『バイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ』をモーっと楽しもう

おかえりなさいませ
『バイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ』の
徹底解析・完全ネタバレとなっております
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『バイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ』の考察レビューとなっておりネタバレが含まれております。
未鑑賞の方は鑑賞前の予備知識編の記事をご確認の上で再度お越しください
目次
バイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ

引用元:バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ | ソニー・ピクチャーズ公式
2021年:アメリカ公開 2022年:日本公開 監督:ヨハネス・ロバーツ 脚本:ヨハネス・ロバーツ 原作:カプコン『バイオハザード』 製作:ジェームズ・ハリス ハートリー・ゴーレンスタイン 製作総指揮:ポール・W・S・アンダーソン マルティン・モス子ヴィッツ 出演者:カヤ・スコデラリオ、ロビー・アメル ハナ・ジョン=カーメン、アヴァン・ジョーギア トム・ホッパー 他 撮影:マキシム・アレクサンドル 編集:デヴ・シン 製作会社:スクリーンジェムズ コンスタンティン・フィルム 配給:ソニー・ピクチャーズ・リリーシング
2002年にポール・W・S・アンダーソンが製作したミラ・ジョヴォヴィッチ版『バイオハザード』。世界観や設定や一部のキャラは登場するがオリジナルストーリーで展開した事でバイオファンからは全くの別物として扱われてしまいました。
バイオのゲームファンであった監督ヨハネス・ロバーツは原作ゲームに沿った展開でリブート版(再起動)として『バイオハザード』を製作。監督はインタビューで『至る所にゲームファンには堪らない要素がある』とコメントしていました。
プロデューサーであるジェームス・ハリスも『ゲームファンのための映画化』とコンセプトを提言をしていたように本作のターゲットはバイオハザードを愛するファンであったことは間違いありません
しかし内容の良し悪しを語る以前にポリコレを意識しすぎた期待外れのキャスティングがファンを怒らせてしまったのです。
引用元:引用元:https://otakaranet.com/wp-content/uploads/2022/01/RERaccooninside2.jpg
主人公のクレア(左下)とクレアの兄クリス(右上)に関しては特に問題はなかったのだが…ジル・バレンタイン(左上)が黒人女性となっていてレオン(右下)はアラブ系男性が演じている上にヘタレ設定となっていました。
ちなみに私はミラ版『バイオハザード』を全6作観ているがゲーム未プレイヤーで知識としては殆ど無い状態だったのでキャラの改変に関しては特に気になる事はなかったのだが…ゲームファンにとっては許せない改変だったとの事である。
画像の4人はバイオハザードのゲームの中ではかなりの重要なキャラであり4人共に人気の高い人物なのである。演じた俳優の演技とかの問題ではなく人種が変わった事で冒頭からゲームファンは『コレじゃない感』というノイズを感じた状態で映画鑑賞をさせられた事になります。
もちろん大炎上となり当初のコンセプトである『ゲームファンのための映画化』というコンセプトとは全く逆のファンの怒りを買ってしまい突き離されてしまう結果になったのです。
更に悪いことに作品自体はバイオファン目線での内容になっているため『もう分かっていますよね』的な作りになっているので細かい設定や世界観の説明が殆どされない状態で物語は進んで行くのである。
私みたいなゲーム未プレイヤーにとっては意味不明な小ネタやシーンが幾度となく挟まれているので理解についていけない事が多々あるのです。
引用元:「かゆい うま」のメッセージにり驚愕、「バイオハザード」本編映像の一部公開
ゾンビ化した女性がガラス窓に書いた”ITCHY TASTY”『かゆい…うま』であるがゲームを知らない人にとっては全く意味不明な単語となります。
しかし有名なセリフみたいでゾンビ化していく人の日記に書いてあったという事みたいである。何となく分かるのだが…『何がかゆいの?何が旨いの?』と普通思いますよね
他にもBGMや効果音などファンが思わずニヤリとしてしまう小ネタが作中には散りばめられていて中でもファンの間でも好評であったゲームの再現度が高かったのが…
引用元:バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
冒頭に登場した『ハンバーガーおじさん』の再現度はかなり高いみたいである。酷評していた割には好評ポイントもしっかりあり…結構楽しんでいたんだと少し安心しました。
正直に申し上げるとゲーム未プレイである私が初見で本作を鑑賞した時の感想は『意味が分からない所があるが…結構 怖い』でした。この分からない部分を理解すればもっと怖くなるのかな…と思い勉強して2度目の鑑賞をすると
『面白い…こわっ』
…という感想になったのです。もちろん最高傑作のホラー映画だとは思いませんが酷評として扱われるほどの駄作とも思えませんでした。おそらくキャラに対しての愛着もなければ先入観もなかったのが良い結果となったのでしょう。
新たな試みで『意外に面白いぞバイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ』と題して記事を書き上げていきます。本編中に謎に感じたシーンやカットの説明が中心となっていきますがあくまでも私個人の考察という事でヨロシクお願いいたします……といったようにココでは『バイオハザード:ウェルカム トゥ ラクーンシティ』を既に鑑賞しているという前提で記事を作成しております。ネタバレ注意となっておりますのでご了承ください。

パンデミック
引用元:バイオハザード オペレーション ラクーンシティ ローンチトレイラー公開&最悪な海外レビュー!
舞台となるのがアメリカ中西部にあるラクーンシティ。大手製薬会社アンブレラが本拠地としていたことで街が大きく発展をするが本作ではアンブレラ社が撤退したことが原因で街の過疎化が急激に進んでしまった…という所から物語は展開していきます。
この街…何か変だぞ
ゲームの中ではお馴染みの展開なのかどうかは知らないが何の前触れもなくいきなり街の雰囲気が違和感ばかりなのである。血の涙を流す女性がいたり…少女がトラックに跳ねられても平気だったり、母親と娘の髪が異常に抜け落ちていたり…
一切の説明はないのだが街は異様な雰囲気となっておりパンデミックの前兆がバンバン出ているのである。
ミラ版バイオを観ていたこともあり『既に街までウイルスは広まっているんだ』と理解はできたが少しは説明をして欲しいというのが本音ではある。一通り街の異変を見せた後に登場するのが…
引用元:[インタビュー]バイオハザードのジョシュクルダス:ラクーンシティへようこそ
アンブレラ社の陰謀を暴露するベン・ベルトリッチが登場。街の異常な雰囲気を既に観ている私たちは彼の陰謀説に真実味を感じてしまうが夜勤明けで寝ていたクリスは街の様子を知るはずもありません。
クリスはベンの言葉を聞き流しているようだが彼の言っている事が真実ならとんでもない事がコレから待ち受けていることになる…というか待ち受けているのである。
『アンブレラはゆっくりと街を汚染している』
『事故で水質汚染が一気に進行した』
アンブレラは極秘に生物兵器となる『T‐ウイルス』を研究していたわけだが意図的に少しづつ菌を街に拡散していたのである。おそらくデータを取るための恐ろしい計画のためでしょう。
そして大量の菌が拡散してしまう事故が発生したことでアンブレラ社は突如として街から撤退したのであろう。
この真実を知った事でベン・ベルトリッチは警察署の地下に幽閉されてしまうのである。この時点で警察とアンブレラ社の癒着の真実が確定的になってしまいます。
引用元:バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ – 解説・レビュー・評価
更に地下牢でもベンは重要な事を語っていたことを覚えていますか?
『警察は知らない間にワクチンを打っている』
一般市民はゾンビ化の症状が出ているのに対し警察署員に症状が現れていないのは知らない内に抗ウイルス薬を投与していたからだとベンは語っていました。
警察VSゾンビ
引用元:現実的なバイオハザードにありがちなこと
なぜ警察署員に抗ウイルス薬を投与していたのかと言うと『T‐ウイルス』は生物兵器という目的があるため『VS人間』との戦闘データが欲したかったのだろう。拳銃などの武器を保有している警察官が適任であるのは間違いありません。
この恐ろしい計画は本作だけでなくゲーム版やミラ版『バイオ』でも描かれていたアンブレラ社と政府が仕組んだ陰謀だったのです。
ラクーンシティ事件
引用元:ホラー映画「バイオハザード」シリーズ(全7作品)のトラウマシーン・最大の見せ場のまとめ
極秘裏で行われていたアンブレラ社による生物兵器『T‐ウイルス』の研究・開発そしてアクシデントにより発生したラクーンシティのパンデミックでさえもデータ収取として扱われた上に全てを闇に葬る処置として核爆弾による滅菌作戦が執り行われることになりました。
この一連の事件は『ラクーンシティ事件(アンブレラ事件)』として扱われています。

ゲームファンにとってはお馴染み展開でも未プレイの人にとってはかなり説明が必要が部分を飛ばしていたので理解不能になりましたが…こうやって並行して考察すると非常に分かりやすいですよね


リサ・トレヴァー
引用元:映画「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」哀しき悪役「リサ・トレヴァー」
恐ろしいほどに全くの説明もなく登場させては何だったのかをも明かさないまま消えていった『リサ・トレヴァー』。原作ゲームでは1作目から不死の生物として存在しているみたいである。
彼女はアンブレラ社によって繰り返し行われた生物実験が原因で異常をきたしながらもウイルスの定着化に成功した少女だったのです。しかし度重なる実験が原因で死ねない体になってしまい廃墟となった養護施設に今も留まっているという設定でした。
リサとクレアは幼少期の頃に出会っていたことで何かしらの絆が芽生えていたみたいである。クレアが養護施設で突如として現れた謎の生物リッカーに襲われた時はリサが救出しています…という事はリサは味方という事になります。
引用元:バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
ただでさえリサ・トレヴァーの存在に対し意味不明となっているのにも関わらず突然と登場するのが『リッカー』という謎の生物。
そういえばミラ版『バイオ』でも似たような怪物が登場していたような記憶がある。このリッカーという怪物はリサ以上に全くの説明がないのである。
ゲーム上ではゾンビ化した人間が更にT‐ウイルスによって汚染された結果が『リッカー』との事だ。ただ中ボス的な位置のリッカーもリサによって簡単に下あごを粉砕されて終了となってしまいます。
単純にリッカーの登場は監督の自己満足だったに違いありません。ファンの方も作品を酷評しているがリッカー登場は喜んでいたみたいである。
地下の実験場
引用元:【ネタバレあり】映画『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』感想と考察
地下には映写機があり実験の様子が伺える映像が映し出されていました。おそらく少女の方がリサ・トレヴァーなのでしょう。アンブレラ社が人体実験を極秘裏にやっていた証拠となる映像だったのです。
そしてココで説明がなく出てくるのが『G‐ウイルス』の存在
引用元:バイオハザード/ T-ウイルス&アンチ・ウイルス
ゲームファンにとっては『リサ・トレヴァー』=『G‐ウイルス』と簡単に結びつくであろうがゲーム未プレイヤーにとっては絶対に『G‐ウイルス』が出てくるわけがありません。存在すら知らないわけですから
『G‐ウイルス』とは…
生物兵器『T‐ウイルス』の実験台として繰り返しウイルスを投与されたリサ・トレヴァーは『死ねない体』へと変貌。更にウィリアム・バーキン博士によりリサの研究が進められリサの体から進化した『G‐ウイルス』が発見される。
『G‐ウイルス』を人間に投与するとゾンビ化までの過程はT‐ウイルスと同じであるが感染者の生命が尽きるまで予測不能な進化を繰り返し続けるという驚異的な結果が出てしまった事で危険視され研究が中止となってしまったウイルスの事である。
引用元:バイオハザード(カプコン)公式さんはTwitterを使っています
リサ・トレヴァーは監督のお気に入りのクリーチャーで是非とも本作の中に登場させたかったとインタビューで答えていました。バックボーンを知っているファンにしか意味が通じない急な登場のさせ方ではあったが入れ込み方は自然であり良かったと思います。
酷評の中には『ジャンプスケアしかない』とコメントしている方がいましたが…リサの不気味さは後を引いてしまう恐怖があり決して驚かしだけの演出ではなかったと感じています。次作があるかは微妙であるがリサの過去だけでもある程度エピソードになるので今後があるなら期待したいキャラでもあります。

『続編』はあるの?
引用元:『バイオハザードウェルカムトゥラクーンシティ』
残念ながら肝心のバイオハザードファンからは酷評の嵐となってしまい映画評論家からの支持も得ない結果となってしまいましたが結果としては2500万ドル(約33億円)の製作費に対し映画館の世界興行収入は3800万ドル(約51億円)と約18億円の黒字ではあります。
更にアメリカでも日本でも配信サービスではかなりの視聴があるみたいだ。
ただ問題となるのは酷評を受けて監督のヨハネス・ロバーツやジル役とレオン役の2人が続編に対して前向きになれるのか…という点である。
私的には続編希望ではあるが果たしてどうなるでしょか…ただ本作は続編ありきでの内容となっているので次に繋がる伏線が本編中に張り巡らされていました。
アンブレラ社との確執
引用元:実は超優良企業? あの“傘のマーク”アンブレラ社をエコノミストが徹底分析
ベン・ベルトリッチの陰謀説だとアンブレラ社は意図的にウイルスを拡散させていたと言っているが事故なのか計画の一部なのかは現段階は想像の域を超えることはできません。
核攻撃による滅菌作戦により街の殲滅を図りましたがクレア、クリス、ジル、レオン、シェリーの5人は無事にラクーンから生還を果たしています。更にウェスカーも謎のアジア人女性であるエイダ・ウォンによって蘇生させられていました。
生き残ったクレアたちとアンブレラ社との確執が今後のテーマとなってくるのでしょう。
エイダ・ウォン
引用元:【映画】バイオハザード ウェルカムトゥラクーンシティ ネタバレ徹底ストーリー考察!
ウェスカーにスペンサー邸の情報を流していたのが謎のアジア人女性のエイダ・ウォン。ポストクレジットシーンでその正体を現すのだが明らかに続編に対しての伏線であることは間違いない。
わずか数十秒の出演にも関わらずココでもエイダに対するポリコレによるキャラ改変に酷評が集まってしまうのである。
引用元:『バイオハザード』シリーズの美しいコスプレ特集
それもそのはずでコスプレされる事も多いエイダ・ウォンはバイオハザードの中では超人気のキャラなのである。素性や目的など全てが謎に包まれている中華系の美女。アンブレラ社とは敵対関係にある企業に属している産業スパイというのがゲーム上の設定である。
現状ではクレアたちと敵対するのか…味方になるのかは不明。更に蘇ったウェスカーもどのような立場になっていくのかも不明となっている。
シェリー・バーキン
引用元:映画『バイオハザード:ウェルカムトゥラクーンシティ』あらすじラストまでネタバレ
アンブレラ社で生物兵器を研究していたウィリアム・バーキンの実娘であるシェリー。本作では特に存在意義を示さなかっただけに続編以降で重要なポストを任されるのではないかと予想しています。
これだけ伏線を貼っているので続編の構想は既にあるのだと思いますが今だに情報が出ていないという事は流れてしまった可能性も十分に考えられます。忘れた頃に情報が出てくるかもしれませんが期待せずに気長に待ってみましょう。

配信サービスが順調なだけに続編の期待値も上がったが…果たしてどうなる事やら…

総括

引用元:バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ | ソニー・ピクチャーズ公式
ポリコレを意識した事でかなりのキャラ改変をしたことが原作ゲームファンを怒らせた結果となり酷評を集めてしまった作品となりましたが原作ゲームを知らない私にはそんな事は関係なく鑑賞できたことでフラットな立場から鑑賞できました。
かなり説明が足りなかったが…何となく想像はできる範囲ではあったので十分に楽しめる作品ではありました。ミラ版『バイオ』とは違いホラーテイストが強い作品だったのも私的には良かったです。
私的にお気に入りのキャラが警察署長のブライアン。完全に街の異変に何か知っている様子で逃げ遅れてしまい最後はリッカーにやられてしまうという残念キャラ。
最後にゾンビとして襲いかかってくれれば嬉しかったのですが登場はありませんでした(笑)まぁ続編で登場を期待しましょう…って出てくるわけあるか!って所でオツカレっす