『羊たちの沈黙』をモーっと楽しもう

軍師かんべえ

おかえりなさいませ
『羊たちの沈黙』
徹底解析・完全ネタバレとなっております
鑑賞前のお客様は予備知識記事に移動下さい

『羊たちの沈黙』の考察レビューとなっておりネタバレが含まれております。
未鑑賞の方は鑑賞前の予備知識編の記事をご確認の上で再度お越しください

羊たちの沈黙

引用元:ムービー手帳“MOVIES” (yellowegg.jp)

1991年:アメリカ公開、日本公開
監督:ジョナサン・デミ
脚本:テッド:タリー
原作:トマス・ハリス『羊たちの沈黙』
製作:エドワード・サクソン、ケネス・ウット
   ロン・ボスマン
製作総指揮:ゲイリー・ゴーツマン
出演者:ジョディー・フォスター、アンソニー・ホプキンス
    スコット・グレン、テッド・レヴィン 他
音楽:ハワード・ショア
撮影:タク・フジモト
編集:クレイグ・マッケイ
製作会社:Strong Heart Productions
配給:オライオン・ピクチャーズ
   ワーナー・7ブラザース

第64回アカデミー賞で主要5部門である作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞を獲得。ホラー映画では史上初の作品賞を獲得するなど輝かしい結果を出した『羊たちの沈黙』

クラリスを演じたジョディ・フォスターの美貌と演技力の迫力もさることながら社会現象となった要因はアンソニー・ホプキンスが演じた殺人鬼ハンニバル・レクター博士なのである。

レクター博士役はアンソニーにとって俳優人生の転換期となった事は間違いないのだが30年が過ぎ去ろうとしている今でも(2023年現在)レクター博士の印象が付きまとってしうといった悩みもあるそうです。

引用元:『羊たちの沈黙』30周年

それほどまでに強烈なインパクトを放ったのがハンニバル・レクターなのだが実は彼が登場しているシーンは2時間弱の中で12分間という短い時間だったいうことには驚きました。

この12分間の中でアンソニーをいかに怖い存在にするか…という仕掛けを色々としていたのである

アンソニーはロンドンに住んでいた時に『まばたきをしない男』に遭遇して とてつもない恐怖を体験した事を思い出し まばたきをしない演技をした事でレクターという人物を不気味な存在に仕立てたのである。

この演技は功を奏しレクター博士の眼差しは異様なまでに恐怖を私たちに感じさせてくれました。あの目で見られたら丸裸にされたかのように感じてしまうのはこういったアンソニーの演出があったからでしょう

引用元:https://renote.net/articles/16762が

更にアンソニーはクラリスとの会話の中で台本にないアドリブを唐突にブッ込んできたのである

国勢調査員が、
私を調べようと来たことがあった。
そいつの肝臓を食ってやったよ。
ソラマメとキャンティ・ワインと一緒にな

クラリスがレクターに初めて面会した時の衝撃の一言であり、この言葉の後に不気味なすすり声をあげるのだから さすがのジョディ・フォスターも完全に惹いていたみたいなのである

引用元:映画『羊たちの沈黙』バファロー・ビルについて考察してみました

後にジョディ・フォスターはあの表情は演技ではなく本当にアンソニーに恐怖を覚えての表情だったことを語っていました。

2人の会話だけでアカデミー賞の主要5部門を受賞したと言ってもいいほど私たちが受けたインパクトは大きく このシーンをオマージュした作品が多数登場してきます。

引用元:Amazon.co.jp: 死刑にいたる病を観る

『羊たちの沈黙』を語る上で どうしても出てくるのが二人の掛け合いシーンである事は間違いないのだが他にも語っておかなければいけない見どころはたくさんあるのです…といったようにココでは『羊たちの沈黙』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください

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タイトルの意味

引用元:羊たちの沈黙(洋画 / 1991)の動画視聴 | U-NEXT 31日間無料トライアル

どうだねクラリス
  羊は鳴き止んだかね…

見事に脱獄を成功させたレクター博士がラストでクラリスに電話で言ったセリフである。

クラリスは幼いころのトラウマで牧場の羊が屠殺される際の鳴き声が今でも夜に響いてくると語っていました。コレは何を意味するのか…もちろん殺されていく羊とバッファロー・ビルによって犠牲になろうとしている女性をかけていたことは間違いありません。

引用元:羊たちの沈黙 – 解説・レビュー・評価

バッファロー・ビルに捕らえられている彼女を救えばトラウマとなっていた羊の鳴き声が止むのではないか…とクラリスは思っていたたのでしょうが…

羊は鳴き止まない

クラリスはバッファロー・ビルを捕まえる事ができた代償にハンニバル・レクターという別の殺人鬼を野に放ってしまったのである。

例えハンニバル・レクターが再び捕まったとしても世の中には数えきれないほどの異常犯罪者が溢れています。

幼い頃のクラリスが連れ出した1匹の羊を救えていたとしても牧場には救えないほどの羊が大量にいるのです。

タイトルが羊ではなく羊たちとなっていたのは救えない多くの存在がいるとい意味であり『沈黙』とは救われたことによって羊たちが鳴き声が止んだのではなく…文字通り『沈黙』したのである

クラリスの嘘

引用元:『羊たちの沈黙』クラリス役のジョディ・フォスター、レクター博士役俳優が怖くて話ができなかった

クラリスはレクター博士が捜査協力をする代わりに条件の良い収容所に移送できるという嘘を付いていました。更にクラリスはまた別の嘘を付いていたのでは…と私は感じたのである。

クラリスがトラウマとなった牧場での出来事です。

両親を亡くした幼いころのクラリスが親戚の牧場で僅か2か月で去っていた事に対し『性的虐待を受けたのか…』というレクター博士の質問に食い気味で否定をしていました。

これまでレクター博士の目をしっかりと見つめながら過去を語っていたクラリスであったが、この質問にだけ目線を逸らしたのです。

クラリスが牧場から連れ出した1匹の羊というのは…親戚から性的虐待を受けていたクラリス自身だったのではないでしょうか…

本編でクラリスは屈強な男性に囲まれたり、男性からの視線を受けるといったカットが複数あるのです

引用元:twitter.com/sasara_mosara/status/1338846678913183744

意味もなくこういったシーンをブッ込んでくる訳もなく必ず理由はあるのです。クラリスは過去に受けた親戚からの虐待が原因で男性からの特に性的な言動にトラウマを抱えていたのだと考えればこのシーンを入れ込んだ理由も説明が付くのです。

極めつけがレクター博士の隣の牢獄に収容されていたミグスに精液をかけられるという とんでもないセクハラというより性的な暴行を受けてしまうのです。

しかしクラリスは人前では決して泣くことはしない強がりの性格であり負けず嫌いでもあるのです。その様なクラリスの性格などはレクター博士は一発で把握しているため彼女の嘘などは簡単に見破っていたはずですが…レクターは追求する事はありません…何故なら『クラリスの嘘』も込みで彼女の過去を食べていたからです。

たちという複数形の中にクラリスも存在していたのですが彼女は自身の力でこの枠組みから抜け出すことができたのです。しかし異常犯罪者がいる限りこの枠組みの中に存在する羊たちの鳴き声は止むことはなく…いずれ沈黙へと変わってしまうのです。

軍師かんべえ

羊たちが鳴いているうちはまだ助かる可能性はありますが『沈黙』したら…と考えると非常に怖い感じになってしまいますよね

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食人鬼ハンニバル・レクター

引用元:「羊たちの沈黙」のデミ監督死去 73歳

私が本作を初めて鑑賞したのは高校生の時であり、『なぜレクター博士はクラリスの過去を聞きたかったのか…』という疑問が残ったのである。今でも人を食するという意味は共感はできないが彼の行動を理解はすることができるようにはなりました。

まず勘違いしてはいけない事はレクター博士は誰でも彼でも人間を食しているのではないという事である。

本編中に襲われた警官2人は食されたのではなく殺されただけであり、チルトン医師が語っていた看護婦も噛み千切られただけで食べられた訳ではないのです。

レクター博士は元精神科医であり多くのカウンセリングを施していた訳です。治療をする上で患者の過去を知ることとなるのですが…ある一定のタイプの人間に興味を持ってしまったのだと思います。

クズ人間

患者のカウンセリングを施すうちにクズ人間の味に興味が芽生えてきたのかもしれません。だからこそ自分の好みの味に該当するのか その人の過去を探る行為をしてしまうのでしょう

引用元:https://www.google.co.jp/url?s

上院議員の面会の時もレクターは彼女の過去に踏み込み逆鱗に触れてしまいます。レクターは彼女が食べるに値するクズ人間なのかを吟味していただけなのでしょう

普通に考えれば若くて清楚な女性と考えるのだがチルトン医師のような性根が腐ったような人間がレクターの好みだったのですね・・・それを考えれば訪問してきた国税庁者の人間もクズな人間だったのかもしれませんね

これから古い友人を夕食にね…

引用元:映画『羊たちの沈黙』バファロー・ビルについて考察してみました

最後の最後に放ったセリフで私の背筋を凍らされてしまいました。このセリフを放ったレクター博士の視線の先にはクズ人間であるチルトン医師の姿が…書くまでもないが一緒に食事を食べるのではなく古い友人をコレから夕食にするといった意味。

あんなのを食べたいのですかね…(笑)

軍師かんべえ

のちにレクター博士をメインとした作品が3本作られることになるので、どれだけインパクトが強かったのか思い知れますね。

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バッファロー・ビル

引用元:羊たちの沈黙(映画)のネタバレ解説・考察まとめ (4/6)

レクター博士の凶暴性や残虐性といった所に気を取られてしまうのだがストーリーの本筋はバッファロー・ビルが起こしている連続殺人事件の真相解明なのである。

バッファロー・ビルもモデルとなった複数人の異常犯罪者がいたように狂乱ぶりに関してはレクター博士に負けずとも劣ってはいません。この手の犯罪者の過去を探っていくと幼少期に虐待を受けていたことが多く、現実問題として虐待と凶悪犯罪に関しては相関性があるとされています。

映画の中では語られていないがバッファロー・ビルも母親からの虐待が原因で別人格を作ってしまうのです。医学的には解離性同一症と呼ばれていて『虐められているのは自分ではない』と思い続けることで自己防衛をしているのです。

症状が重くなると多重人格と発展していく場合もあるがバッファロー・ビルは自分とは正反対となる対象への変身願望が強くなってしまったのである。

変身願望

引用元:サルバドール・ダリが1951年に発表した、女性7人のヌードで作られた頭蓋骨の制作風景。

本編中でも語られていますが被害者の遺体の中に埋め込まれていた蛾が意味していたことは『変身願望』。バッファロー・ビルが望んでいたことは女性への性転換だったのです。

しかし先天的な性同一障害と認められなかったバッファロー・ビルは性転換手術の審査に落とされてしまったことが原因で連続殺人を犯してしまうことになるのです。

バッファロー・ビルはまるで蛾が羽を広げているかのようなダンスを踊っていて女性への憧れからか男性器を股で隠すようにしていました。そして女性から剝ぎ取った皮で作った服を纏う事で女性へと変身できるのでは…と感じていたのでしょう

プロファイリング

引用元:クラリス ガールの沈黙|m29 (note.com)

一連の連続殺人の動機は女性の皮を手に入れる事だったのだがFBIは間違ったプロファイリングをしたせいで捜査が息詰まってしまうことになります。しかしレクター博士のプロファイリングは完璧でまるで現場を見てきたかのように正確であり見事に事件解決への糸口になったのである

蛇の道は蛇という言葉があるように犯罪者の気持ちは犯罪者が一番分かっているのかもしれません。そういう意味では捜査ミスを侵したクロフォード捜査官は誠実な人間であるという事なのかもしれません。

軍師かんべえ

何に驚いたかと言うと性転換手術に審査が必要だということですね(笑)

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総括

引用元:ムービー手帳“MOVIES” (yellowegg.jp)

公開された1991年ではプロファイリングという言葉に馴染みがなくレクター博士が導き出していく犯人像に恐怖すら感じてしまい興奮している自分がいたことを記憶しています。

『羊たちの沈黙』以降はレクター博士のような天才異常犯罪者を模倣したキャラだけではなくプロファイリング捜査という観点からの映画やドラマが数々と作られるほど本作が与えた影響は大きかったのです。

もちろん『羊たちの沈黙』の続編を待っていたのだが、『ハンニバル』が公開されたのが10年後の2001年。しかもレクター博士役のアンソニー・ホプキンスは出演しているがクラリス役がジョディ・フォスターではないのである

これは大きなショックでした。なぜ降板したのか…当時は謎でしたが最近になって事実が判明したのです。

小説『羊たちの沈黙」はハンニバル・シリーズとしては2作目であり1作目には『レッド・ドラゴン』という小説があったのです。映画版では3作目として2002年に公開されています。

『羊たちの沈黙』の大ヒットを受けて次回作は前日譚となる『レッド・ドラゴン』ではなく、時系列的にはその後のレクター博士とクラリスを描いた新作で作ることが決定したのです。

もちろんアンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターを想定して作られていたのですが…原作者のトマス・ハリスが調子に乗ってしまい最後はレクター博士とクラリスのベッドシーンが盛り込まれてしまったのです。

引用元:ジョディ・フォスターの若い頃がかわいい!

今となればジョディ・フォスターがレズビアンであることは周知されているが当時はまだ隠していた事もあり脚本を読んだジョディが激怒してしまい降板してしまったのである(笑)

代役にジュリアン・ムーアが立てられるがジョディ・フォスターほどの存在感は出せずキャスティングは残念な感じになってしまう事になるのです。

その後は2002年に『レッド・ドラゴン』2007年に『ハンニバル・ライジング』が公開され2013年から2015年で海外TVドラマ『ハンニバル』の放送が開始。何とイケおじのマッツ・ミケルセンがハンニバル役を務めているみたいです。まだ未鑑賞などで感想は書けませんが映画より衝撃的なシーンが多めという噂なのでグロ耐性のない方は注意してください…って所でオツカレっす!!

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