココでは相手の能力を探りあっているという駆け引きがあったのです。もちろんラストの伏線ともなっていたのですが相手の意見を尊重しながらも自分の意見も貫き通しているのです。
一見はダニーが言っていることに対し否定しているように聞こえますが見方を変えればこういった解釈もできるという主張をしているのです。更にあらゆる事実を考慮した上で決断を下しているという点はダニーが黒なのか白なのかはあらゆる事象を検討した上で自分の意志で判断するというクリスの意志になります。
もちろんお互いが名の知れた交渉人という事が前提で繰り広げられているハイレベルの駆け引きなのである。
主導権争い
引用元:交渉人 | 土曜洋画劇場(海外映画テレビ番組)
ダニーは目や動作を見ただけで相手の嘘を見抜けると語っていたようにダニーもクリスもお互いに面を合わせたかったのでしょう。電話でのやりとり後すぐにクリスはダニーの元に向かっています。
ココでも壮絶な交渉人ならではのバトルが繰り広げられていました。クリスの薄っぺらい嘘を見破ったダニーは彼が真犯人を見つけるだけの技量が本当にあるのかを試したのです。
これに対しクリスが放った言葉は『一人でも殺したら俺は交渉には応じない』
この駆け引きこそが交渉人同士のバトル・・・まさに主導権争いなのである。
もっとこのバトルを見たかったのだが強行班が突入したため一時中断となってしまいました
しかし短い時間ではあったが二人が出会う事でクリスはダニーが犯人ではないという確信が持てたのである。更にダニーもクリスにまかせれば自分の無実が証明できるかもしれないと思うことができたのである。
指揮権
引用元:映画 ★ 交渉人(1999) | シネドラおやつ
強行班の勝手な突入命令に激怒したクリスはアル・トラヴィス署長から全指揮権を譲ることこを条件に人質交渉を続けるという交渉をしたのである。本来は犯人と指揮官との仲介役になるのが交渉人の役割であり立場としてはフラットでなければいけないのである。
これも立て籠り犯が交渉人であるダニーだからこそできる事なのです。ココでもクリスの口撃によりトラヴィス署長は指揮権を譲らなくてはいけない状況になってしまったのである。
覚悟
引用元:引用元:映画『交渉人』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。
ダニーはこれ以上の突入を防ぐために自身の覚悟を示す必要があったのです。それが人質の殺害だったのです。オチを言うなら殺したかのようにみせていただけなのですが…クリスも信じてたように誰もが本当に殺したと思っていたのです。
この偽造殺害で一気に主導権がダニーの方に傾いたのである。
セカンド・バトル
引用元:「交渉人 / THE NEGOTIATOR」: ★清瀬の森映画館★
人質殺害という状況により主導権がダニーの方に移ったのだがすぐにクリスはフラットな状況に持っていくのである。
電気復旧を要求しようと電話をかけてきたダニーを3度に渡って無視するのである。『これ以上人質を殺すと本当に交渉から降りるぞ』というクリスの意思表示なのです。
電気復旧を条件にフロストが人質から解放されたのですが…フロストが黒幕であることはこの段階では誰も知らないのであります。
内偵者
引用元:【良作】交渉人(1998年)_理想的なサスペンスアクション(ネタバレあり・感想・解説)
ネイサンに相談をしてきた内部捜査官を見つけ出したというクリスであったが…ネイサン自身が内部捜査官であり相談をしてきた相手などがいなかった事が発覚。偽物を用意したことで人質の全員解放を狙ったのだが失敗に終わってしまった。このシーンは必要だったのでしょうか…ずっと緊張したシーンが続いていたからガス抜きという意味で入れ込んだのですかね(笑)
ラスト・バトル
引用元:[No.45] 交渉人(The Negotiator) <76点> 【ネタバレ感想】
ニーバウムの自宅のパソコンを調べても証拠が見つからなかったため最後の賭けに出たクリス。黒幕であるフロストにダニーに罪を着せる代わりに横領した金の交渉を始めたのである。ただ無線がONになっていたためこの会話は全警察官が聞いていたのである。
クリスを黒幕と予想していた私はこの時点でニヤリと思わず微笑んでしまったのだが…何か様子が変だぞと気づくのです。
してやられた…
クリスの一芝居であった事に気付いた私はまたしても豪快にケビン・スペイシーに騙されてしまったのです。序盤から繰り広げられたIQバトル。まさしくタイトルに偽りなしの作品であったことは間違いありません
これだけ交渉バトルが繰り広げられているのに…交渉バトルがないという人はいったい何を見ていたのでしょうかねぇ(笑)
総括
引用元:交渉人 : 作品情報 – 映画.com &amazon.co.jp/交渉人-DVD-サミュエル・L・ジャクソン
一時期ではあるが『オススメ映画は?』と聞かれたときに『交渉人』と答えていた時期がありました。内容もさほど難しくなくクライムサスペンスでもあり、ミステリー要素もありアクションも満載だけに万人受けする内容となっています。
後に日本でも交渉人を題材とした映画やドラマが流行っただけに何故か全く製作に携わっていない私がオススメしているというだけで天狗になっていたのです(笑)
映画として満点を付けてもよい『交渉人』ではありますが一つ腑に落ちない点がありまして…それは伏線となった『シェーン』の事なのです。
シェーンの生死問題がダニーとクリスの間で議論となったのは分かりますし、死んでいるシーンがなくても死んでいるという解釈をする場合があるという意味も分かるのですが…なぜラストでシェーンの生死問題を取り出すことで『死んだフリをしろ』となるのかが全く分からないのである…といった所でオツカレっす!
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